菜園たより

やっと秋になりましたね

今年の夏はいろいろなことがありました。
まずはこの猛暑でいくつかの野菜がうまく育たなかったことです。ある野菜をかき集めて野菜セットを箱詰めしていましたが、ひやひやものでした。大玉トマトが今まで頑張ってくれていたのがありがたかった。でももう大丈夫。秋の野菜が次々収穫の時期を迎えていてひと安心です。

社会人4年目の息子の転職問題、先日カンボジアへ1年の予定で留学した娘と、それぞれの転機を迎え、親も右往左往していました。自分が20代の時は一人で育ったように思いあがっていましたが、両親にはたくさん心配をかけていたんだなぁーと今さらながら反省しています。

そして娘の旅立ちと入れ替わりにわが家に素敵なウーファーさんやってきました。スイス人のリノさんという27歳の青年です。彼はスイスで麹(大麦の)やいろんな種類のお味噌を作っているシェフ兼アーティストで、1年間日本の食文化を学びに来たのだそうです。私たちはブロークンな英語しか話せませんが、興味の対象が同じなので話がつきることがありません。うちの野菜を使って美味しいお料理も作ってくれます。彼のレシピを紹介したいんですけど、複雑すぎて書けません。

先日は一緒にパンプキンシード(当農園産)味噌と枝豆味噌を作りました。
パンプキンシードで味噌を作るなんて、外国人ならではの発想ですね。


リノさんが作ってくださった、スイスの伝統料理カプンス、根セロリのフライ、ミニトマトのソテーなど。
レストランのお料理をいただいているようでした。

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6月13日の野菜セット

5月にとても寒い日があり、植えた苗が霜にやられたり、なかなか育ってくれなかったりでひやひやしましたが、何とかセットのお届けができるようになりました。畑で収穫できる野菜は何品目になにったかなぁーとか、菜っ葉ばっかりのセットで皆さんに喜んでいただけるのだろうか…とか、何年たっても最初のお届けはとても緊張します。
 食べたい物が何でもすぐ手に入る今の時代に、野菜の種類は選べない、調理も少し面倒なうちの野菜を半年近く待っていてくださる…考えてみるとすごいことです。私たちはよいお客様に恵まれていますね、感謝です。
 それでも、収穫したてのみずみずしい野菜を見るとすごく美しくて、食べるととっても美味しくて「やっぱりうちの野菜が一番!」と自慢(自己満足)したくなるんです。
 今年も私たち夫婦と慶二郎さん、時々ウーファーさん(うちに住み込みで農業体験される人)で心を込めて野菜セットを作ります。どうぞよろしくお願いします。

今畑にある野菜を組み合わせた、大セットはこんな感じです。

キャベツ タケノコ型の「みさき」という品種です。やわらかく、生食にも向きます。

タマネギ 収穫したての新たまねぎです。まだ水分が多くフレッシュです。。

ミニ大根 「ホワイトスティック」という品種です。

チンゲン菜 中華のイメージですが、くせのない葉物で和風や洋風のレシピもたくさんあります。

葉ニンジン 人参を栽培するとき、必ず出てしまう間引き菜です。かき揚げと白和えがおすすめです。

レタス リーフレタスと、玉レタスの中間の半結球レタスです。外側は、リーフみたいで、芯のほうは、軟白された丸いレタスの味がします。炒め物や、さっとゆでてもおいしい。

ブロッコリー 茎がおいしいスティックブロッコリーです。最初の部分なのでこんな形です。

スナックエンドウ さやごと食べるエンドウです。すじを取ってお使いください。

白菜 ミニ白菜です。先日の大雨で、畑が一時水に浸かりました。

ニンニク まだ畑に生えているなまにんにくです。水分が多くゆり根みたいです。

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よいお年を

今年の12月7日で銀婚式を迎えた私たち。仕事が同じなので、1日中一緒にいると時々けんかもしますが、そのままでは仕事が進まないので自然と仲直りします。昔は子供たち、今は愛猫がかすがいになってくれているのかな。25年前に式を挙げた諏訪大社はとても寒かった記憶がありますが、今年の同日お参りに行くと、ぽかぽかとおだやかな日でした。

3月に伊豆大島に行きました


昔は12月には畑ががちがちに凍りついて、かじかんだ手でで野菜の収穫をし、家で凍らないように保存するのが本当に大変でした。お届けする野菜が少なくなって、年末に野沢菜やおもちをセットに入れていた年もありました。今は凍らないので遅くまで野菜を畑に置いておけるし、根菜類などもとてもよい状態で保存できるようになりました。1月に野菜セットをお届けできるようになったのも温暖化のせい(おかげ?)です。世界中に起こっている災害のことを考えると、喜んではいられないのですが。

雪の下の小松菜

みなさまも、どうぞお体にお気をつけてよいお年をお迎えください。(宏子)

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畑の野菜と野菜セット

「今年の野菜のできはどうですか」とよく聞かれます。「うーん、まあまあですかね」と毎年同じような返事をするんです。野菜セットでお届けするため、年間50種類くらい作っているので、平均してまあまあの出来になるのでしょうか。ほかの農家みたいに豊作で儲かる年とダメな年があまりなく、安定した低収入です(笑)。
 おまかせの野菜セットは、その時に畑にあるものを皆さんに分け合ってお届けしているので、無駄が少ないです。なので、例えばキュウりなどがたくさん取れた時は、多めにお届けすることがあります。1週間でこのくらいの量ならお届けしても大丈夫かな、と考えながら箱に入れてゆきます。また、保存できない野菜を優先してお届けするので、玉ねぎ・ジャガイモなどの保存できる野菜が後回しになることもあります。すみません、これから保存野菜も入れてゆきます。
 畑の野菜をできるだけ無駄にしなくて、お客様もストレスなく召し上がっていただけるのが理想です。ですので、食べきれない野菜や苦手な野菜がある場合は、遠慮なくご連絡ください。できるかぎり対応させていただきます。

これからおいしいかぼちゃをお届けします。

暑さでぐったりしているうちのチャーさん

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野菜の味

わが家の食卓は、収穫したての野菜の味をチェックする場でもあります。野菜の味は畑の中でも日々変化してゆくので、自分たちの舌をたよりに出荷するかどうかを決めるのです。例えば、数日前はおいしかった枝豆が、今日収穫したのは実が入りすぎて硬くなっているから出荷は無理かな・・・とか、カブなんかも暑くなると途端に甘味がなくなってきます。逆にトマトは取れたての時期より、8月に入ってからの方が甘さが乗ってきておいしいです。
残念ながら私の舌のセンサーは敏感ではなく、野菜大好きな皆さんのほうがよくわかってらっしゃるかもしれません。そうは言っても畑で大量に無駄にするのも忍びないので、そんな変化する野菜の味を楽しんでいただければありがたいです。
味覚といえば野菜に限らずコーヒー、お酒、調味料など、味の微妙な違いを食べ比べて楽しむのが好きです。今日のコーヒーは酸味が強いかなとか、キュウリにつけて食べるのは豆味噌に限るとか、塩を使い分けてみたり。一つ一つの食べ物をゆっくり味わって食べると、自然と感謝の気持ちがわいてきます。
うちの野菜はシンプルな調理方法で、おいしくたっぷり食べていただけるようなものを目指して作っています。「うちの子はスーパーのトマトは食べないけど、細川さんちのトマトは喜んで食べるんです。」なんて言ってもらえた時は本当にうれしいです。

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今シーズンもよろしくお願いします

農園では5月初旬、遅霜の恐れがなくなってから、一気に数十種類の作物を植え付けてゆきます。5月はひたすら種まき、植え付けです。春夏の作付けはほぼ終わり、ちょっと一息ついています。そして野菜がようやく少しずつ取れ始めたところです。おかげで今のところ順調にそだっているようです。まあ野菜の場合、不作で値段が高騰したりするのはだいたい大雨が原因です。ですので何かあるとすれば、これからです。最近のゲリラ豪雨とか恐ろしいです。数百ミリの雨を想定して対策しておかなくては。
 今年は田んぼの面積を大幅に減らしたこともあり、より丁寧に野菜の面倒をみられるのがうれしいです。
野菜を、定期的に取ってくださるいつもの方に、ほそかわ農園の名前をつけて直接お届けしていると、より安全でおいしいものをお届けする責任を感じます。逆にちゃんとしていないと見捨てられるという危機感もあります。ふつう食品を、メーカーやお店の名前がわからずに買うことはないですよね。ほそかわ農園も皆さんに買い支えられてやっていますし、やりがいがあります。
いつもも同じことを書いている気がします。でも本当にそう思います。今年もどうぞよろしくお願いします。

今年も酒井慶二郎さんと私たち夫婦の3人でがんばってまーす

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あけましておめでとうございます 2022

あけましておめでとうございます。
今年も夫がマコモの葉でしめ縄飾りを作ってくれました。
「一精九達」・・・いっせいきゅうたつ
いい言葉ですね。栃木県の帰農志塾の塾長だった故戸松正さんが、夫が独立するときに贈られた花向けの書です。一つのことに精進すれば、九つのことを体得できる・・・というような意味だそうです。確かに何十年も農業を愚直に取り組んでいたら、他のいろんなことも身について、幸せもついてくるように思います。九達するまでこれからも精進続けます。
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今年もお世話になりました

今年も一年ありがとうございました。 農家の仕事をして、25年以上たってしまいました。前年の反省に基づいて少しずつ変えながらも、基本的には毎年同じことの繰り返しです。直線的にどこかへ向かうというより、ぐるっと地球が太陽の周りを一周するのと一緒に、またもとの所に戻ってくる感じです。 でも繰り返しでもなぜか飽きないです。3月、ビニールハウスの中で種まきをはじめると、もう12月まで一泊以上家を開けることはできませんが、オーガニックファームで過ごす一年も楽しいです。 毎年天気が違って、時には台風や日照りににあたふたし、害虫が大発生したり、作物の出来不出来に一喜一憂するのも、もしかするとありがたいことかもしれません。 来年もどぞよろしくお願いします。(一哉)

ほそかわ農園を始めて26年。50年続けるつもりなので、気持ちはようやく折り返し地点です。とはいっても体力的にはきつくなってきたので、少しずつ縮小しながらですが。今年は娘が東京の大学に進学し、家を離れました。外国語を勉強していて、空手部に入っています。息子は自動車の整備士の仕事について2年目で、残業が多く一緒にご飯を食べることも少なくなりました。心配はつきないですが、とりあえず子育ては卒業かな。今のところ2人とも農業を継ぐ気はないみたいです。これからは夫婦で楽しもうと、休日は二人でお弁当を持参して近くの山によく登りました。山頂でお湯を沸かしてコーヒーを淹れるのがささやかな贅沢。  今年から農業を通して地域に何かできないかと、富士見町の仲間と一緒に地域活性化の活動に参加させてもらっています。町内で育った子供たちが、ずっと住み続けたくなる魅力のある町になるといいな。町内のいろんな技を持った方たちにお会いするのも楽しいです。  今年も1年お世話になりました。来年も 私たちと酒井慶二郎さん、たぶん国内外 のウーファーさんも一緒にがんばります。 冬の間は農園のブログなど更新したいです。 みなさまも、どうぞお体にお気をつけて よいお年をお迎えください。(宏子)

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植物と土壌微生物の関係

みぶ菜、チンゲン菜、小松菜などの葉物野菜は、みんな、アブラナ科という仲間です。アブラナ科の野菜はとても種類が多く、キャベツ、ブロッコリー、ケール、白菜、大根やかぶ、ルッコラや、ワサビもアブラナ科です。 アブラナ科野菜を連作(同じ場所で続けて栽培すること)すると、根こぶ病などの病気になったり、特定の害虫が増えてしまうので気を使います。  秋にお届けするキャベツ、ブロッコリーなどの作付け予定の畑は、今4月に種をまいたイネ科の牧草に覆われ、一面、草原のようです。 これをモアという機械で、細かく砕き、畑にすきこみ、有機質肥料と混ぜ、透明なビニールを張って、一月ほど太陽熱に当てて,7月から植え付けになります。連作障害を避け、土の有機物と有用微生物を増やすためです。また3年に一回以下の作付けになるよう畑を変えながら、他の作物と回してゆきます。  有機栽培では、病気や害虫が出てからでは、打つ手がないので、予防あるのみです。土の中には、菌がいっぱいで、普通の畑には、10アール当たり、700キロの重さの土壌微生物がいるそうです。多様な微生物が増えると、特定の病原菌の増殖をふせぎ、土壌を団粒化し(水持ちと、水はけが同時によくなる)、植物が取り入れにくい肥料も吸収しやすくしてくれます。そして最後は、微生物の死体自体がが野菜の肥料になります。植物と、土壌微生物の関係は、人間の腸と腸内細菌の関係に似ているといわれています。土を肥やし、微生物を増やすのに、やりすぎということもなく、終わりもありません。うーん、やりがいありますねー。

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地元の安全な野菜を給食に

先日、長野県飯田市で「学校給食に有機農産物を」というテーマで講演会があり、 車で往復3時間かけて行ってきました。講師は県職員の吉田太郎氏。国内外の有機農 業事情に詳しく、著書も多数あります。
 吉田さんによると、海外では有機農産物は免疫力を高める効果があり、コロナの予防に注目されているという。また欧州では、どのような食事を作れば子供たちが健康になれるか、という議論が進んでいるのだそうです。
 しかし有機農産物を栽培する面積割合は、EU8%に対して日本はわずか0.2%。そんな中、日本でも千葉県いすみ市や愛媛県今治市、長野県松川町などが、すでに有機給食に取り組んでいます。期待されるのは健康だけじゃなくて、環境保全の理解、地産地消の拡大、文化・伝統の継承などの教育的な効果もあるそうです。

 私たちの富士見町には「よっちゃばり」という学校給 食に野菜を納める生産者の会があります。ほそかわ農園 も平成18年から学校給食に有機野菜を納品しています。
 生産者が心を込めて作った食材を、心を込めて調理す れば、子供たちは必ず気がついてくれる。大人になって 自立してゆくための芯になるものが育つんじゃないかと 思います。講演を聞いて、これからも子供たちの未来の ために、安全な野菜を作り続けたいと思いました。

ちょっと昔のですが、地元の野菜をふんだんに使った冨士見中学校の給食

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