菜園たより

植物と土壌微生物の関係

みぶ菜、チンゲン菜、小松菜などの葉物野菜は、みんな、アブラナ科という仲間です。アブラナ科の野菜はとても種類が多く、キャベツ、ブロッコリー、ケール、白菜、大根やかぶ、ルッコラや、ワサビもアブラナ科です。 アブラナ科野菜を連作(同じ場所で続けて栽培すること)すると、根こぶ病などの病気になったり、特定の害虫が増えてしまうので気を使います。  秋にお届けするキャベツ、ブロッコリーなどの作付け予定の畑は、今4月に種をまいたイネ科の牧草に覆われ、一面、草原のようです。 これをモアという機械で、細かく砕き、畑にすきこみ、有機質肥料と混ぜ、透明なビニールを張って、一月ほど太陽熱に当てて,7月から植え付けになります。連作障害を避け、土の有機物と有用微生物を増やすためです。また3年に一回以下の作付けになるよう畑を変えながら、他の作物と回してゆきます。  有機栽培では、病気や害虫が出てからでは、打つ手がないので、予防あるのみです。土の中には、菌がいっぱいで、普通の畑には、10アール当たり、700キロの重さの土壌微生物がいるそうです。多様な微生物が増えると、特定の病原菌の増殖をふせぎ、土壌を団粒化し(水持ちと、水はけが同時によくなる)、植物が取り入れにくい肥料も吸収しやすくしてくれます。そして最後は、微生物の死体自体がが野菜の肥料になります。植物と、土壌微生物の関係は、人間の腸と腸内細菌の関係に似ているといわれています。土を肥やし、微生物を増やすのに、やりすぎということもなく、終わりもありません。うーん、やりがいありますねー。

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地元の安全な野菜を給食に

先日、長野県飯田市で「学校給食に有機農産物を」というテーマで講演会があり、 車で往復3時間かけて行ってきました。講師は県職員の吉田太郎氏。国内外の有機農 業事情に詳しく、著書も多数あります。
 吉田さんによると、海外では有機農産物は免疫力を高める効果があり、コロナの予防に注目されているという。また欧州では、どのような食事を作れば子供たちが健康になれるか、という議論が進んでいるのだそうです。
 しかし有機農産物を栽培する面積割合は、EU8%に対して日本はわずか0.2%。そんな中、日本でも千葉県いすみ市や愛媛県今治市、長野県松川町などが、すでに有機給食に取り組んでいます。期待されるのは健康だけじゃなくて、環境保全の理解、地産地消の拡大、文化・伝統の継承などの教育的な効果もあるそうです。

 私たちの富士見町には「よっちゃばり」という学校給 食に野菜を納める生産者の会があります。ほそかわ農園 も平成18年から学校給食に有機野菜を納品しています。
 生産者が心を込めて作った食材を、心を込めて調理す れば、子供たちは必ず気がついてくれる。大人になって 自立してゆくための芯になるものが育つんじゃないかと 思います。講演を聞いて、これからも子供たちの未来の ために、安全な野菜を作り続けたいと思いました。

ちょっと昔のですが、地元の野菜をふんだんに使った冨士見中学校の給食

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ほそかわ農園の1年

 

 

 

 

 

 

ハートのジャガイモ 毎年一つは見つける、幸運を呼ぶハートのジャガイモ。左は怒ったイモ君で、裏返すとニッコリのジャガさん。品種は「ペチカ」です。

今回は、ほそかわ農園の大まかな1年の仕事をご紹介します。
1月…1年の計画を立てる。野菜の種の用意。
大豆など豆類の選別。
2月…事務仕事、薪割り、大工仕事など。
3月…醤油・味噌づくり。落ち葉集め。
4月…ハウスで種蒔きと育苗。稲の準備。肥料まき。
5月…苗の定植(畑に植える)、田植え。
6月…前年に植えた玉ねぎとニンニクの収穫と乾燥。
7月…早朝の夏野菜の収穫が始まる。秋野菜の準備。
8月…ジャガイモ、カボチャなどの収穫と保存。
クッキングトマトを加工場に出す。
9月…稲刈り。サツマイモなど収穫。ニンニク種まき。
10月…えごまの収穫と脱穀。大豆、雑穀などの収穫。
玉ねぎの定植。
11月…冬の貯蔵野菜の収穫。畑の片づけ。
12月…大豆、雑穀の脱穀。たくあん、野沢菜を漬ける。
と、毎年ほぼ同じですが、前年の失敗を踏まえて、少しづつやり方を修正してゆきます。なので、1年の計画はとても大事なんです。
農作業はどれも体力勝負ですが、たくさんの人に手伝っていただいて、何とか仕事が回っています。畑の仕事は楽しいよ!!

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旬の野菜をいただく

インゲンのトンネルの中で収穫しているところ。品種は「まんずなるいんげん」です。

去年の今頃は暑い暑いと言って大騒ぎしていたのに、今年はお日様がなかなか顔を出してくれません。夏野菜の生育が遅く、やきもきしています。

ほそかわ農園は、新鮮な旬の無農薬野菜をお届けするのが、一番のセールスポイントです。その時期に露地でできる野菜は、ストレスが少なく、畑でのびのびと育ちます。だから栄養価が高くて、味も最高においしくなるんです。

また野菜の旬と、人の身体も密接な関係があります。栄養価だけではなく、夏は水分が多くてミネラルを補給し、夏バテを予防するキュウリやトマト。秋は冬に向けてエネルギーを蓄えるさつまいもやかぼちゃ。冬は身体を温める人参やねぎ、大根といったように、旬の野菜を適度に食べると、その時期の体調も整えてくれます。

私は大阪の農業とは無縁の家庭で生まれ育ちました。農家にあこがれていたものの、農業を始めるまで、畑での野菜の姿や旬の時期など、全く知りませんでした。ゼロからのスタートだったので、全てが新鮮だったけど、農家の1年のサイクルの流れに乗るのがわからず、大変でした。

春に種をまいて、苗を育てて世話をし、収穫して、保存食を作る。お百姓は毎年時期が来れば必ずやる仕事が、次々と向こうからやってくるという感じです。

20数年経っててようやく、その流れに乗れた感覚があります。逆に富士見で生まれ育った夫は、そんな暮らしが子供の時から自然と身についているみたいですね。

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野菜を育てる

 野菜を上手に作るコツは、足しげく畑に通って野菜を観察することでしょうか。  ハウスで大事に育てた苗を畑に定植し、安心してしばらく見ないでいると、ピーマンにアブラムシがいたり、キャベツが青虫に食われていたり、キュウリがちょっと病気っぽくなっていたり…。がっかりすることがよくあります。もちろん農薬は使いませんので、そんな時は害虫を手で潰したり、ミネラルや発酵肥料などをかけてあげて、野菜が元気になるように手助けします。

うちは大小あわせて田んぼが6枚、畑が8枚くらいあって、場所も離れているので、一通り見て回るだけでも半日仕事。そして見るたびに「トウモロコシの除草しなくちゃ」とか「キュウリの誘因(ネットにテープでつるを止めてゆく作業)しなきゃ」など、どんどん仕事が増えてゆくんです。

野菜作りは子育てに似ています。苗のうちは温度管理、水管理などこ まめにお世話し、畑に出してからは、自然任せですくすく育つように最 低限の手助けをする。ただ、野菜は文句を言わないし、失敗しても次の 年はまたいちからやり直せるので、気が楽かも。16と19歳になった子供 たちの子育てを振り返ってそう思います。ちなみにわが家は、今までみ えた国内外のウーファーさんにも育てていただき、子供たちは多くの影響を受けました。そういう意味でも農業やっていてよかったです!

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野菜の品種

野菜にはいろんな品種があります。ほそかわ農園でも、より美味しくて、丈夫な野菜を求めて、毎年、いろんな品種を作り比べます。いろいろ違いがあっておもしろいですが、特に古い伝統品種などは、驚くようなものがあります。
うちでの品種選びは、まず農薬など使わずに育つ丈夫なものそして美味しいものです。

こんな選び方ができるのも、皆さまに直接野菜セットを買っていただいているから。
スーパーなどの野菜は、他に情報がないので、どうしても味より見た目優先になってしまいます。

来年もまた、新しい品種の種をまくのが楽しみです。
こんな農園をどうぞよろしくお願いします。

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中学生の職場体験


 先月のことになりますが、地元の中学校の職場体験で、生徒さん2名がうちの農園に来てくれました。忙しい時期なので、3日間来てもらうことに最初はちょっと負担感がありました。でも、過去にうちの子供たちも他の職場でお世話になったことだし、受け入れることに。
 しかし実際は、二人とも素直ですばらしい生徒さんでした。作業は野菜の袋詰め、ジャガイモ掘り、学校給食の納品やお客さん宅への配達など。注意深く、一生懸命に手伝ってくれて、とても助かりました。彼らの姿から、頑張って手伝って役に立ちたいという気持ちが、すごく伝わってきました。ひとりの生徒さんは、「特に希望の職業がなかったので、先生に勧められてなんとなくここに来たけれど、とても楽しかった。来てよかった。」と言ってくれて、うれしかったです。私たちも楽しい3日間でした。
 最後にスライドで、うちの1年間の農作業、味噌・醤油作りなど加工品作りの様子を紹介しました。農業の魅力や自分の食べるものを自分で作ることの楽しさなどを知ってもらって、将来職業を選択するときの参考にしてもらいたいです。  今、将来に希望を見いだせないでいる若者が増えているというニュースを聞きますが、農業にはそんな人たちを元気にする可能性があるのでは・・・と今回気づきました。これからも若い人たちに、農業の魅力を発信してゆきたいです。

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就農

20代の若いご夫婦のウーファーさんが、一週間泊まり込みでお手伝いしてくれています。来春から有機農業を始めるため、その前に全国のいろんな農家を見て回っているとのこと。やる気いっぱいの希望に燃えたお二人を見ていると、キラキラ輝いていて素敵なんです。彼らがこれからずっと農業で生活できるよう、応援しています。私たちも農業を始めるにあたって、たくさんの方々にお世話になりました。なので恩返しのつもりで、農業を志す若い方たちのお役に立ちたいです。
 20数年前、私たちが農業を始めたばかりの頃を思い出しました。野菜セットも10件くらいのお客様から始まったでしょうか。最初売り先を探すのもひと苦労。おたよりも手書きのもので、毎回コンビニへコピーしに行っていました。たくさんの失敗や試行錯誤を繰り返しながら、今に至っています。
 何とその頃から、約20年間私たちの野菜セットを食べ続けてくださっているお客様が数名いらっしゃるんです。たぶん我が子のように、いつも私たちを励まし続けてくださっているんだと思います。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。なので、皆さんに野菜セットを箱詰めしているときは、お客様というより親戚に野菜を送り届けているみたいな気持ちでいます。

今年も八ヶ岳マルシェに出店しています。
10月までの第3日曜日・10~15時、会場は原村の自然文化園です。ぜひいらしてください。
https://www.facebook.com/yatsugatakemarche
https://yatsugatake-marche.wixsite.com/2016

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晩秋の畑

今年の秋は長雨で仕事が1か月近く滞ってしまい、今までその遅れを取り戻すのに必死でした。稲刈り、えごまの収穫、ニンニク・たまねぎの植え付け、大根・人参・キャベツ類の全収穫など一通り終わって、ようやく一段落。
収穫した大根は葉っぱを切り落とし、凍らないように畑に穴を掘って埋めます。キャベツと白菜は家の中に積み上げ、毛布などを掛けて凍らないように保存。人参はビニール袋に入れ、ムロ(地下室)の中に保存します。
これからはこれらの保存した野菜と、まだ畑でがんばっている菜っ葉類をお届けします。野菜は霜に当たると、凍らないように糖度を上げて身を守ります。なので、冬の野菜は甘みが増すんです。味の変化をお楽しみください。
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白菜の収穫
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大根の収穫
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人参の収穫

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これから収穫できる秋の野菜

がんばっていた夏野菜、これから少しづつ秋の野菜と入れ替わってゆきます。

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まずはレタスや菜っ葉から。

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キャベツや
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ブロッコリーも順調に育っています。ブロッコリーは9月下旬からです。
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畑のあちこちに作った草の隠れ家には、たくさんのクモやカエルが住み着いています。彼らの活躍なしには、無農薬で、キャべ、ブロはつくれません。

20616859_10155834228015166_5242353320617425359_o (2)こちらはうちの愛猫、クロちゃんです。本名クローバー。
ロシアンブルーのような美人にゃんこでしょ。臆病者だけど人懐っこい性格。
彼女はわが家のネズミ番です。
最近、家に貯蔵してあるジャガイモがネズミに食われてるんだけど。。。。
しっかり働いてね!

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