BGAリワークの練習中

ゲームボーイアドバンスではありません。
ちょっとBGAのICを動かすような用事ができたので練習をしております。
ただし、リワーク(rework:やり直し)と言ってもきちんと外して付け直すという訳ではなく、温めて半田が融けたかなぁというところでやめてくっつけ直したような気になる、という程度のリワークです。
やろうとしたのはこのビデオの内容なんですけど。
そのビデオの通り、電球でやってみました。
150-200Wの電球で、とビデオの人が言っていたので(3’20″あたりで言ってるように聞こえます)「180Wで200W」というのを買ってきました。

「省電力型」とあったのでちょっと心配でしたが、電気をつけたときの明るさもビデオより暗いようで、マズいかな、、と思いつつ同じような工程を踏んでみました。
基板はたっぷりある不要な基板を使いました。
完全に動かなくなったBGAのICの貼り付いている基板もあまり無いかと思いましたが、ありました。去年だか一昨年壊れたPixelaの外付けビデオエンコーダです。

ほとんどが足のあるICですが、1個だけBGAのパッケージがありました。FのマークとARMというロゴが入っていました。


段ボールに基板の型をとって穴を開け、アルミホイルで巻いて穴を開け、ちょうど熱電対付きのテスターがあったので、先っぽを電灯の当たるところに置いて電気を入れ、iPhoneで時間を測ってみました。

案の定、全く温度は上がらず、最大37℃くらいでした。件の動画、現時点で18万回再生されているようなので、数千人程度の人は直らなかったはずです。

というわけで、これまた手元にちょうどヒートガンがありましたのでそれを使うことにしました。
ぴったりなページがあったのですが、重要と思われるリンクは尽く切れておりまして、2004年とはかくも昔かとしみじみと思いました(確かにワタシも何回もブログのプログラムやら変えてました、、)。
とはいえ、もっとも重要な温度と時間がきちんと書かれていましたので問題ないといえば問題ないのですが。

ありがたいそのページによると、

温度プロファイル

乾燥

110℃ 120秒

プリヒート
フラックス活性化

165℃ 120秒

リフロー

ハンダ融点越え。220℃を越えないようにする
210℃ 60秒 (SDRAMチップ)
210℃ 110秒 (PXA250)

クールダウン

自然空冷
上記の秒数は温度上昇中の期間も含む。温度を移行する際もヒートガンはチップに温風を当てたまま動かさず、保持しているのと反対側の手で温度調整を行う
ストップウォッチを作業対象の近くに置き、時間経過を確認しつつ行う。視点移動が最小で済み、かつ熱風で融けない程度に近くに置く

ということのようです。
普段、ハンダ付けを360度とかでやっているということと、冒頭に書いたようにとりあえず半田が融けるか確認してみました。

無段階の温度調節のノブが付いた(安物の)ヒートガンを使いましたが、ノブを回していないのに温度が変わるのは当たり前といったところで常に調整しながら220度前後、2分程度を目安に当ててみました。


思いのほか見事に取れました。件のサイトではバキュームピックを使っていましたが、(適当に)ピンセットでエイ、とやったらぬぽっと取れました。
中央部がBGAのランド、その右が取り外したICです。
その下の四角と矢印は、そろそろやめようかと思ったときに吹き飛んだコンデンサとそのランドです。どのくらいの範囲に熱が行き渡っているか確認しようと周りのICなどを動かしたら、左隣のデカいICが外れました。また、ひっくり返したところ、外れた部品は無さそうでしたが半田球が2・3粒付いていました。

ということで、貴重な経験を得ることができました。寝なくてよかったです。

まとめ

  • 220度でも半田は融ける(データシートに書いてあるはずですが)
  • でもあまり長くやっていると背の高い部品は飛散する
  • 念のため、ターゲットの周りは何かで囲んだ方が良さそう

あと数回、練習して本番に挑もうと思います。