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霜が降り、朝の最低気温がマイナスになってくると、あちこちの畑で、大根を抜いたり、ねぎを抜いたりと、畑を片付け、野菜を囲う人の姿が見える。この季節の風物詩だ。
しかし、冬支度って、何となくせわしないような、追われるような気がするのはどうしてだろうか。
さあ、うちも、傷んでしまわぬよう、寒さに弱いものから順に野菜を貯蔵してゆかなくては。まず、大根。葉つきの大根は、畑から抜いてきたもの。葉がなくなったら、いったん抜いて、埋めて貯蔵したものだ。ニンジンも全部抜いて、埋めて貯蔵。白菜、キャベツ、ねぎは、ビニールハウスに取り込んで、わらなどで保温してやる。すでに収穫し、屋内にあるイモ類や、カボチャなどは、古毛布やら何やらで、さらに厳重に囲う。
ほうれん草や、小松菜などは、まだまだこれからおいしくなるところだが、寒さに弱い葉物は、順になくなってしまう。お届けする野菜の種類は、これからだんだん少なくなってゆきます。(か)
菜園たより
今年の田んぼは
やっと稲刈りが終わり、田んぼでは、はざにかかった稲が日に当たっています。よいお天気が続き、乾き具合もばっちり。もうすぐ脱穀にとりかかれそうです。
今年は、全国的には、お米のできは、そんなに悪くないようですが、標高の高いこのあたりでは、あまりよくありませんでした。後半はお天気も回復したのですが、稲にとって一番大切な生育前半の低温と日照不足の影響は大きかったようです。いもち病の出た田も多くみかけました。
そんな中で、うちの田んぼは、まあまあがんばってくれました。穂は小さくて軽く、明らかに例年より頭の下げ方が足りない、いばった稲なのですが、とにかく、健康そうではあります。そもそも、一般に、有機栽培では、出来の良い年でも慣行農法の田ほど米が取れません。その分気候の悪い年でもまあまあ取れます。毎年保険をかけている、あるいは毎年、少しずつ、へそくりを積み立てているようなものでしょうか。
ここ数年、土壌検査をし、カキガラ等の有機ミネラルを大量に入れたのも良かったようです。土のバランスがととのってくれば、徐々に外から持ち込むものも減らしてゆけるでしょう。
雑草も少なくなりました。数年前まで腰を曲げ、えんえんと手で取っていたのがうそみたいです。今年は、草を取る時間より田んぼの中を歩く時間のほうが長くなり、ついに手取りをやめました。チェーン除草という方法もとても有効でしたが、土が肥え、稲の出来が良くなると草も減るようです。いろんな生き物も増えてきました。一番小さな、苗を作る田んぼは、あまりにおたまじゃくしが増えて、泥をかき回すので、草が生えてきません。おたまじゃくし除草です。
今年は、いろんな面で達成感を感じられた年でした。新米が楽しみです。(か)
種まきの後は間引きの作業
9月末に、ビニールハウスの中に小松菜の種をまきました。春先、苗を育てるために使用したものを、もう一度使います。今はビニールを開けてありますが、寒くなってくればビニールをかけ、保温することができます。これで今シーズンの種まきはすべて終了、ちょっと一息というところです。
前回、葉物の種まきのことを書きました。9月は雨が少なく、葉物の種は、とても小さいので、ちゃんと芽を出してくれるか心配でしたが、どの畑でも、ばっちり芽を出してくれました。念のため、いつもより、少し多めに種をまいたのですが、その分までも、がんばってきっちり芽をだしてくれました・・・。しかし、「ありがた迷惑」なんて言ってはいけませんが、あまりぎっしり込み合っていると、ひょろひょろして、いい野菜に育ちません。病気にもかかりやすくなります。
こういうところは、畑にしゃがみこんで、ちくちくと間引きをするしかありません。これは何となく面倒くさい作業です。ついつい後回しにしがちです。けれども葉物の成長は早いので、気がついたときにすぐやらないと、たちまち大きくなってしまいます。大きくなると、間引くのが、なんだかもったいないような、かわいそうな気がするし、作業も何倍も手間取ります。まあ、芽が出ないことには何にも始まらないので、あまりぜいたくを言ってはいけないですね。
畑では、今、お届けしている大きな葉物から、12月にお届けする芽を出したばかりの小さなものまで、何段も階段状にならんで出荷を待っているところです。葉物類は、寒くなればなるほど、糖分を蓄え、滋味が増します。(か)
秋の種まき
昼間はまだまだ暑いのですが、朝晩めっきり涼しくなってきました。
毎日、いいお天気が続いています。今年は、稲の生育がやや遅れぎみだったので、台風も来ずに、おひさまがよく照ってくれるのは本当にありがたいです。おかげで稲の穂が少しづつ垂れ下がり、田んぼ一面が、透き通る様な黄金色になってきました。稲の穂は下がれば下がるほど、大きな穂で、よく稔っているという目安になります。つい周りの田んぼと比べてしまいます。もっともっとずっしり下がれと、毎日、欲深くも祈ってしまうこのごろです。稲刈りも、もうすぐです。
今、畑では、これから年内にお届けする秋冬の葉物類の種まきをしているところです。
これから、日ごとに気温が下がってゆくと、それにつれて、野菜の生育はしだいにゆっくりになってゆきます。それを計算に入れ、まく量を調節しつつ、数日から1週間おきに種をまいてゆくのです。
あまりいいお天気が続くと、この種まきのほうは、は少々都合が悪い。まかぬ種は生えぬ、とか言いますが、畑仕事をしていると、まいても芽がでないということが、残念ながら多々あるのです。種をまいたときだけ、ちょこっと雨が降ってくれないかなと、つい、都合がよいことを考えてしまいます。とくに小松菜などの葉物類の種は、とっても小さいので、あまり土に深く埋めてしまっては芽がでません。ごく浅くまかなくてはならないので乾きやすいのです。ちゃんと芽を出してもらうためには、けっこう気をつかうのです。ただ、いったん芽を出せば、後は少々雨などなくとも、すくすくと育ってくれます。(か)
夏から秋へ
○ 夏が終わってゆく。 9月は、畑が夏から秋へと変わってゆくときだ。中旬過ぎから、夏野菜が、ひとつずつ野菜セットから消えてゆく。ちょっとさみしい。
キュウリのツルが枯れあがり、もう新しい実はつかないようだ。インゲンもおしまい。取り残した豆は、実が入るまでまってからよく干して、乾豆としていただく。トマトも赤くなるスピードが真夏よりぐっと遅くなる。色も心なしか薄いようだ。なす、ピーマンはもう少しがんばってくれるが、皮や、中の種がかたくなってくるので小さめで収穫する。
「終わり初物」という言葉を聞いたことがある。これでもう来年まで無いという最後の野菜は、盛りのころより多少味がおちていても、貴重な物に感じられる。そんな意味の言葉でしょうか。それにしてもトマトやキュウリ、ひたすら沢山いただきました。ばっかり食というより、ただの食べすぎかも。
かわって、これから出てくるのは秋野菜。この時期、夏から秋へのバトンタッチがうまくゆかず、野菜セットの品数をそろえるのに四苦八苦することもあるのですが…
まずは、まびき菜から始まる葉物類。毎年のことながら、秋一番の菜っ葉のおひたしや、みそ汁などをいただくと、なにかこうしみじみとおいしい。胃のあたりにたまった夏の疲れが癒されるようだ。
それから、さつまいも、ねぎ、大根、かぶ、ブロッコリー、キャベツ。ああ、おいしそう…。10月半ばくらいからは、秋野菜の最盛期になります。
長雨の影響
お盆の頃が、一年の農作業のシーズンの真ん中くらいになります。気温も、その頃を短いピークにして、しだいに下がって行きます。一年の折り返し点という感じです。
今年は、最初、降ったり晴れたりの陽性の梅雨でしたが、後半いつまでたっても梅雨明けとならず、雨と、低温、日照不足が続きました。夏が来ないまま秋になってしまうのかと心配しました。冷夏というのは、思い出してみると、定期的にやってくるようです。気候というのは、いろんな現象が複雑に作用しているので、常に、なみうちながら変化しているように感じます。これも自然のゆらぎの範囲なのかもしれません。
おかげで夏野菜はあまりよい出来ではありませんでした。
とくにトマトは雨が嫌いで、強い日光を好みます。何とかがんばって雨に耐えていたのですが、ついに耐え切れず病気で葉が枯れ上がってしまいました。こうなるとお手上げです。どうしても味が乗ってきません。今年はおいしいトマトをお届けできず、本当に残念です。他の夏野菜も、だいぶ収量がすくないようです。
トウモロコシも雨が多いと味が落ちてしまうことがあるのですが、今年は意外とおいしいようで一安心です。また、いつも実の先のほうを食べてしまうアワノメイガという虫が今年は少なく助かりました。雨が続くと植物の病気が多くなるのですが、虫の発生は少なくなります。日照りが続くと反対になります。
もうひとつ気がかりなのは、稲です。穂が出て、花が咲き、今度は実が入り穂がたれてくるところなのですが、なんだかいつもより遅い。そうこうしているうちに、処暑を過ぎ朝晩めっきり涼しくなり、ちゃんとみのってくれるのか気がかりです。いつもは、いつの間にか黄金色になっているのですが、気にしながら待っていると、時間がかかりますね。へんな言い方ですが、初めてお百姓さんの気持ちがわかった気がしました。
今年は、秋が早く来そうなので、今、いつもより少し早めに、大根やカブ、葉物などの秋野菜の種まきをしているところです。気候に恵まれ、おいしい野菜が収穫できるとよいのですが・・・。ほそかわ農園の後半戦にご期待ください。(か)
草取りは終わらない
「上農は草を見ずして草を取る」という有名な言葉がある。優秀な百姓は草が出るか出ないうちに草取りをする、そうすれば結果的に後が楽だ、という意味だと勝手に解釈している。わかっちゃいるけど、とてもとても・・・。本当に今の時期、雑草の勢いはすごい。雑草に負けてしまうと作物は大きくなれないので、気が気ではない。あっちこっちで、野菜たちの「早くたすけてー」と叫んでいる声が聞こえてくるようだ。
ひと口に草取りといっても、いろいろある。ひとつ目は、例えばニンジンの種まきして芽が出た直後にする、まだ小さな雑草取り。ちくちくつまんで抜いたり、鎌で土の表面をカリカリかいてやる。これはボーっと考え事しながらできるので、けっこう楽しい作業だ。
ふたつ目は、例えばひざ丈くらいに成長した大豆(枝豆)畑の草取り。大豆の間に、これまたひざ丈くらいに伸びた雑草をつかんで、ヨイショと引っこ抜いたり、鎌で根元をざくざく刈ってゆく。ひどいところは、草に埋もれて作物が見えないところもある。そんな草ボーボーだったところを刈ってやると、すっきり作物が一列に植わっている姿に変わるのが気持ちよい。
三番目は畑や田んぼのあぜに生えた雑草の草刈り。これは、草刈機でブンブンと刈ってゆく。音がうるさいので耳栓をし、小石がはねることがあるので顔にプロテクターをつける。また、刈った草を田んぼや水路に入れないようにとか、石などに当てて刃こぼれしないようにとか、けっこう神経を使う面倒な仕事だ。やれやれようやく一通り刈り終えたと思ったら、最初のところがまた膝くらいまで伸びている。晩秋まで草取りはエンドレスなのだ。あっ、番外編で田んぼの草取りもありました。その話はまた今度。(ひ)
サイレントスプリング
蜂の話です。果樹や、実もの野菜を栽培する農家にとって、花から花へと飛び回り受粉をしてくれるハチは、なくてはならない存在だ。ハチなしには、ちゃんとした実がつかないのだ。考えてみれば、不思議なことだが、ハチと植物はそんなふうに、お互いに必要としあうよう進化してきたのだ。
最近、世界各地で、ミツバチが大量死したり、巣箱から失踪するなどの異変が起きている。日本でも、各地で同じようなことが起き、養蜂家や、農家が困っている。原因は、最近使われだした、ある農薬のせいとも言われるが、はっきりしたことはわからない。だが、私たち人間の行為が、何らかの影響を与えているのは確かだろう。
うちの畑でも春先、普段なら、わんわんとハチがあつまる菜の花畑が、不気味にしーんとしていた。思わず、サイレントスプリングという語が頭にうかんだ。近くで養蜂をしている人に聞くと、やはりハチが減ってしまったという。
実は、うちにも数年前から、ハチの巣箱がある。ハチの好む箱を置いておくと、ニホンミツバチが、自然に住み着いてくれる。「待ち箱」という。友人がうまくいったのを見て、うらやましくなり、まねをしたのだ。だが、うちの巣箱になかなかハチが来てくれない。聞いてみると、巣箱の材質、色、置く場所(日当たり、風当たり)などいろいろやり方があるらしい。ハチとはいえ、住宅にはいろいろ好みがうるさいのだ。
こうなったら、ぜひハチを増やさなくてはという思いから(ぜひ、はちみつをなめたいという思いもあるが)冬になったら、また巣箱をつくってみようと思っている。(か)
虫の役割り
前回、アブラムシがピーマンに大発生したことをかきましたが、農薬を使わずに、庭つくりを行っている、ひきちガーデンサービスの曳地さんの本を読むと、虫について、今まで知らなかったことがたくさんあってびっくり。
たとえば、アリについて…。アブラムシのいるところには、アリがいることが多い。なにやら、かいがいしくアブラムシの世話を焼き、外敵が来れば追い払い、アブラムシの出す甘い分泌液を吸う。だから畑で野菜の上に群がるアリを見かけると、ぎくっとする。あまりありがたくないやつだと思っていたのだが、曳地さんによると、アリは、アブラムシを保護するだけでなく、時には増えすぎたアブラムシを食べてしまうこともあるという。また、アブラムシがつくと、分泌する甘い液がすす病の原因になるのだが、アリが舐めてくれたほうが、まだ、すす病がすくないそうだ。また、桜の木は、葉に蜜腺があり、葉につく虫を食べる番兵として、アリをおびき寄せるそうだ。アリは、イモムシや他のいろんな虫を食べてくれる捕食者でもあり、何より、シロアリの最大の天敵だそうです。
アリひとつとっても、今まで、何も知らずに何となく迷惑に思っていたのが、実は今までいろいろとお世話になっていたらしいのだ。うーん、どうもすみません。
他にも、気持ち悪いとか、不快害虫なんていわれる、ゲジゲジ、ヤスデ、ダンゴムシなどは、腐った葉を食べて、土を豊かにしてくれるありがたい虫だそうだ。・・・不快害虫って随分な言い方だが、確かに見かけはあまりかわいくはない・・・でもそれぞれいろんな役割がある虫たち。
正しく知ることって大切だなと、つくづく思いました。(か)
栽培の極意
前回のおたよりにも書いたが、今年は、ピーマンの苗にアブラムシが発生し、困った。うちでは農薬をまくという選択肢は、もちろんないので、対処法は、アブラムシのついた苗を隔離する。手でつぶす。自然農薬をまく。天敵であるてんとう虫を捕まえてきて放す、などだ。
実は、何を隠そう、私は、作物を栽培する極意をすでに発見している!それは、毎日、作物を見ること。なんだそんなの簡単だと思うでしょうが、なぜかこれが、なかなか実行できない。毎日見ていれば、それだけで作物はちゃんと育つ(と思う)…そういえば最近ピーマンはどうしてるかなと、ふと、まじまじと見てみると、うわっ、アブラムシ。トラブル発見は、いつもこんなパターンだ。また、アブラムシは増えるのがとっても早いので、増え始めると対策はなかなか追いつかない。
今、ピーマンは、畑に植えて1ヶ月ほどたち、まだアブラムシのついた株もあり、アブラムシによってうつされたウイルス病でダメになった株もあるが、全体に広がるようなこともなく、やれやれだ。よく見ると、てんとう虫の幼虫がだいぶ増えた。クサカゲロウの卵もある。クモが巣を作って住み着いている株もある。どうやら天敵たちが活躍しているようだ。やっぱりいろんな生物がいる事が、大切なんだ。と、一安心して、最近また、まじまじとピーマンを見てない気がするけど、大丈夫かな?(か)
写真:今年のカボチャ畑
去年は畝間にまいたベッチ(緑肥)が、カボチャを圧倒したので、今年は短く刈り込んでみた。