野沢菜とたくあん作り

cimg4111.jpgcimg0709.jpg長野に来て驚いたことのひとつが、おやつの時間にたくさんのお漬物が並び、お茶が少しでも減ると、すかさず注ぎ足してくれることだ。そうして知らず知らずのうちに、私もお漬物大好きとなり、毎年欠かさず漬けるようになった。先日も、野沢菜とたくあんを漬けた。今まで他にもいろいろな漬物を試したことがあったが、カビさせたりすると大量に捨てるのが情けなく、困るので、最近は失敗の少ないこの2種類に落ち着いている。
 まず、野沢菜。信州のお漬物といえば野沢菜ですよね。こんなに広い長野県でどこでも野沢菜を漬けているのがとても不思議だった。そう言えば地元の人は「野沢菜漬け」と言わず、「お葉漬け」とか「お菜漬け」などと呼んでいる。昔は「野沢菜」ではなくて、その土地独自の漬け菜があったが、いつの間にかみんな作りやすくておいしい「野沢菜」を漬け菜として作るようになったそうだ。漬け方も昆布、味噌、酢、ザラメ、唐辛子などを入れたりと、その家庭ごとに微妙にレシピが違って、食べ比べさせてもらうのも面白い。我が家は塩と醤油だけのごくシンプルな野沢菜漬けだ。4、5日して水が上がるとすぐ食べられ、年内はしゃきしゃきしたフレッシュグリーンの「浅漬け」が楽しめる。年が明けるとだんだんと飴色に変わり、酸味も出た「古漬け」となり、2月頃まで食べることができる。冬の間のわが家の貴重なおかずであり、ビタミン源だ。
 たくあんもレシピは様々あるが、うちは塩とヌカだけ。砂糖の甘さなどの雑味のないたくあんが食べたいと、2年前から作ってみた。最初作って半年した頃に味見をしてみると、あまりのしょっぱさに、これは失敗かなと思った。1年たってまた味見をすると、少し塩が馴れてきて、食べられるようになる。2年たった今、着色してないのにきれいな黄色になり、少し酸味をおびた古漬けの何とも味わい深いものとなる。それでもやっぱりしよっぱいので、薄く切って少しずついただく。どちらかというと、玄米ご飯に合うたくあんです。
 つい、手前味噌の自慢話をしてしまいましたが、あくまで素人が作ったものですので、年季の入った地元のおばちゃんたちの漬け物とは違います。あしからず。(ひ)