犯人は誰だ?
今年もまたモロコシ畑にタヌキがやってきた。朝、キュウリを取りに畑に行くと、隣に植えてあるトウモロコシが2、3本倒れている。もしかしてと思い、近づいてみるとやっぱりそうだ。ガリガリとかじったあとがあり、半分ほど皮をむかれたモロコシが転がっている。見ると中の粒はまだ小さくて真っ白だ。「おいおい、まだ早いよー」タヌキも皮をむいただけで一口もかじっていない。一目見てまだ早いと判断したものらしい。毎年、そろそろ取れるかな、と思っていると、ひとあし早くためし取りしてくれるので、収穫時期の目安にはなるのですが…。
ところで、タヌキ、タヌキと決めつけているが、実際にタヌキがモロコシをもぎ取っている現場を目撃したことはない。それでは証拠不十分ではないか、と言われればまったくそのとおりだ。もしかするとハクビシンかもしれない。何年か前に隣の家の柿の木に登って柿を食べているのを目撃したことがある。白黒まだらの特徴あるお顔なので間違いない。彼らは木のぼりがたいへん得意で甘いものに目がない。あるいはアナグマかもしれない。何年か前に、かなりジャガイモを掘られたことがある。こちらはやはり目撃証拠はないのだが、アナグマというだけあってたいへん上手に、かつパワフルにイモほりをしてくれた。去年はシカにだいぶ食べられたのだが、シカの食べ方は違う。まだ指くらいの太さの、ヤングコーン状態のものを歩きながらパクパク食べてしまう。何せ体は大きくて食べる量は多い。これが一番まいってしまう。それに比べれば毎日少しずつ大きくなるモロコシを、食べごろになるまでじっと待っているタヌキなんて、かわいいものだ。つい待ちきれずにちょっとだけかじってみた気持ちもわからなくはない。とはいえ、食べ始めるとほとんど毎日数本ずつ食べに来る。家族そろってこられると、一日あたりかなりの必要量になる。これも数年前の話ですが、トウモロコシの収穫がすっかり終わって片づけをしているとき、畑のまんなかに「穴」を発見したことがある。深さ30cm長さ1mほどのりっぱな横穴で、タヌキか何かが作ったらしい。昼間はここでお休みして、夜はひたすらトウモロコシを食べて、ひと夏過ごしていたらしいのだ。
毎年今ごろは何やら忙しく、なかなか手が回らないのだが、今年は少し余裕があるようなので、タヌキには悪いけれど、もろこし畑にネットをはろうかなと思っています。動物もみんな大好きなトウモロコシがもうじき取れます。
写真:タヌキ
去年の暮れ、家の縁側に出没した。普通は昼間、あらわれないが、皮膚病をわずらって弱っていたせいだろう。