キュウリのつる

ちょっとむし暑く感じる夜が続くと、夏野菜はぐっと大きくなる。カボチャのつるが伸びる早さにはおどろくばかりだ。つる先を持ち上げて、みるみる畑をうめつくしてゆく様子は、何か動物的ですらある。カボチャはここまでくればあとは、実がなって収穫できるようになるまで放っておくだけなので手間なしだが、トマト、キュウリは少しめんどうだ。トマトは支柱を合掌に立てて、伸びた茎が倒れないように誘引し、キュウリは高さ2mくらいのアーチパイプにネットをはって、そこにつるを誘引してゆく。伸びた分だけ、ひもでくくりつけてあげなければいけないのです。

トマトにはつるがはないので、いわば人間の都合によって支柱にくくりつけられているわけですが、キュウリもうっかり誘引をサボっていると伸びたつる先が垂れ下がってきて、時にはポキッとおれてしまうことも。「そのりっぱな巻きヒゲはいったい何のためについているのだ!」といいたくなる。

近所のおばあさんが「今のウリ(キュウリ)はずくなし(なまけもの)でだめだけど、昔のウリはひとりで巻きついてのぼっていったよ」といっていましたが、本当でしょうか。ちなみにゴーヤはキュウリより野性的で、ひとりで巻きついてのぼってゆくので人の手をわずらわすことはまったくありません。

今、畑ではいろんな野菜が伸びざかり、そして花ざかりです。