有機野菜の作りかた・売りかた

今、11から12月にとれる小松菜の種まき時期です。このあたりでは9月25日頃が種まきの限界で、それより遅くまいても今年中には大きくなりません。あとはニンニクと玉ねぎを植えれば、春からひっきりなしに続いてきた、植えもの・まきものもようやく一段落です。

ほそかわ農園ではいろんな種類の野菜を作って、皆さんに直接お届けしています。現在は約70世帯の方に食べていただいています。ロスを見越して多めに作付けするので、取れすぎた分は近くのスーパーの産直コーナーに置いています。また、今はやっていませんが、契約栽培という形で自然食品店に単品で出荷したこともあります。

同じ有機農業といっても、どんなふうに野菜を売るのかによって作り方まで変わってしまいます。たとえば、ホウレンソウやコマツナは冬の霜に当たると、甘くなり、栄養価もあがりますよね。でも、葉っぱは黄ばんで見た目は悪くなり、スーパーに出してもなかなか買ってもらえません。店頭ではそんな話を詳しく伝えることがむずかしいので、どうしても「味より見た目がすべて」というふうになってしまいます。契約栽培の場合は、決まった量を納期に出荷するということが最優先です。確かにひとつのものを大量に作れば効率が良いのも事実です。しかしそうすると、どうしても畑や作物に無理がかかってしまい、納得のいくような有機農業を続けていくことは困難になります。

たくさんの種類の野菜を作り、畑から直接おとどけする方法は、野菜にとっても畑にとっても最も理想的です。反面、セット野菜は好きなものだけ選べないし、あるときはどっさり、ないときは全然ない、と不便なことばかり。それでも、ほそかわ農園の野菜が食べたいという方に食べていただけ、私たちも農業を続けることができて、本当にありがたく思っています。