へそかぼちゃの話

去年の冬、ある人からかぼちゃを1個もらいました。「へそかぼちゃ」という名前の、先端がでべそのようにもりあがった変な形をしたものでしたが、食べてみると上品な甘みがありとてもおいしい。 流しの三角コーナーからタネをひろって洗い、乾かしてしまっておき、今年の春播いてみました。今、畑には数十株の「へそかぼちゃ」の苗が元気に育っています。果たしておいしいかぼちゃがとれるでしょうか。

野菜作りは1年ごとの仕事で、収穫してしまえばおしまい。果樹や林業のように長い時間をかけて育て上げてゆくものではないと思っていました。 でもこうして1個のかぼちゃから自分で取ったタネが何十倍にもなって育ってゆくのを見ると、野菜も毎年実を結びタネになり、姿を変えながらもえんえんと続いてゆく命のつながりなのだなと、人間や樹木と同じなのだと思います。

他のかぼちゃと受粉しないように気をつけて上手にタネがとれれば、また来年もさ来年もおいしいかぼちゃがとれるはず。 こうしてタネとりをつづけていると、その土地の気候に適応してゆきます。そして農薬や化学肥料を使わずに育てていると、だんだんに丈夫な性質になっていくそうです。 ほんとうに不思議ですね。ほそかわ農園でもこれからさらに「タネの自給率」を上げてゆこうと思っています。 「へそかぼちゃ」は9月にはとれるはずなので、うまくいけば皆さんにも食べていただけると思います。お楽しみに。