おいしい料理との出会い

 山梨県の大泉に「ごぱん」という、マクロビオティックのレストランがある。そこで出されるお料理や販売しているパンは、厳選した材料でとても丁寧に作られているので、すごくおいしい。そのお店のKさんからお料理教室の案内をいただき、先日参加してきました。講師は穀物菜食料理の第一人者である大森一慧先生。6人のお子さんを育てられ、たくさんの難病の人を食事と手当て法で救ってきたすごい方らしい。実際お会いすると小柄な方で抱いていたイメージとは少し違っていたが、気さくで大らかな人柄がとても素敵でした。
 その日はサツマイモの餡にかぼちゃの皮で作る田舎まんじゅうをメインに教わった。まず、蒸したかぼちゃを少しずつ取り、裏ごしする。次にその中に粉を少しずつ、こねないようにへらで切り混ぜてゆく。そして、ひとまとめにして分割したものを、薄くのばしてさつまいもの餡に包み込んでゆく。先生の年季の入った手つきにほれぼれと見とれてしまう。一つ一つの工程がとても丁寧で、心がこもっているというか、料理に気が入ってゆく感じなのだ。
 その蒸しあがったおまんじゅうを一口食べると、体の中から「あーおいしい」ってわき上がってくるような幸福感。砂糖を使わないので、かぼちゃとサツマイモ自体の甘さが引き立って、何ともいえない優しいおいしさだった。他にもKさんが作られたゴーヤチャンプルーや野菜スープも、食べると指先まで血の巡りが良くなるような、元気がわいてくるおいしいお料理でした。
 偉そうなこと言うようですが、料理のおいしさって、素材の良さが7割を占め、後の2割はその素材の良さを最大限生かせるかどうか、最後の1割は作り手の心によって決まる、と勝手に私は思っている。例えば、お肉や砂糖やだしの素などをどばっと入れると、素材の繊細なおいしさはわからなくなってしまう。また、いらいらした気分の時や、時間がなくて焦って料理すると、味がうまく決まらなかったりしますよね。大地のめぐみに感謝し、丁寧に心を込めて料理することを、あらためて教わった貴重な1日でした。あわただしい時でもおろそかにしないように気をつけたいです。

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