トマトの話

もうひと月近く雨が降りません。降るところではとんでもなく降ってひどいことになっているのに、どうしたことでしょうか。先日ナスに水をかけました。300リットルのタンクで4回、川から運びました。このくらいでは「焼け石に水」という感じで
すが、それでもやらないよりはまし。ナスは水が大好きなので、今まで乾ききっていた分、ちょっとの水でも喜んでくれたようではありました。わが家だけのジンクスとして「かん水すると雨が降る」というのがあります。ちっとも雨が降らないので、しょうがないなとやっと重い腰をあげ畑に水をかけると、次の日あたりザーっと雨が降って、はいご苦労さんとなるはずなのですが、今回はどうもダメみたい。何とかひと雨ほしいものです。
一方、今年のトマトは元気いっぱいです。トマトは雨が大嫌い。雨にあたると病気になりやすく、実が割れたりもします。反対に乾燥するのはへっちゃら。もともとアンデス高地の乾燥地帯生まれです。今、一番下の房から赤くなり始めたところです。雨が少ないせいか実が小さめですが、その分味が濃いようです。
トマトは3月半ばにタネをまきます。2ヶ月弱ポットで育ててから、畑に植えつけ、支柱を立ててしばりつけます。トマトは本来、ずるずると地面をはいながら伸びてゆく植物なのですが、それではいろんな作業がしにくいので、縦に伸びてもらうのです。次に雨がかからないように、パイプとビニールで屋根をつけます。野菜の中でも手間のかかるもののひとつです。そして、すべての葉っぱのつけねから、次々とわき芽が出てくるので、摘みとります。放っておくとジャングルのようになり、手がつけられなくなります。一つ一つわき芽を摘んでいると手がまっ黄色になって、石鹸で洗ってもなかなか取れません。また、支柱にもこまめにしばりつけないと、地面に降りてはっていってしまいます。そうこうして初めてできたトマトを畑でつまみ食いするのは、毎年のことですがうれしいものです。トマトだけは一個たりとも無駄にしたくないと思ってしまいます。今年のトマトはどうでしょうか。