2011年

みんなが幸せになりますように

また原発事故の話になりますが、私たちが今、享受している便利で贅沢な暮らしと引き換えに、子供たちの未来がおびやかされていると思うと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。若いころ読んだレイチェル・カーソンの「沈黙の春」の不気味な光景が現実になりつつある気がして、本当に暗い気持ちになる。怖いのは放射能だけでなく、農薬も、遺伝子組み換え作物も、携帯電話などから出る電磁波も、ごみの焼却によって出る有害物質も・・・数え上げるときりがない。私が長野に来た17年前と比べてみても、あちこち開発が進み、蝶が減り、蜂が減り、いろいろな異変を感じています。

たぶん“今”が子供たちに豊かな自然と、安心して暮らせる将来を残してあげられるかどうかの「最後の分かれ道」なのではないでしょうか。私たちもここ富士見町で農業を続けることができる幸せを噛みしめつつ、せめてもの恩返しとして、原発のない社会、豊かな自然を守るための活動をしてゆくつもりです。幸い有機農業をしている仲間は、環境問題や社会問題に関心が高く、黙っちゃいられないと精力的に活動している人が多くて心強いです。できるだけ多くの人々がつながって、良い世の中にしてゆければと願っています。(ひ)

 

家の近くにも道祖神があります

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野菜セットのお届けが始まりました

 やっと野菜セットのお届けが始まりました。

おいしくて、少しでも安心できる農作物をおとどけしたいと思います。今年も、よろしくお願いします。

 原発事故による放射能の影響について

ここは、福島第一原発から300キロメートルくらいの距離です。今のところ、長野県内各地の放射線測定値などから判断して、安全であると判断しています。農産物の測定等は今のところ行っていません。 

ただ、その値はおそらくゼロではなく、また、放射能については、微量であれば安全であると言い切れない。まして、口に入れる食べ物。有機農業をやってきたものにとって、とても情けない思いがあります。

とはいえ、農家として、田畑を耕せるだけ幸せ。エネルギー問題がいろいろうるさいですが、最も基本的なエネルギーである、コメ、イモ、ヤサイの生産に励みたいと思います。

放射能は作物によって吸収の仕方が違うようです。今後の状況もわかりません。測定も必要になるかもしれません。今後もいろんな情報に注意を払いつつお届けしてゆきます。

 最後に、一言。原発だけは止めようよ。

 
 

今年はお隣の原村から、研修生のTさん (25才)が来て、農業を 学んでいます。

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震災に思うこと

3月11日から様々なことが頭の中をぐるぐるとかけ回って、ブログを書く気分になれませんでした。

こうやって家族が変わらず幸せに暮らせていることがとてもありがたくていとおしく、災害に遭われた方々のことを思うと申し訳ない気持ちです。そういうわが家も活断層の真上に住んでいるので、いつおとずれるかわからない災害に備えておかなければなりません。

そして原発事故のことを考えるとさらに気持ちが落ち込み、怒りがこみ上げてくる。便利な暮らしに慣れきって何もしてこなかった我々大人の責任だ。近くに住む子供たちが、チェルノブイリのような健康被害にあわないことを心から祈るばかりです。電気を使っている私たちは、原発の近くに住んでおられる方々の苦しみを、少しでも分かち合わなければいけません。

また同じお百姓の立場から、汚染で作物を出荷できなくなった方々のことを思うと本当に胸が痛みます。ここの土地だって、多かれ少なかれ汚染は避けられないでしょう。私たちは安全なお米と野菜を作ってお届けすることを信念に、15年有機農業を続けてきました。大切な田んぼや畑が汚染されたくないと、近くにごみの焼却灰の処理場ができる計画が上がった時、たくさんの仲間と共に反対運動をしてきました。でも、原発は危険とわかっていながら反対してこなかった。だから自分にも責任がある。

起こってしまったことは今さらどうすることもできない。でも今ある原発を止めさせることは可能だ。子供たちにこれ以上負の遺産を残さないためにどうしたらいいのか、自分にできることは何か模索中です。今の贅沢な暮らしを見直そうよ、原発やめようよ、とより多くの人たちに地道に伝えてゆきたい。そして、こんな大災害があったときだからこそ、食料を自給すること、農業の大切さを伝えて、これから新しく農業を始めたい人たちを応援しなければと思うのです。

山梨県の大泉にある八ヶ岳倶楽部(柳生博さんのお店)で買った多肉植物の寄せ植え。

10種類ほど植わっていて、どれもすごくかわいくて、世話するのも簡単。時々ながめては癒されています。

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楽健寺酵母のパン

農閑期の楽しみのひとつがパン作りなので、同じような話題になってしまいますが・・・。

今度は楽健寺酵母を使ってパンを焼いてみました。

楽健寺酵母のパン種の材料は、前回と同じく小麦酵母の本種、ニンジン、ヤマトイモ、玄米、りんご。これらをミキサーにかけてドロドロにし、強力粉を少し足してびんに入れ、暖かいところに1日置いておく。2倍ほどにふくらんでから、少ししぼんできたら出来上がり。

酵母に強力粉、塩、水を混ぜてよくこねる。2~3時間ほど発酵させる。

リング型に成形し、1分ほどゆでてから、オーブンで焼くとベーグルに。もちもちとした食感。

同じ生地で娘が好きな形に作ったパン。パン種に玄米、ニンジン、ヤマトイモ、りんごが入っているので、味に深みが出ています。ジャムとか何もつけなくてもおいしいです。

詳しい作り方は、山内宥厳著 「楽健寺酵母でパンを焼く 」という本が農文協から出版されていますので、興味のある方はご覧下さい。

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ライ麦パン

以前お知らせした小麦の酵母を中種として使用し、ライ麦パンを作ってみました。 

材料は中種、強力粉、塩、ライ麦全粒粉、水。ライ麦粉はきんぴら農園さんの国産有機全粒粉で、とても貴重なものです。

短めにこねて丸め、3時間ほど1次発酵。ライ麦のつぶつぶがみえます。

鍋に移して2時間ほど2次発酵。

ストーブの中で30分ほど焼く。

どっしりとした感じに焼きあがりました。皮はぱりっとしています。

薄く切って、食べてみました。酸味はなく、噛みしめるほどにライ麦の風味がしてしみじみと深い味わいです。

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にょきにょき?

籾殻の中からにょきにょきと芽が出ています。さて、これは何でしょう?

掘り出したところ。そう、こんにゃくいもです。凍らないように暖かい部屋の中へ置いておいたら、芽が出てしまいました。

早く使っちゃわないと・・・ということで、早速こんにゃく作りをすることに。

まず、いもの皮をむいて適当な大きさに切る。ミキサーにイモと水を加えてドロドロに。

これを鍋に入れて煮て、凝固剤(うちでは豆ガラを焼いた灰をドリップした灰汁を使用)を加え一気にかき混ぜる。

バットに広げたところ。

短冊状に切り、1時間ほど煮れば出来上がり。

 

薄く切ってお刺身でいただくと、こんにゃく特有の臭みもなく本当に美味です。

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野沢菜のかぶ

以前紹介した富士見町の「よっちゃばり」という集まりで教えていただいた、乾物の作り方とその料理です。昔から伝わる郷土料理でしょうか。

これは野沢菜の根っこの部分、つまりカブです。収穫した時に葉っぱの部分は切り落としたのですが、保存しているうちにまた生えてきました。

よく洗って薄くスライスし、天日で干す。

こんな風にからからになるまで干さないと、保存中にかびてしまいます。

水で戻して、だし汁で煮付けて、エゴマと醤油とみりんで和えました。ひなびた味というか、噛みしめるごとにしみじみとおいしさが広がります。

昔は菜っ葉の部分は野沢菜漬けにして保存し、カブの部分はこうやって干して保存していたのですね。
お味噌汁の具としてもよく使われていたそうです。

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熊さんからの贈り物

もう、少し前の話になりますが、近所の方から熊の肉をいただいた。 近くの山で猟をされたそうだ。

えっ、熊肉!と驚き後ずさりしつつも、ありがたくちょうだいすることに。

まず、しっかりした筋肉と厚い脂肪を切り分ける。

赤身のほうはりんごと生姜と日本酒で臭みを消してゆっくり煮込む。

一部を豚汁ならぬ熊汁に。味は繊維の太い牛肉みたいな感じで、意外とおいしくてとても体が温まりました。

脂肪はダッチオーブンに入れて火にかけ、油を取り出す。

ペーパーフィルターで油をこすと、2びん分の熊の油が取れました。夫と二人で1日がかりの作業でした。

熊の油はアトピーにとても良いのだそうで、早速アトピーでひび割れた息子の手に毎日塗っています。皮膚にしっかりしみ込んでゆく感じで効き目がありそうです。

熊さんありがとうございました。

余談ですが、同じ方から鹿肉の足も骨ごといただいた。うちはあまりお肉を食べないので、ちょっと困るのですが、カレーに入れたり、愛犬のご飯に混ぜたり、少しずついただいています。

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自然発酵のパン

小麦と水だけで自然発酵させたパンを作ってみました。空気中に漂っている酵母の力をかりて、ゆっくりゆっくり発酵させるのです。材料は本当に小麦粉と塩と水だけ、究極のシンプルなパンです。

これは林弘子さんの本で見て以前からやってみたいと思っていました。林さんはパンだけでなく、調味料や保存食の作り方などを書かれた本もたくさん出版されていて、お会いしたことはありませんが私のお料理の師と仰ぐ方です。昨夏ご逝去されたと知りとてもびっくりしました。心よりご冥福をお祈りします。

作り方は、まず小麦粉と水を大さじ1ずつ入れて混ぜる・・・というのを2、3日おきに7~8回繰り返しながら、冷蔵庫でじっくり発酵させる。

1ヶ月くらいでこんなかんじに。

これに小麦粉と塩を足して、中種を作って発酵させる。

中種にさらに全粒粉と小麦粉と塩を混ぜてこね、発酵させる。

薪ストーブに入れて20分ほど焼く。

 

ふっくらと焼けました。

酵母独特のにおいもなく、酸味もないシンプルなパン。それだけに粉自体の味がストレートにわかります。ふわふわでとてもおいしかったです。

ちなみに使用した小麦粉は自家製ではなく、買った国産小麦粉と全粒粉を使用しています。うちでも毎年南部小麦を作っているのですが、ふくらみが悪いなどいろいろ問題があって残念ながらパン作りには適していないのです。

将来自家製の小麦粉でおいしいパンを焼いてみたいな・・・。

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恒例のもちつき大会

もう、1月も終盤になってしまいましたが・・・いつまでも正月気分が抜けきれず、ブログの更新を怠っていました。

今年もよろしくお願いします。

1月23日、野菜セットを買っていただいている会員さんたちに来ていただいて、お餅つき会を行いました。

今年はキビ餅と玄米餅に挑戦。玄米餅は2日間浸水し、薪の火で50分ほど蒸す。

 

玄米はかたいので最初のこねる作業も念入りに。

白いお餅の倍はつかないとうまくつぶれてくれません。

 

子供たちもがんばってついてくれて、おいしいお餅ができました。

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