菜園たより

草と一緒に野菜を育てる

トマトとキュウリの畑は、春、苗を植えるのと同時にうね間(通路)に牧草(えん麦と赤クローバー)の種をまきつける。やがてトマトやキュウリが大きくなってくる。 牧草も伸びてくる。ついでにまいてはいない草まで芽を出し、スクスクと伸びてくる。しばらくしてから通路の草を草刈機で刈り倒す。刈った直後は芝生のようでなかなかきれいだ。 牧草と草はすぐまた伸びてくるので、定期的に刈り込みながらトマトやキュウリを収穫してゆく。こういうやり方を草生(そうせい)栽培といいます。
キュウリはアブラムシがつきやすく、またアブラムシに弱い。以前は木酢液をかけたり、大さわぎしていたのだか、草生をするようになってからアブラムシが出にくくなった。 たまに少しばかり出ても、なぜか増えてゆかない。そのうちいつのまにかきえてしまう。不思議だ。見ていると、はだかの土より草が生えている所の方が確かに虫やカエルが多い。 天敵も多いということでしょうか。また、キュウリだけ植えてあるより、生えている植物の種類が多い方が、畑の環境が安定するようだ。とはいえ、まめに草刈をしないとたちまちジャングルのようになってしまうのです。
そのトマト、キュウリの収穫もピークを過ぎ、お盆(旧盆)を過ぎると、急に寂しくなる。昼の日差しはまだまだ強く照りつける。けれど、朝夕は何だか妙に空気がすんでいるような気がしてくる。 雲の形も心なしか真夏とは違う。あるいは単に気温が1~2度下がったことを、むしろ体のほうが正確に感知するのだろうか。とにかく、何やら少し秋のけはいだ。
今、秋冬ものの種まき時期だ。ファッション業界ではないけれど、秋冬ものの仕込みは夏にやっておかなければならない。6月にキャベツ、7月にブロッコリー、8月に白菜、大根をまいて、 あとは今から9月下旬までホウレンソウや小松菜などの葉物の種まきだ。秋が深まり、寒くなってくると、野菜の生長は日に日にゆっくりになってくる。 今まいた小松菜は1ヶ月もしないで収穫になる。一番最後にまいたものは大きくなるのに、その倍近くかかってしまう。これをバッチリ計算して種まきしているはず…なのですが、なかなかスムーズにいかないことも多い。 一度あいだがあいてしまうと、待っても待っても大きくなってくれないのです。今年はうまくゆくとよいのですが…。
夏野菜もにぎやかでよいのですが、そろそろ間引き菜のおひたしでも食べたくなってきました。

写真:カマキリ
トマトのうね間の草生もついつい手が回らず、草ぼうぼうに。でもここは虫の天国だ。今朝は脱皮したばかりのカマキリと眼が合った。

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お隣のすごいおじいさん

毎年のことながら、夏ってこんなに暑かったっけ?と思ってしまう。畑の草取りなどしているとたちまち汗びっしょりだ。「上農は、草を見ずして草を取る」なんていいますが、草取りも適期にきちんとやりさえすれば何の問題もない。畑中きれいにして、ついでに土手草も刈ってやれば、さっぱりしていい気分だ。だが、どういうわけかなかなかこうはいかない。どこかでひとつつまずき、適期を逃がすと、みるみる畑は草だらけになる。本当にあっという間だ。こうなると何倍もの時間をかけて、畑中はいずりまわるはめになる。まあ、汗をかいて身体を動かせば健康にもよい、と言うことにしておきたいと思いますが…。
今日は隣の吉一さんが、ホークを使って耕運機の荷台に堆肥を積み込み、運んでゆきました。百姓ひとすじ、お年は確かもう90歳に近いはずだ。田んぼも作っていて、スーパーカブに乗って水の様子も見に行く。トラクターに乗って畑を耕しにゆく。梅の木に登って梅をもぐ。あれやこれやいつも体を動かしている。夏バテしないんでしょうか。ちょうどうちの家の窓から見える彼の自家用の畑は、いろんなものが少しずつきれいに植えられている。トウモロコシが何回も食べられるよう、数本ずつ階段状に植わっている。漬けウリも植えてあるようだが、ご自分で奈良漬けを作るのだろうか。人間先のことはわからないが、吉一さんを見ていると日々体を動かすことって、どんな保険に入るより確かなことに思えてしまいます。

写真:ヤマトイモ
今、生け垣のようにしげっています。収穫はこのつるが枯れてから。小さめでも形の良いイモがとれてほしいのですが、掘ってみないとわかりません

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犯人は誰だ?

今年もまたモロコシ畑にタヌキがやってきた。朝、キュウリを取りに畑に行くと、隣に植えてあるトウモロコシが2、3本倒れている。もしかしてと思い、近づいてみるとやっぱりそうだ。ガリガリとかじったあとがあり、半分ほど皮をむかれたモロコシが転がっている。見ると中の粒はまだ小さくて真っ白だ。「おいおい、まだ早いよー」タヌキも皮をむいただけで一口もかじっていない。一目見てまだ早いと判断したものらしい。毎年、そろそろ取れるかな、と思っていると、ひとあし早くためし取りしてくれるので、収穫時期の目安にはなるのですが…。
 ところで、タヌキ、タヌキと決めつけているが、実際にタヌキがモロコシをもぎ取っている現場を目撃したことはない。それでは証拠不十分ではないか、と言われればまったくそのとおりだ。もしかするとハクビシンかもしれない。何年か前に隣の家の柿の木に登って柿を食べているのを目撃したことがある。白黒まだらの特徴あるお顔なので間違いない。彼らは木のぼりがたいへん得意で甘いものに目がない。あるいはアナグマかもしれない。何年か前に、かなりジャガイモを掘られたことがある。こちらはやはり目撃証拠はないのだが、アナグマというだけあってたいへん上手に、かつパワフルにイモほりをしてくれた。去年はシカにだいぶ食べられたのだが、シカの食べ方は違う。まだ指くらいの太さの、ヤングコーン状態のものを歩きながらパクパク食べてしまう。何せ体は大きくて食べる量は多い。これが一番まいってしまう。それに比べれば毎日少しずつ大きくなるモロコシを、食べごろになるまでじっと待っているタヌキなんて、かわいいものだ。つい待ちきれずにちょっとだけかじってみた気持ちもわからなくはない。とはいえ、食べ始めるとほとんど毎日数本ずつ食べに来る。家族そろってこられると、一日あたりかなりの必要量になる。これも数年前の話ですが、トウモロコシの収穫がすっかり終わって片づけをしているとき、畑のまんなかに「穴」を発見したことがある。深さ30cm長さ1mほどのりっぱな横穴で、タヌキか何かが作ったらしい。昼間はここでお休みして、夜はひたすらトウモロコシを食べて、ひと夏過ごしていたらしいのだ。
毎年今ごろは何やら忙しく、なかなか手が回らないのだが、今年は少し余裕があるようなので、タヌキには悪いけれど、もろこし畑にネットをはろうかなと思っています。動物もみんな大好きなトウモロコシがもうじき取れます。

写真:タヌキ
 去年の暮れ、家の縁側に出没した。普通は昼間、あらわれないが、皮膚病をわずらって弱っていたせいだろう。

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肥料のこと

ほそかわ農園で使っている肥料は牛ふん堆肥、カキガラ、ボカシ肥の3種類です。堆肥は作物にあげるというより、フカフカで微生物いっぱい、元気いっぱいの土にするために「土」にあげるというかんじです。カキガラは名前のとおり、カキの貝殻の粉末です。以前は石灰を使用していたのですが、そのかわりに使っています。ホウレンソウ、トマトなど石灰分を特に必要とする作物にまいてあげます。
 作物にまく、いわゆる「肥料」は3年ほど前からすべて自家製ボカシ肥にしています。ボカシというのは有機質肥料を発酵させたものです。原材料は米ぬかが全体の2/3、ナタネ油の絞ったあとの油カスが1/3、魚カスとカニのこうらの粉末が少々(1/10~1/20くらい)、あとはモミガラです。これらの材料を混ぜ合わせ、水をかけると、今の時期なら数日でたちまち温度が上がってきます。発酵熱で60℃くらいになるのです。そしてなにやら甘酸っぱい、いい匂いがプーンとただよいます。酵素風呂ではありませんが、入ったら気持ちよさそうです。春先、まだ寒いころノラ猫が上に乗って温まっていたこともありました。1日1回まんのうぐわやスコップで切り返し、混ぜます。最初は水分が多く、ずっしりと重いのですが、次第にサラサラになり、温度も下がってきます。これででき上がりです。現在はこういう肥料を500~600kgずつ年に4回作って使っています。ボカシをあげると虫の出かたは安定するし、野菜も甘くおいしくなるような気がします。とはいえ、たとえどんな肥料を使ったとしても、人間の思いどおりに野菜に味付けすることはとうていできません。
「トマトを作る、ジャガイモを作る」という言い方をついしてしまいますが、本当はトマトやジャガイモが自分で育った、と言うほうが正確ですね。でも、だからこそ
野菜っておいしく、慈味なのでしょう。

写真:キュウリの花
ウリ科のカボチャ、ズッキーニ、キュウリなどは、雄花と雌花がある。雌花にはもう小さなキュウリがついている。

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害虫と益虫

梅雨入りしたというのに、よいお天気が続いています。雨ばかりの梅雨も仕事ははかどらないし、いろいろ不都合なことがあるのですが、農業にとってより本質的には雨が降ってくれない方が困るのだな、と思いしらされています。もうこの先どんなに大雨が降ろうと決してお天気に文句はいいませんから…。
「降れば病気、照れば虫」なんて言い方があります。雨の多いときは作物に病気が多く、日照りが続くと虫が多く発生すると言う意味です。どっちにころんでもいいことのない、みもフタもない言い方ですが、基本的にはこのとおりです。今年は今のところ日照り年なのでうちの畑にもアブラムシ、それからキャベツやブロッコリーが大好きなアオムシ、コナガの幼虫、ヨトウムシなどの害虫がやや多いようです。
虫を害虫、益虫と分けるのは、まことに人間の勝手とは思うのですが、畑や田んぼではどうしても植物を食べる、ベジタリアンの虫が害虫、他の虫を食べる肉食の虫が益虫(天敵)となってしまうのです。虫を観察することによる減農薬運をはじめた宇根豊さんによると、害虫、益虫の他に「ただの虫」というのがいるそうです。例えば、田んぼには600種くらいの虫が住んでいるそうですが、害虫あるいは益虫とよばれているのはその10パーセント以下で、後は直接作物に害もしなければ、益もない、人間から見ればいわゆるただの虫だそうです。しかし、このただの虫が益虫のエサになったり、有機物を分解したり、自然のサイクルの中で目には見えなくても大きな役割を持っている、というお話でした。今、「絶滅危惧種」などとよばれる生物が確実に増えているようですが、おそらく生物の種類が多ければ多いほど、人知の及ばないバランスにより、環境は安定するのでしょう。
畑の上空を自在に乱舞して虫を捕まえているツバメの群れ。思わず見とれながら歩いていると、大きなシマヘビとばったり鉢合わせする。田んぼのあぜには、今しっぽが取れたばかりの小さなカエルが無数にはねまわっている(ヤマアカガエルか?)。
水中に目をこらせば、そこには小さな生き物が満ちあふれている。多くの生き物に囲まれているという感覚…それは一種の幸福感です。
イネとウキクサ
次第に増え、ついに全面ウキクサにおおわれた田んぼ。光をさえぎり、水温が上がらないと嫌われるのだが、逆にそのことにより雑草を抑えたり、また水を浄化する働きもあるという

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農業は楽しい!

ごぶさたいたしました。半年ぶりですね。久しぶりすぎて何だか照れくさいです。
やっと野菜のお届け開始となりました。本当はもう少し早くお届けしたかったのですが、このところやや気温が低かったせいか、野菜も今のところゆっくりとそだっているようです。今年はどんな天候になるのやら、そればかりは誰にもわかりませんが、今年もうちの野菜をどうぞよろしくお願いします。
さて、ほそかわ農園は今年で10年目のシーズンになります。10年やってみてあらためて思うこと、それは「農業は楽しい!」ということ。体を動かし、作物を育て、そして育ってゆくのをながめ、収穫し、いただく…。毎年同じことの繰り返しですが、なぜかちっともあきません。かなりおめでたい人間のようです。そして、うちの野菜が食べたいという方に食べていただけるのはありがたいことです。自分がおいしいと思うものをおいしいと思ってもらえる…有機野菜を作り続ける、ささやかなこだわりをわかってもらえる人に出会う、これはとっても幸せなことです。
また同時に農業の奥深さも感じます。トラクターで草一本ないようきれいに耕し、そこで何か一種類だけ作物を育てるというのは、自然からみればとても不安定な状態です。自然にまかせて放っておけば、安定はしても畑にはならない。そのバランスが難しい。植物を相手に思うようにコントロールするのは、本当に難しいです。
今年新しく作っている作物。だいぶ前にキビを作っていたことがありました。今年また雑穀を作ってみたくなり、キビとアワの種をまきました。アワを作るのは初めてなので、どんなものか楽しみです。緑色の大豆、いわゆる「ひたし豆」も少しまきました。それから「高山インゲン」と言う白いインゲン豆、煮豆にするとネットリとしておいしいのですが、これを皆さんに食べていただこうと思い、たくさんまきました。また、ミニトマトを減らして、ミディアムトマトというのを育てています。ゴルフボールくらいのトマトでおいしいそうです。どんなのができるでしょうか。「万願寺甘とう(京野菜でシシトウの大きいの)」もまた作っています。それからパプリカは以前作っていた小さい品種に戻し、赤いのと黄色いのを作っています。ゴボウはここのところもう何年もうまくできたためしがなかったのですが、今年は耕土が深くうまくゆきそうな畑を借りることができたので、種をまきました。太くて柔らかい「下仁田ネギ」も植えました。他にも好奇心にかられて試作しているものが、実はいろいろあります。そしてさらに気持ちのよい季節のせいでしょうか。どこかに出かけるたびに花の苗や種、果樹の苗など、ついつい買い込んでしまい、いったいどこに植えようかと草だらけの庭をながめるこのごろです。

写真:大麦の穂

伊那谷の方に少量の大麦でも押し麦にしてくれる小さい製粉所があると教えてもらい、今年初めて作ってみました。かなり大量に取れそうなのですが、他にはどんな利用法があるのだろうか?

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今年もお世話になりました

野菜セットのお届けは12月で終わりです。今年も、ほそかわ農園の野菜をたくさん食べていただきありがとうございました。1シーズン食べていただいた野菜をひとまとめにしたら巨大な山になるのではないでしょうか。野菜セットはまた来年の6月から始まります。それまで長いお休みになります。一年中とはいわなくても、もう少し長い間みなさんに野菜をお届けできたらよいなと思うのですが、このあたりは冬の寒さが厳しくなかなかむずかしいです。根菜類などは比較的貯蔵しやすいのですが、青物がとぼしくなってしまいます。わが家では白菜、キャベツも貯蔵して冬中食べるのですが、どうしても鮮度が悪くなってしまいます。でも、冬を越して3月ごろのカボチャ、ジャガイモは今よりさらに糖度が増して信じられないほど甘くなるんすよ。
この季節になると「冬は何するだ?」と聞かれることが多い。これは何のアルバイトをするのか?という意味です。ここらのお百姓は昔から、冬は農業以外の何らかの仕事をして生計を立ててきたわけです。今でも農家の多くは、大規模にやってかなり農業収入の多い人でも、冬のアルバイトをしています。特に昔かたぎの人は、たとえお金は十分にあっても、何もしないでブラブラしているのが何よりつらいようです。うちの場合、お金はないのですが、今年も特にアルバイトをする予定はありません。ブラブラというわけではないですが、年が明けてからは、朝起きて「さて、今日は何をしようか」と考える生活です。とはいえ、ちょっとしたものおき小屋を作ったり、また例のごとくまきを運んだり、割ったりなどしていると、もう2月半ばからまた春の種まきが始まるのです。
冬の仕事で一番大事なのが、来春からの畑の計画をしっかりと立てておくことです!新年早々いろいろな種苗会社などのカタログを広げ、ストーブにあたりながら、あーでもない、こーでもないと考えるのはとても楽しい。見たことのない珍しい野菜ばかりお届けしてもどうかと思うのですが、まだ食べたことのないもの、とくにカタログに「大変おいしい、食味極上」なんて書いてあるとぜひとも作ってみたくなってしまう。ついついあれもこれもとタネを注文してしまい、畑に植えるときになって困ってしまう(これが計画と言えるのか?)。また、もっと自分に納得のゆく、よりよい作物を作っていく方法もはっきり見えてきた気がします。それは、今よりもっと太陽と植物と微生物の力を有効に使うこと。緑肥であり、草生栽培であり、豆類や麦類をもっと取り入れてゆくこと、畑に持ち込むものをなるべく少なくしてゆくことでもあります。来年もうちの畑にご期待ください。どうぞよいお年をお迎え下さい。

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寒さに強い野菜

寒くなるにつれて畑にある野菜の種類は少なくなってくる。寒さに弱いものから一つずつなくなってしまうのだ。葉物野菜で最後に残るのはこの三種類。コマツナ、ホウレンソウ、ターサイだ。
コマツナは作りやすいといえばたいへん作りやすい野菜だ。タネをまけば、気候のよいときならば1ヶ月弱で「コマツナ」ができあがる。作業としては(1)タネまき、(2)収穫、という感じだ。しかし、生育期間が短い分、途中でどうこうすることはできない。例えば、トマトならばどの畑に作ったとしても、あげる肥料を吟味し、足りないようならばもう少しあげようかと、顔色をうかがいながら育てることもできる。しかしコマツナは、途中であまりよくないかも…と思ってももうどうしようもない。よい土でなければよいものができない。正直です…。土の味がそのまま出てしまう、という感じでしょうか。
ホウレンソウは、実は葉物の中ではもっとも作りにくい。肥料もたっぷりじゃないといやだし、酸性の土は大きらい、雨もきらい、とかなりわがままだ。ホウレンソウがよくできるようになれば、よい畑になったというくらいだ。うちでは最近は石灰の類もぜんぜん使わないようになった。ホウレンソウは特に大量の石灰を畑に入れないと育たないということになっている。かわりにカキガラ(牡蠣殻)の粉末を使用しているのだが、畑によってはうまくいかないことも多い。土作りもまだまだ半ばという感じです。
ターサイがこの3つのなかではもっとも寒さに強い。その秘密はこの形、緑のザブトンだ。初めて見た人は必ず驚いてくれる。この形をロゼットといいます。道端のタンポポなんかも冬はこんな形をしている。でも9月頃の姿はぜんぜん違う。ちょっと葉っぱが多いけどコマツナかなーという感じだ。寒くなるにつれ、次第に地面にはりついてくる。もっと寒くなると、あんまりぴったり地面にはりつこうとするせいか、チョキッと収穫すると、裏側に反り返ってしまうくらいだ。
これら3つとも寒ければ寒いほどおいしくなる野菜だ。今年の秋はずいぶん暖かかったので、まだまだこれから柔らかく甘くなってくれるはずです。

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田んぼのワラ集め

「豊作年は秋の長雨」と言うそうですが、何だか雨ばかりで、やっと田んぼのワラ集めが終わった。自分の田と近所の人の田から合わせて5反分(50a)くらいのワラを運ぶ。このうち半分は堆肥の置き場所にしている5セ(5a)ほどの畑に運びこむ。そして近所の酪農家から分けてもらった牛フン堆肥と混ぜて積み上げる。エゴマの実をとった後の茎、大豆を収穫した後の豆がらなんかもいっしょに混ぜてしまう。トラクターで切り返すたびにもうもうと湯気が上がる。今はうず高い山になっているが、半年もたてば何分の1かの量になる。これで堆肥の完成。来年には畑にまかれることになる。
 もう半分のワラはしきわら用だ。こちらはまず、田んぼに散らばっているワラ束を4つか5つずつ円すい状に立たせて、上のほうをワラでくくる。そのまま2週間くらい乾かす。乾いたら今度はひとかかえくらいに束ねる。それをワラ小屋に運びこむ。古い木造の、ワラを入れるための小屋があるのです。このワラは、来年畑でトマトやキュウリ、カボチャなど主に果菜類の株元や畝間に敷いてあげる。はだかの土より何か地面の上に敷いてある方が植物はうれしい。何ヶ月かすると、敷いたワラはすでに下のほうから腐り、分解し始めている。ミミズやいろんな虫も増えてくる。そして収穫が終われば、またトラクターで耕されて畑にすきこまれる。
 また、野菜の収穫・出荷のたびに、キャベツの外葉やネギの皮などの「ゴミ?」がコンテナ何ばいか出る。これらも堆肥置き場に運び込まれ、また別のひと山に積まれる。台所の生ゴミもいっしょだ。これも何度か切り返し、一年ほどたつとすっかり土みたいになる。こっちの方は田んぼに運ばれて、わが家で食べるお米にかわる。
今、紅葉も終わり、ハラハラと木の葉が散っている。全部落ちれば、今度は雪がふる前に落ち葉集めだ。くまででかき集めて軽トラに積み、運ぶ。わりとのどかな仕事
ですが、一週間ほどかかる。落ち葉は来年の春、ハウスの中で「踏みこみ温床」に使う。まずは発酵熱で野菜の苗を育ててもらうのだ。そのあと運び出し、またまた積み上げ、切り返す。二年たつとすっかりさらさらの土になる。今度はそれをポットに詰めて、ナスやトマトの苗を植えるのに使う。苗を定植すると、この土もいっしょに畑に入る。
農業というのは、化学肥料にたよらない有機農業では特にそうなのですが、こんなふうな炭素分の多い、ガサガサかさばるものをせっせと運んだり、積んだりする仕事
かもしれません。ワラや落ち葉がだんだん貴重な宝物のように思えてくるのが、われながらおかしいです。よく手入れされ、落ち葉のとりやすそうな山を見かけると「いいなー」とうらやましくなってしまうのです。

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ヤマトイモの話

寒くなってきました。それもそのはずで、いつのまにかもう11月です。いろいろあっても季節が巡るのだけは確実です。サツマイモを掘り、稲刈りをし、花豆や大豆など豆類も収穫が終わり、畑のほうもだいぶ片付いてきました。先週からヤマトイモを掘りはじめ、今ぼちぼちと掘りすすめているところです。今年はビニールマルチを張るのをやめて(なるべく使いたくはないのです)、畝の上にわらを敷くだけにしてみたのですが、何の畑なのかわからないくらい草だらけになってしまいました。やはりそれがよくなかったのでしょうか。今年のイモは残念ながらだいぶ小さめみたい。イモ掘りはまずその草を引き抜いて、次に手でイモの頭というか首というのかそのあたりを少し掘り、位置を確認します。それからスコップでまわりから掘りすすめ、準備オーケーと引き抜こうとすると、さわるかさわらないかのうちに「ポロリ」と小さいのしかとれないこともしばしば。おかげでほるのは楽なのですが…。
ヤマトイモはヤマイモの仲間です。長イモより水分が少なくてねばりが強く、色も白くて上品な感じです。長イモの方は、野性的というか、あの口のまわりや手がかゆくなる成分が多い。その分特有のうまみも多い気がします。ほそかわ農園でも以前は長イモとヤマトイモの両方を作っていたのですが、今はヤマトイモだけです。長いもは専用の機械なしには掘るのがとても大変なのと、このあたりは石も多くて耕土も浅く、深くて柔らかい長イモに適した畑がなかなかないのです。とはいえ、かたい土を押しのけて苦労して大きくなったイモの方が、形は悪くてもねばりが強くおいしそうです。
これから日ごとに寒くなってゆきます。今は朝霜がおりる日とおりない日があります。じきに毎朝真っ白に霜がおりるようになり、最低気温がマイナスになります。次第に畑の土も凍ってきます。大根や人参、キャベツ、白菜なども貯蔵しなくてはいけません。貯蔵は土にうめるか、ムロに入れるかなのですが、これはいわば天然の冷蔵庫ないしは保温庫なので、あまり早く入れすぎてもいけません。暖かすぎて傷んでしまいます。そうかといって畑でカチカチに凍ってしまってはもちろんいけません。もうしばらくは、天気予報でこの秋もっとも強い寒気が来た、なんていわれるとちょっとドキッとするのです。

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