サイレントスプリング

cimg3801.jpg蜂の話です。果樹や、実もの野菜を栽培する農家にとって、花から花へと飛び回り受粉をしてくれるハチは、なくてはならない存在だ。ハチなしには、ちゃんとした実がつかないのだ。考えてみれば、不思議なことだが、ハチと植物はそんなふうに、お互いに必要としあうよう進化してきたのだ。
最近、世界各地で、ミツバチが大量死したり、巣箱から失踪するなどの異変が起きている。日本でも、各地で同じようなことが起き、養蜂家や、農家が困っている。原因は、最近使われだした、ある農薬のせいとも言われるが、はっきりしたことはわからない。だが、私たち人間の行為が、何らかの影響を与えているのは確かだろう。
うちの畑でも春先、普段なら、わんわんとハチがあつまる菜の花畑が、不気味にしーんとしていた。思わず、サイレントスプリングという語が頭にうかんだ。近くで養蜂をしている人に聞くと、やはりハチが減ってしまったという。
実は、うちにも数年前から、ハチの巣箱がある。ハチの好む箱を置いておくと、ニホンミツバチが、自然に住み着いてくれる。「待ち箱」という。友人がうまくいったのを見て、うらやましくなり、まねをしたのだ。だが、うちの巣箱になかなかハチが来てくれない。聞いてみると、巣箱の材質、色、置く場所(日当たり、風当たり)などいろいろやり方があるらしい。ハチとはいえ、住宅にはいろいろ好みがうるさいのだ。
こうなったら、ぜひハチを増やさなくてはという思いから(ぜひ、はちみつをなめたいという思いもあるが)冬になったら、また巣箱をつくってみようと思っている。(か)