田んぼの生き物

田んぼにはいろんな生き物がいる。自分で田んぼを作り始めて、だいぶしばらくたってから、そう気がついた。
春、まだ寒い頃、苗代用のちいさな田んぼに水をはり、代かきをすると、2,3日後には必ず卵のかたまりが産みつけられている。 ヤマアカガエルだ。このカエルは、ふだんは林の中で暮らしていて、産卵の時だけ田んぼにやってくる。 卵からかえった「オタマッコ」は2ヶ月ほどで子ガエルになり、田んぼからあがるとまた林に帰っていくのだという。
初夏、夜の田んぼはカエルの大合唱だ。今まであまり気にとめたこともなかったが、教えてもらうと、たしかにコロコロときれいな声でなくカエルがいる。 シュレーゲルアオガエルというのだそうだ。土手の土の中にもぐっていることが多く、なかなかお目にかかれないが、アマガエルとちょっと違うかわいらしい顔をしている。
トンボも、今までアカトンボ、シオカラトンボ、ヤンマ、その他のトンボ、くらいにしか識別していなかったが、ずい分いろんなトンボがいるんですね。 小さなイトトンボには、宝石のように美しいやつがいることも知りました。
前からそこにいたのでしょうが、お顔と名前が一致して初めてそこにいることに気がつく。こうして毎年少しずつ新しい顔と知り合える、今では、田んぼを作る大きな楽しみだ。

写真:ハザにかけた稲
天気がよければ1週間ほどで乾くのだが、今年の秋は雨が多く、なかなか脱穀できない。