2008年11月

古くて新しい七輪

cimg3409.jpg○洋服やお化粧品などはあまり興味がないのだが、調理器具や料理本はあれこれ欲しくなってしまう。毎回大量に出るはねだしの野菜(虫食いや傷などのあるもの)を、できるだけおいしく料理し、できるだけ無駄にしないよう加工保存したい…いつもそんなことばかり考えているからです。今までお漬物をカビさせて大量に処分する、という情けない思いを何度もしたが、めげずにいろいろと保存食作りに挑戦している。
○保存食ではないが、最近買った大ヒットの調理器具は七輪。2千円ほどで売っている丸くて白い昔ながらのものだが、これがなかなかの優れもの。最初にガスコンロで炭をおこして中に入れればすぐ使え、後片付けも炭を火消しつぼに入れるだけで、洗わなくてもよいので簡単です。また、七輪は珪藻土という土で厚くおおわれているため蓄熱性が高く、少しの炭で長時間もつのでとても経済的。それゆえ熱が外に漏れにくく、底や側面は手で触れるほどなので、いつも食卓の上に置いて使っているが、机が焦げたりすることはない。
○七輪と言えばサンマ。パタパタとうちわであおぎながら焼くのは風情がある。また、バーベキューグリルとしてお肉や野菜、おにぎりなど焼きながら食べるのもいい。今の時期、ネギの白いところや厚めに切ったカブをちょっと焦げ目がつくまで網で焼いて、お醤油をつけて食べるのがとてもおいしい。子供たちはスルメが網の上で踊っているのを見て食べるのがお気に入り。さらにはちょっと取りづらいけど、土鍋を乗せて鍋物のときにも使っている。
○欠点は焼けるのに時間がかかること。お腹を減らした子供たちは「まだ焼けないのー」と待ちきれない様子で、夫は「お酒が進んじゃって困る」と言ってます。でも、ゆっくりおしゃべりしながら、味わっていただくのは何とも贅沢な気分だ。七輪と炭、昔の人の英知に脱帽です。とってもエコロジーでスローフードを楽しめる、そして災害時の強い見方でもある七輪。一家に一台いかがでしょうか。(ひ)

カテゴリー
 

自家採取

cimg3225.jpgほそかわ農園では、現在、穀物や豆類は自分で採った種を播いています。野菜の種も自家採取したいと思っているのですが、まだできていません。
米や麦や豆は収穫物自体が、完熟した種子なので、収穫した中から必要なだけ取り出して種まきすればいいのです。簡単です。
一方、野菜のほうは、普通、種子が完熟する前に食べてしまうので、種を採るのは少し面倒くさいのです。たとえば、ニンジンの種を採るには、秋、収穫したニンジンを全部食べずに残しておく。この辺は冬の寒さが厳しいので、凍らないよう土に埋めておく。春、掘り出したニンジンを再び畑の隅に植える。すると、ちょん切った葉のつけねから再び芽を出し、固い茎をのばし、花を咲かせます。レースのような白い可憐な花です。さらに黒く完熟するまで待ち、種を採るのです。
キュウリやトマトなどの実のなるものは、そのまま十分熟すまで待てばよいのですが、同じ仲間のものは、交雑してしまうので注意が必要です。
 種を自分で採ると何かいいことがあるのでしょうか。いろいろあるんです。
自給という意味もあります。種はみんなの共有財産ですし、みんなで少しずつ持っていれば、安全です。ひと昔前の農家は、ごく普通に種採りをしていたようです。
 それから、種を採り続けると、野菜がだんだんその土地の気候に適したものになってゆくそうです。作りやすく、丈夫になってくれるのです。また、栽培方法にも適応してくれます。少ない肥料で育てていれば、それでも元気に育つようになるし、無農薬で育てれば、薬なしでも平気な体質になるのです。すごいですよね。
どのくらい続ければ、ほそかわ農園のオリジナル野菜ができるのかわかりませんが、3年、3世代たつとだいぶ変わるんだよと聞きました。
また、野菜の一生をじっくり見ることになるので、今よりもう少し野菜作りが上手になるのではと思うのです。来年こそ挑戦です。

カテゴリー
 

ライ麦

ライ麦は、小麦より寒さに強く丈夫なので、ヨーロッパやロシアの寒い地方、標高の高いところなどで、多く作られています。いわゆる黒パンの原料になる麦です。成長すると、人の背より高くなります。 
ほそかわ農園でも、このライ麦を作っています。と言っても、収穫してパンを作ろうというのではなく(黒パンもおいしそうですが)、緑肥作物として栽培しているのです。
 緑肥というのは、食用にするのではなく、栽培したものをそのまま畑に返し、土を肥やすための作物です。他にも、エンバク、ベッチ、クローバーも使っています。ベッチやクローバーなどマメ科の緑肥は、空気中の窒素を土にとりこんでくれるので、土を肥やす力が強いのです。けれど、これから寒い冬を乗り切ることのできるのは、ライ麦だけです。
 ライ麦は、土を肥やすこと以外にも、冬、寒さでかさかさに乾燥した土が風で飛ぶのを防いでくれます。根がのびて、畑の下のほうの固い土を耕してくれます。そして、アレロパシーが強く、次作の雑草をかなり抑えてくれます。いろいろと役に立ってくれるのです。
 いま、ちょうど、あちこち空いた畑に種まきをしているところです。肩に種を入れた袋を下げ、一握りずつ左右に振りまきながら歩きます。まき終わると、トラクターで浅く耕します。しばらくすると、緑の芽を出し、寒さにも負けず、じりじりと大きくなってゆきます。
 緑肥作物も、大事な野菜畑の仲間です。(か)

カテゴリー
 

稲刈り大会

cimg3393.jpg○8月の芋掘りに続いて、10月13日に稲刈り大会をした。今回は事前に日にちを決められなかったので、ちょっと参加しづらかったかもしれません。反省しています。秋晴れで絶好の稲刈り日和の中、幼児3名を含む、2家族7名の方が参加してくださった。
○ほそかわ農園の田んぼは4面あり、今回はもち米が半分植わっている5畝ほどの一番小さな田んぼの稲刈りをしていただいた。せっかくなので、少し手刈りもしてみることに。鎌で刈る人と、刈った稲をわらで縛る人とに分かれての作業。参加してくださったHさんはご実家が農家で、子供のころから稲刈りを手伝っていたそうで、手慣れた手つきでしゃかしゃか刈って、くるくるとわらで束ねてゆかれる。恥ずかしながら、こちらの方がコツを伝授していただいた。機械で刈ると、ただ仕事を淡々とこなしてゆく感じだが、ざくざくと手で刈っていると、収穫する感謝の気持ちが湧きあがってくるから不思議だ。それに大勢ですると作業も楽しい。子供たちは最初鎌でしばらく刈っていたが、あとはカエルやバッタを捕まえたり、土手を転がりおりたりして遊んでいた。
○刈り終わったら、今度は稲束を集めてはぜ棒にかけてゆく。一面の黄色い稲穂が、はぜ棒にずっしりと美しく掛けられていくのは気持ちがいい。これから半月ほどお日さまに乾かして、脱穀、もみすり、精米してようやく新米がいただけるというわけ。稲刈りが終わると、今年の仕事も8割がた終わった気分で、ほっとする。参加くださったみなさま、お疲れ様でした。(ひ)

カテゴリー