百姓仕事は一段落して、農閑期となりつつあるのですが、なんとなく気ぜわしく感じます。ついこの間、春一番のタネまきをしたような気がするのですが、いつのまにか師走。月並みですが、あっという間というしかありません。子供の頃はそんなことはなかったのに、年をとってくるとどうしてこうも一年が早いのでしょうか。
作物を育てるための最も基本的なノウハウは、いつ(何月何日に)たねをまくかということです。タネまきは、ずれても3、4日くらいが限度で、一週間もずれると、もういけません。地方によってその時期は違ってくるので、最も参考になるのはずっとその土地で百姓をしている人、近くで畑仕事をしているおじいさんやおばあさんです。わが家の近所にもそれは上手に、美しく、小さな畑を作っているお年寄りが大勢います。とくになるべく多種類の野菜を、年間を通じて作ってゆくというほそかわ農園のやり方は、そんな昔ながらの自給自足的なお百姓さんのやり方ととっても似ているのです。そして、年間数十種類の作物を作っていると、毎年同じ時期にはほとんど同じ仕事をしています。タネをまけば、次は間引いたり、定植したり、そして草取り、草取り、草取り…。最後は収穫と、自動的にというか、作物に追われるように体を動かすという繰り返しです。より豊かな自然の恵みをいただくためには、自然の法則に従うしかないとは思うのですが。春の種まきから12月の野菜の貯蔵、漬物づくりまで、生活全体が、近所のお年寄に似てきた気がする今日このごろです。
あちこちの家の庭先に、たくあん漬け用の大根が干してあるのが目につきます。我が家でも、ちょうど今干しているところです。1週間から10日干してから漬け込みます。夜は凍らないようにむしろをかけてやります。11月は平年よりずいぶん暖かかったですが、ようやく最近は朝方の気温がマイナス2、3度になってきました。大根などはこうなると、もう畑に置いておけません。先週全部とって、ムロ(土間にある地下室)にしまいました。次は人参、そして最後には白菜やキャベツもムロに貯蔵します。すでに収穫してあったジャガイモ、カボチャ、ヤマトイモなども順次ムロ入りです。なにせ我が家は築百数十年という古民家なので、土間に白菜などころがしておくと、春までコチコチに凍ったままなのです。それはそれで冷凍庫として利用できるのですが…。
雑穀というのは、米、小麦以外の穀物、ヒエ、アワ、キビ、ソバ、ハトムギ、オオムギ、タカキビ、ゴマ、トンブリなどのことです。豆類まで含めて言うこともあります。ほそかわ農園でもかつてキビを作り、お正月にきび餅を作って野菜セットに入れてお届けしたこともありました。もち米にキビを3分の1混ぜて蒸かしてつくと、見た目もきれいな黄色い餅になります。とってもおいしかったのですが、だんだん野菜を食べてくださる方が増えるとともに餅つきが大変になり、やめてしまいました。トンブリも作ったことがあります。プチプチと不思議な食感のもので、よくできました
小麦は秋、9月下旬~10月始めころにタネをまいて、翌年の6月下旬~7月初めに収穫します。その間はたいしてやることがないので、つくるのにわりと手間のかからない作物です。ただ、収穫の時期はちょうど梅雨で、しかも野菜の作業がピークなのでちよっとたいへんです。コンバインで刈ってゆくと、小麦の粒だけが脱穀され、大きな袋に詰められてゆきます。小麦は脱穀する時皮がとれてしまい、お米でいう玄米の状態になります。籾殻がないぶん、お米よりずっしりと重くなります。かついで運ぶのにあまりにも重いので量ってみると、何と40キロもありました。
今年の秋の葉物類はできが悪い。何か所かの畑に分けて作付けしているので、畑によって多少違いはあるのだが、全体に肥料が足りない様子で顔色が悪い。たとえば、トマトなどはできる限り少ない肥料で育てたほうが、玉は小さくてもおいしくなってくれる。しかし、葉物は肥えた土でないとおいしくならない。ある程度肥料分がないと、どうしてもかたくなってしまう。小松菜などはタネをまけば、早ければ30日で収穫できる。作るのは簡単な気がするのですが、本当においしいものを作るのはなかなか難しいです。また、よい野菜ができるようになるまでには、時間がかかるものだなと、あらためて感じます。これは言い訳ですが…。
今、11から12月にとれる小松菜の種まき時期です。このあたりでは9月25日頃が種まきの限界で、それより遅くまいても今年中には大きくなりません。あとはニンニクと玉ねぎを植えれば、春からひっきりなしに続いてきた、植えもの・まきものもようやく一段落です。
思いのほか厳しい残暑でしたが、朝夕はさすがに少し肌寒く、秋のけはいです。あんなに採れていた夏野菜がひとつ、またひとつとなくなってゆくのは寂しいですが、さすがにもう十分にいただきました。秋一番に取れた葉物をみそ汁に入れて、フーフーと食べていると夏ばてぎみの胃袋がほっとするようです。
今年の夏、飛騨高山へ日帰りで行ったのですが、そこで食べた赤カブ漬けがおいしかった。
百姓はお天気の話ばかりですが、今年の梅雨は長かったですね。久しぶりにお日様が出て、「やれやれ、やっと梅雨明けか」と思ったら、週間予報はまたくもりや雨マーク。今年の夏は冷夏なのでしょうか。そういえば、去年はまた記録的な暑い夏でしたよね。観測史上最高とか最低とか、最近はそんな話ばかり聞く気がします。お天気ってそんなものなのでしょうか。それとも、地球の温暖化やオゾン層の破壊とか何か重篤な原因があるのでしょうか。
今年はどうやら寒い夏のまま秋になにってしまいそうだ。暑いのが好きな野菜は、やはりあまり元気がないようです。今はちょうどほうれん草やカブ、小松菜、大根など秋野菜の種をまく時期なのですが、こう雨ばかり降り続くと、畑に入ることができず、ちょっと困っています。あさって(8/20)からお天気になると天気予報では言ってますが…。