ほそかわ農園の食卓

川で泳ぐ

cimg2563.jpg○うちの息子が通う小学校の夏休みは7/27〜8/20までの25日間しかない。夏にゆっくり遊びに連れて行ってあげられないわが家にとっては、かわいそうだが短いほうがありがたい。せめて、近場でいいところは…と、車で約30分の北杜市白州町の尾白川(おじらがわ)という川へ、お弁当を持って泳ぎに行ってきました。夫は子供のころ、近くの川で魚を手づかみして取っていたらしいが、私と子供たちにとって川泳ぎは生まれて初めての体験だ。
○南アルプスを流れる尾白川上流は、澄みわたってまさにエメラルドグリーンの美しさ。普段はひっそりとした山の中の“秘境”なのだろうが、猛暑のお盆だけあって涼を求める観光客でいっぱい。少し上には大きな滝があって、高い岩の上から滝壷に飛び込んでいる若者たちもいた。気温は30度を超えるというのに、足をつけてみると水はかなり冷たい。まず、ゴツゴツした石や、つるつるした苔の生えた石の上を裸足で歩くことがすごく大変。足の裏は痛いし、足をとられて何度も転びそうになる。靴で守られてきた自分の足が、いかにひ弱かを思い知らされる。時々裸足で歩いて刺激を与え、足の裏からもいろんな情報を得ることが大事なんじゃないか…とふと思った。また川はプールと違って、流れの緩やかなところと早いところ、浅いところと深いところがあり、変化に富んでいるのも楽しい。わんぱくな4歳の娘はお父さんと一緒に深いところまで行き、ゴーグルをつけてお魚見たりして、いつまでも大はしゃぎ。一方、息子と私は少し気後れして、さっさと河辺で砂遊びしたり、大きな岩によじ登って体を暖めたりしてました。
○大阪で生まれ育った私にとって、山の中の川遊びはとても新鮮な体験でした。常に子供たちから目を離すことはできないが、彼らにとっても自然の楽しさと危険性を直に感じることができたことと思う。これからは時々裸足で土の上を歩いてみようかな。

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違いのわかる味覚

cimg2551.jpg○ヒトの味覚って、子供のころにほぼ決まってしまうのでしょうか。それとも、大人になっても日々のトレーニングで敏感になるのでしょうか。夫は収穫する時は必ず、畑で野菜を生でかじって味を確める。あまりおいしくない場合は、出荷を見合わせることもある。だけど私が同じようにかじってみても、味の微妙な違いがいまいちわからないことが多い。
○前回ご紹介した、わが家で野菜作りを勉強されている櫻子さんが今月も4日間お見えになった。今回はうちで泊まられたので、3食助手をしながらお料理を教えていただいた。全く同じ食材を使っているのに、いつもよりおいしい。子供たちも、ほとんどお肉なしの野菜料理なのに、「櫻子さんのお料理はみんなおいしい!」と言ってぱくぱく食べる。たしかに、どれも体の中からじんわり伝わるやさしい味。きっと年期のはいった手から出てくるパワーと愛情が、お料理に伝わるのでしょうね。前の日の残り物だって、ひと手間かけて新たな一品にされるところも心憎い。
○お料理の最後に味見して、「んーここに味噌を加えて味にコクを出しましょう」とか、「醤油をちょっと焦がして香りを出しましょう」とか、「ちょっと酢を入れるといいんじゃない」などと言って味をぴたっと決める。料理は大好きだけど、悲しいかな味音痴の私はその微妙な味加減がよくわからない。「毎日やってると、だんだんわかってくるわよ」とは言われましたが…。野菜はその時々によって味がみんな違うし、調味料もメーカーによって違う。料理本のとおりに作っても「ん?」って思うことがあるのは、そのせいなのかもしれない。それぞれの素材の良さを最大限に生かす、本だけではわからないことをいろいろと学ばせていただき、とても勉強になった4日間でした。

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庭でのランチタイム

なん○最近、休日のお昼は自宅の庭でランチタイムを楽しんでいる。休みごとに子供たちを遊びに連れて行くのは大変だし、息子は卵・乳製品のアレルギーがあり、外食したくても食べられるお店がほとんどないので思いついた。作るものは、バーベキュー、カレーとナン、焼きそば、ほうとうなど、1時間もかからずにできる簡単なものばかり。今まであまりご飯作りなど手伝わなかった子供たちだが、野外料理となるとがぜん張り切っている。火起こし、野菜を切るのや混ぜるのなど、「ぼくが先だよー」「あっちゃんもー」とけんかしながら手伝ってくれる。煮込んだほうとうに味噌を入れ、味見しながら「まだちょっと味が薄いなー」なんて言っている。またフライパンの上で、パンがぷっくりふくらんでゆく様子を見るのは、大人でもわくわくする。そして軒下に置いたテーブルを囲んで、草ぼうぼうの庭を眺めつつ、自分たちで作ったものをいただく。台所から少し移動するだけで何だかいつもより楽しく、おいしくなるから不思議だ。
○今、はやりの食育というのでしょうか。なるべく子供たちと畑に出て野菜の旬や育つ姿をじかに感じとってほしい。また、うちで採れた野菜がどのようにして食卓にのぼるのかも知ってほしいと願っている。人間食べることが基本ですものね。最近は畑仕事やお料理もよく手伝ってくれるようになった。うちの小2の息子は勉強や体育は苦手、お友達作るのも苦手で、親としては心配でついつい小言を言ってしまう。だけど、細かいことはうるさく言わず、そうやって生きてゆくための生活力をつけてくれればよいのかなー、のびのびと育てなければなぁーと自戒している。

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いつも心に太陽を

cimg2291.jpg今年は月に2〜3日、櫻子さんという女性がお手伝いに来て、野菜作りの勉強をされている。年齢は私の親の世代だと思うのだが、とにかく気持ちが若々しい。手も口もよく動き、農作業をしながら疑問に思ったことを次々質問される。常にいろんなことに興味を持って生き生きとされているので、一緒にいるとこちらまで楽しい気分になる。
 また彼女はマクロビオティック料理(玄米菜食)も本格的に学ばれたそうで、お料理上手。家にある野菜をざっと見て、瞬時にメニューを考え、手早くお料理されてゆく。私は助手をしながら、必死にノートに作り方を走り書きしてました。料理の合間には「冷え性の人はショウガや葛をたくさん使うと身体があったまるよ」とか「身体を冷やす夏野菜なんかは火を十分に通したり、味噌で和えたりするといいのよ」、など健康のアドバイスもいただく。それでいて、お魚や甘いものなどもおいしそうに食べられたりと厳格でないところもいい。
 私も彼女を見習わなければとつくづく思う。たよりには調子のいいことばかり書いていますが、子供のことや人づきあいなど様々なことでいらいらしたり、落ち込んだりの毎日。子供たちに当り散らしたりした日にゃー最悪の事態。「私は幸せ、感謝しています」と自分自身に暗示をかけて、いつも自分や家族をハッピーな状態にしたい。同じことでもいやいやするのと、楽しんでやるのとでは大違い、何でも前向きに取り組みたいと思う。

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毎日が楽しい修行!

cimg2342.jpg○私の農作業タイムは娘を保育園で預かってもらっている間の正味4時間くらいで、夢中で仕事をしているとあっという間にお迎えの時間になってしまう。出荷が始まるまでは、ひたすら種まきと苗植えの毎日だったが、これからは収穫・出荷作業や草取りの時間が増えてくる。畑の師匠はまったくムダのない動きで、何でも手際よく作業をこなしてゆき、我が夫ながら見ていて感心する。一方の私はといえば、苗をまっすぐ等間隔に植えることや、収穫したタマネギを束ねてひもで縛ることすらたどたどしく、情けないやら悔しいやら。早く一人前のお百姓になりたい!農作業のひとつひとつを師匠に教わりながら修行の毎日。それでも畑で作業している時は幸せで、日々大きくなってゆく苗をみているだけで元気になれる。実は農作業よりこのたよりを書くことのほうが難行苦行だったりして…。
○私たちがいつも心がけているのは、作る人も、食べる人も健康でいられ、そして環境にもできるだけ負担をかけない野菜・お米作りです。野菜は種をまいてから収穫するまで数ヶ月、その野菜を料理するのに数時間、けれども食べるのはほんの数十分…。何だかむなしくて料理に時間をかけるのはもったいないと思うことがある。でも、心を込めて作った野菜を心を込めて料理すれば、食べた物は確実に身体と心の栄養として蓄積されてゆくと信じて今日も台所に立っています。

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保存食作り

daikon○毎年11月末頃からお漬物作りが始まります。今年はキクイモの粕漬け、野沢菜漬け、たくあん、赤カブ漬けの4種類を作りました。夫の母に作り方を教わったり、本を見ながら作ります。自分の家で作った野菜を無駄にしたくなくて、つい作りすぎてしまうのが難点。お漬物は塩分を取りすぎるからと敬遠されがちですが、すぐれた醗酵食品で腸内細菌を整える働きもあります。ご飯とお味噌汁とお漬物さえあれば、栄養十分の立派な食事です。
○私は農家の生まれではないので、収穫した物を保存する目的でお漬物、ジャム、乾物、びん詰などにするということがとても新鮮でした。冬に保存食品がたくさんあると安心、うれしい。冬の間は家にある保存野菜を使い、お店ではできるだけ買わずに過ごしてみるつもりです。秋に収穫したこんにゃく芋を使ったこんにゃく作りや、納豆作りにも挑戦してみたい。野菜がふんだんにあっても料理に手間がかけられない夏場より、野菜の種類は限られていてもゆっくり料理を楽しめる冬の方が豊かな食卓になるのかもしれません。

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