雑穀の収穫

cimg3367.JPG○「収穫の秋」の言葉どおり9月10月は穀物、豆類の収穫が目白押しだ。毎年春先は欲張ってつい、あれもこれもといろいろ植えてしまうが、秋になって手が回らずに後悔する。今年作った穀物はまず、小麦と大麦で、これは夏に収穫済み。秋の収穫はお米、アマランサス、モチアワと、乾燥豆の大豆、小豆、白花豆、インゲン豆。機械の作業ができるお米や麦類は広い面積で作ることも可能だが、手作業のみの雑穀、豆類は作業効率が非常に悪く、自家用分+α作るのがやっとのことだ。
○例えば、アマランサスができるまではこんな感じ。春、ハウスの中で種まきし、4〜5センチ芽が伸びたところで、畑に定植する。夏に草取りをして、真っ赤な穂が実る9月に鎌で刈り取る。今年は子供たちと軽トラック1台分刈り取った。これを束ねて紐で縛り、吊るしてしばらく乾燥させる。乾燥したら足踏みの脱穀機で脱穀するのだが、実だけがきれいに取れるわけではなく、穂ごと取れたり、葉っぱやら茎やらごみもいっぱい混じっている。これをまず目の粗いふるいで葉っぱや茎をとり、細かいふるいで穂から実を分離させ、「とうみ」という手回しの機械で風選して軽いごみをとり、最後にざるで細かいごみを取り除く。そうしてやっと、けし粒のようなぴかぴかのアマランサスが姿をあらわす。トラック1台分刈り取って、収量は6.8キロだった。
○それはまるで泥の中から砂金を探し出すような作業。時給に換算すると、100円以下なのかもしれないが、その作業ひとつひとつが実に楽しい。子供たちにとっても、作物ができるまでの過程をじかに学ぶことができるのは貴重だ。私はサラリーマン家庭で育ったので、恥ずかしながらお百姓になるまで、トマトやきゅうりが夏の野菜だということすら知らなかった。一年中冷蔵庫の中に入っていたから。また、子供のころ祖母から戦時中の食糧難で苦労した話をさんざん聞かされたが、食べ物のありがたさについて考えたこともなかった。 どうやら子供たちが畑から自然に学んでいるのと同じことを、自分も今頃になって一緒に学んでいるようだ。(ひ)