小麦は秋、9月下旬~10月始めころにタネをまいて、翌年の6月下旬~7月初めに収穫します。その間はたいしてやることがないので、つくるのにわりと手間のかからない作物です。ただ、収穫の時期はちょうど梅雨で、しかも野菜の作業がピークなのでちよっとたいへんです。コンバインで刈ってゆくと、小麦の粒だけが脱穀され、大きな袋に詰められてゆきます。小麦は脱穀する時皮がとれてしまい、お米でいう玄米の状態になります。籾殻がないぶん、お米よりずっしりと重くなります。かついで運ぶのにあまりにも重いので量ってみると、何と40キロもありました。
今年は「東山31号」という小麦を作りました。これはうどんに適し、かつ寒冷地に適したものをということで、新しく作られた品種です。粉にして、うどんを打って食べてみると、確かにおいしい!モチモチしていて、かつコシのある食感がなんともいえません。パンを焼いてみても、去年のシラネコムギより膨らみ方がよく、グルテンも多いようです。
乾麺は昨年と同じ、栃木県の黒沢製麺所に作ってもらいました。昔は関東地方にはあちこちに小さな製麺所があったのですが、次々となくなってしまったようです。昔ながらの機械でゆっくりと粉を挽き、それを何度も圧縮して麺を作り、自然乾燥するという、手間ひまかけてじっくりと作ってくれる貴重な製麺所です。ふすまの部分も少し含まれているため、見た目は黒っぽいですが、小麦本来の甘みが出て、風味あるおいしいうどんに仕上がります。。
今年の秋の葉物類はできが悪い。何か所かの畑に分けて作付けしているので、畑によって多少違いはあるのだが、全体に肥料が足りない様子で顔色が悪い。たとえば、トマトなどはできる限り少ない肥料で育てたほうが、玉は小さくてもおいしくなってくれる。しかし、葉物は肥えた土でないとおいしくならない。ある程度肥料分がないと、どうしてもかたくなってしまう。小松菜などはタネをまけば、早ければ30日で収穫できる。作るのは簡単な気がするのですが、本当においしいものを作るのはなかなか難しいです。また、よい野菜ができるようになるまでには、時間がかかるものだなと、あらためて感じます。これは言い訳ですが…。
今、11から12月にとれる小松菜の種まき時期です。このあたりでは9月25日頃が種まきの限界で、それより遅くまいても今年中には大きくなりません。あとはニンニクと玉ねぎを植えれば、春からひっきりなしに続いてきた、植えもの・まきものもようやく一段落です。
思いのほか厳しい残暑でしたが、朝夕はさすがに少し肌寒く、秋のけはいです。あんなに採れていた夏野菜がひとつ、またひとつとなくなってゆくのは寂しいですが、さすがにもう十分にいただきました。秋一番に取れた葉物をみそ汁に入れて、フーフーと食べていると夏ばてぎみの胃袋がほっとするようです。