ほそかわ農園の家庭菜園

今回はほそかわ農園の家庭菜園の話です。みなさんにお届けしていない作物のことです。試作というか試行錯誤中でうまくいけばお届けしたいと思っているものもありますし、ちょっと変わったものもあります。

  • コンニャク
  • 近くの人から手作りのコンニャクをいただいて、とってもおいしかったので作り始めた。
    市販のコンニャクがコンニャクイモの粉末から作られるのと違い、生芋をすりおろして作ると、ゼラチンのような柔らかな食感でくさみがまったくない。
    ただし、コンニャクを手作りするのはとても手間がかかって大変だし、芋も寒さに弱く、貯蔵が難しい。

  • イチゴ
  • 去年苗を植えて、今年初めていくらか食べることができた。お店に行けばイチゴは一年中ある。日本人はイチゴの消費量が世界一だそうだが、露地で畑に植えられているものはほとんどない。それもそのはずで、自然の状態でイチゴが食べられるのは春のほんの半月ほどの間だけということを初めて知った。わが家のイチゴは大きかったり、小さかったり、甘いものもあれば、酸っぱいのもあり、ふぞろいのイチゴたちという感じ。せめてジャムにするくらいとれないものかと、栽培方法を勉強中だ。

  • スイカ
  • 「ゆめまくら」というスイカを作っている。F1ではない。つまりタネをとってまた育てることができる品種だ。今年のは、去年作って食べたスイカのタネからできたものだ。何となく愛着がわくから不思議だ。今年のはとってもおいしかった。ただし、とり時が難しく、よくわからない。とってみたらまだ白っぽく若すぎたり、反対に熟しすぎていたりいろいろで、切ってみないとわからないので、誰かにあげるのもためらわれる状態だ。それにしても暑い年には、暑いときに食べたくなるものができがよい、というのはよくしたものだ。

  • ユウガオ
  • かんぴょうの原料である。自家製のかんぴょうを作ったりするものだが、まずは煮て食べるのがおいしい。トウガンに似ているが、つるっとした食感がトウガンよりすぐれていると思う。だしで煮てから葛でとろみをつけ、冷やして食べれば最高だ。

  • きのこ
  • なかなかうまくいかないのだが、今年も春先に昨年切っておいた木に植菌した。 シイタケ、ヒラタケ、ナメコ、エノキタケ、タモギタケ、そしてマイタケも少し栽培中だ。この木からキノコが出るのは来年の秋、うまくいったかどうかわかるのはずっと先だ。今、お店に売っているキノコは、シイタケ以外はほとんど施設の中でオガクズを使って栽培したものだ。一方、木に菌を植えて作る原木栽培はほとんど自然のままなので、やはり秋のごく短い間しかとれないのが欠点といえば欠点だ。 けれど、かさが5~6センチほどに育ったナメコの味は最高。また、初めてマイタケをとった時はずっしりと重いのに驚いた。

キノコはできればみなさんにもお届けしたいと思っているのですが、うまくゆくでしょうか。。

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秋の準備

今日も暑い1日でしたが、夕立が来て30℃くらいあった気温が一気に20℃近くまで下がった。8月に入るとどこかにかすかな秋のけはいを感じるのは私だけでしょうか。そういえば、朝、明るくなるのがずいぶんと遅くなりました。ここのところ、朝はキュウリやナスなどを収穫するのが日課です。今が最盛期、いちばんたくさん取れる時期です。涼しいうちにとった方がもちが良いので、なるべく日の出前にとりたいのですが、最近は4時半ではまだ薄暗く、仕事が始められなくなってしまった。こう書くといかにも早起きのようだが、実は寝る時間も早いです。それに、早起きはとても気持ちが良い。静かだし、空の雲と日の出の様子は毎日違う。今朝はキツネが走ってゆくのを見た。ふさふさしたしっぽがピンと真横にのびていました。
まだ暑いのでついうっかりして遅れがちですが、畑の方は秋の準備です。秋から冬にお届けする白菜のタネまきが今、8月始めです。遅くなってしまうと、山東菜のように広がったままで、結球してくれません。大根も秋の1回目をもうまかなくては…。コマツナ、カブ、ホウレンソウなども8月半ばくらいから何回もまいてゆきます。
今年の野菜はおおむねよくできていますが、ジャガイモは不作でした。皮もきめが悪く、でこぼこで小さいイモばかりです。それから、10~11月にお届けするはずだったブロッコリーは、苗作りが失敗し、まったくなくなってしまいました。残念。本当にすべてがうまくゆくという年もないですね。せめてこれからまく白菜やホウレンソウにはがんばってもらはなくては…。私もですね。ハイ。

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トマトの話

もうひと月近く雨が降りません。降るところではとんでもなく降ってひどいことになっているのに、どうしたことでしょうか。先日ナスに水をかけました。300リットルのタンクで4回、川から運びました。このくらいでは「焼け石に水」という感じで
すが、それでもやらないよりはまし。ナスは水が大好きなので、今まで乾ききっていた分、ちょっとの水でも喜んでくれたようではありました。わが家だけのジンクスとして「かん水すると雨が降る」というのがあります。ちっとも雨が降らないので、しょうがないなとやっと重い腰をあげ畑に水をかけると、次の日あたりザーっと雨が降って、はいご苦労さんとなるはずなのですが、今回はどうもダメみたい。何とかひと雨ほしいものです。
一方、今年のトマトは元気いっぱいです。トマトは雨が大嫌い。雨にあたると病気になりやすく、実が割れたりもします。反対に乾燥するのはへっちゃら。もともとアンデス高地の乾燥地帯生まれです。今、一番下の房から赤くなり始めたところです。雨が少ないせいか実が小さめですが、その分味が濃いようです。
トマトは3月半ばにタネをまきます。2ヶ月弱ポットで育ててから、畑に植えつけ、支柱を立ててしばりつけます。トマトは本来、ずるずると地面をはいながら伸びてゆく植物なのですが、それではいろんな作業がしにくいので、縦に伸びてもらうのです。次に雨がかからないように、パイプとビニールで屋根をつけます。野菜の中でも手間のかかるもののひとつです。そして、すべての葉っぱのつけねから、次々とわき芽が出てくるので、摘みとります。放っておくとジャングルのようになり、手がつけられなくなります。一つ一つわき芽を摘んでいると手がまっ黄色になって、石鹸で洗ってもなかなか取れません。また、支柱にもこまめにしばりつけないと、地面に降りてはっていってしまいます。そうこうして初めてできたトマトを畑でつまみ食いするのは、毎年のことですがうれしいものです。トマトだけは一個たりとも無駄にしたくないと思ってしまいます。今年のトマトはどうでしょうか。

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お百姓はお天気しだい

暑い日が続いています。標高1000mの土地に住んでいて暑いなどと言っては怒られそうですが、畑に日陰はないし、何かしら体を動かすことになるので、今週はほんとうによく汗が出ました。今、一年間で最も体重が減る時期です。毎年冬と夏では5~
6kg違うのですが、今年は特に減っているみたいです。私の体重もお天気次第といったところです。とにかく農業はダイエットに最適。好きなだけ食べても、飲んでもやせられます(ビールがうまい!)。
そうは言っても、ここでは暑すぎて作物が弱ってしまうようなことはありません。最高気温はどんなに暑くても30℃をちょっとこえるくらい。そして夜から明け方にかけて10度代まですーと下がります。今年植えた野菜もおおむね元気に育っているようです。作物はお天気次第なので、ついつい雨が多いとか、ちっとも降らないとか、暑い、寒いと文句を言いたくなるのですが、日本は気候に恵まれたところだと思います。どこの土地でも放っておけば、あっという間に草がボーボー生え、やがて木生
え、林になってしまう。こういうところの方が、世界ではまれなようですね。
近所のお百姓に道で会ったりすると、まずはお天気の話になるのですが、とくにお年よりなど、どんな気候のときでも落ち着いたものです。そうだな、お天気に文句を言ってもしょうがないと私も反省させられるのです。
今、野菜のトップをきってキュウリがたくさんとれています。今お届けしているのは「さつきみどり」というという品種です。8月ごろには「バテシラズ」というのに選手交代します(キュウリは2回まきます)。この「バテシラズ」もとってもおいしいキュウリです。キュウリ、ズッキーニのあとはインゲンが出てきます。「モロッコインゲン」という品種です。インゲンはいろいろ作りましたが、今のところこれが一番おいしいと思います。インゲンは4回に分けて順次まいてゆき、夏中食べられるようにしています。そのあとはナス、そしてトマトの登場です。ナスは「築陽」トマトは「麗夏」というのを作っています。インゲンやキュウリのように若い実を食べるものは、出始めが最もおいしく感じますが、トマトのように熟した実を食べるものは、とれ始めてしばらくしてから、次第に味がのっておいしくなってきます。どうぞご期待ください。

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野菜の健康管理

6月29日台風が去って、畑の水分がちょうど良くなったのをみはからって人参のタネをまきました。これは、10~12月にお届けするものです。同じく、秋から冬にかけてお届けするキャベツ類も6月中にはタネをまきます。いろんな野菜をお届けできるようにシーズンを通じて、常に何かのタネをまいているのですが、これからしばらくはタネまきも一段落です。かわって畑の管理作業が増えてきます。
まずは、除草―草取りです。「草さえ生えてこなければ畑なんていくらでも作れるのに…」と、つい思ってしまいますが、もちろんそんな都合の良い話はありません。それに、畑によって生えてくる草は違うのですが、自然農法などの考え方では、その土地を肥やすのに最も適した草が、生えるのだといいます。うちにも1か所スギナがびっしりと生えてくる畑があります。スギナはやせ地に生え、地中深くから様々なミネラルなどを吸い出して、地表を豊かにし、そして土が肥えてくると自然に少なくなってゆき、他の草にかわってゆくのだそうです。このスギナ畑をどうやってよい畑にしてゆくのかは、しばらく実験が続きそうです。ともあれ、この時期草の育つ早さは、毎年のこととは言え、驚くばかりです。放っておけば間違いなく、草が野菜に勝ってしまうので、少し手を貸してあげなくてはならないのです。
他には、追肥といいますが、野菜のすがたをよく見て、栄養状態が良くないようなら、肥料をあげます。この見きわめが、何度やってもむずかしいものです。肥料が多すぎて、太りすぎてしまうと、病気にかかりやすくなります。害虫にも好まれます。
わが家には「作物病害虫辞典」というぶ厚い本がありますが、野菜にも実にいろんな病気があります。反対に、肥料が少なすぎたり、あるいは土がやせていると、収穫が少ないですし、また、栄養失調状態になるとかかる病気もあります。
野菜が芽を出し、生長し、自立し、実をつけ、やがて老いてゆく…その一生を1シーズンのうちに見とどけるわけですが、管理がうまくゆけば、そして土がよければ寿命も長く、病気も少なく、美しく老いてゆきます。老境に達した時に違いがいちばんはっきりと出てしまうのです。人間もいっしょでしょうか。

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ことしも一年よろしくお願いいたします。

また、皆さんに何とか1回目の野菜をお届けすることができてほっとしています。今年も、安全でおいしい野菜を作ります。よろしくうちの畑におつきあい下さい。

畑には「はざかい期」というものがあります。作物がとれない時期のことです。冬は寒いので、もちろん何もとれないのですが、家の中のムロなどに大根、人参、ジャガイモ、キャベツ、白菜、長いも、カボチャなど、どっさり蓄えておいて少しづつ出してきては食べます。ところが、春になり、だんだん暖かくなるにつれ、貯蔵しておいた野菜は、傷んできます。だんだん味も落ちてきますし、いいかげん飽きてもきます。そして、最後には腐ってしまいます。一方、冬越しの葉物はとうが立って花が咲き、畑に一番の種はまいても、まだ大きくなっていないこの1ヶ月くらいが1年で最も野菜のない「はざかい期」です。この季節はちょうど山菜のとれる時期です。わが家でもフキノトウから始まって、ギョウジャニンニク、ウド、フキ、コーレ(ギボウシの若芽)、三つ葉、タラの芽、ミョウガタケ、コシアブラなどで何とか食いつなぎ、やっと6月に入ると、畑のものもできてくるというぐあいである。野菜セットも、最初はまだボツボツというかんじで、育ちの早い葉物類や間引き菜などが中心で種類も少ないです。じっくりとおつきあい下さい。

ほそかわ農園の野菜作りの一番大切な約束は、農薬、化学肥料を一切使わないということです。これだけはなんとか守って8年たちました。すると、不思議なことにというか、当然というべきか、野菜はだいたいにおいておいしくなってくれます。そして、自然と旬にしかできなくなるのです。例えば、真冬にビニールハウスで暖房をたきながら、無農薬でキュウリを作ることは不可能でないとしても、至難のわざです。一方、家庭菜園をされる方ならよくお分かりのことだと思いますが、キュウリに適した季節に育てれば、何もしなくてもスクスク育ってしまうのです。そして、もちろんこっちの方がおいしいに決まっています。ただ、旬といえぱ聞こえはよいのですが、それは欲しい物だけを選べない!同じものばかり続く!いちどにどっさりできてしまう!ということもあるわけですが…。

テレビなどを見ていると、「この野菜はこんな栄養があって体に良い。これを毎日1ケ食べましょう!」などと毎日毎日新しい知識を教えてくれます。けれど今なにを食べるべきかということは、季節と畑にきくのが一番ではないかと思うのです。

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今年もおせわになりました

百姓仕事は一段落して、農閑期となりつつあるのですが、なんとなく気ぜわしく感じます。ついこの間、春一番のタネまきをしたような気がするのですが、いつのまにか師走。月並みですが、あっという間というしかありません。子供の頃はそんなことはなかったのに、年をとってくるとどうしてこうも一年が早いのでしょうか。

作物を育てるための最も基本的なノウハウは、いつ(何月何日に)たねをまくかということです。タネまきは、ずれても3、4日くらいが限度で、一週間もずれると、もういけません。地方によってその時期は違ってくるので、最も参考になるのはずっとその土地で百姓をしている人、近くで畑仕事をしているおじいさんやおばあさんです。わが家の近所にもそれは上手に、美しく、小さな畑を作っているお年寄りが大勢います。とくになるべく多種類の野菜を、年間を通じて作ってゆくというほそかわ農園のやり方は、そんな昔ながらの自給自足的なお百姓さんのやり方ととっても似ているのです。そして、年間数十種類の作物を作っていると、毎年同じ時期にはほとんど同じ仕事をしています。タネをまけば、次は間引いたり、定植したり、そして草取り、草取り、草取り…。最後は収穫と、自動的にというか、作物に追われるように体を動かすという繰り返しです。より豊かな自然の恵みをいただくためには、自然の法則に従うしかないとは思うのですが。春の種まきから12月の野菜の貯蔵、漬物づくりまで、生活全体が、近所のお年寄に似てきた気がする今日このごろです。

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野菜の貯蔵

あちこちの家の庭先に、たくあん漬け用の大根が干してあるのが目につきます。我が家でも、ちょうど今干しているところです。1週間から10日干してから漬け込みます。夜は凍らないようにむしろをかけてやります。11月は平年よりずいぶん暖かかったですが、ようやく最近は朝方の気温がマイナス2、3度になってきました。大根などはこうなると、もう畑に置いておけません。先週全部とって、ムロ(土間にある地下室)にしまいました。次は人参、そして最後には白菜やキャベツもムロに貯蔵します。すでに収穫してあったジャガイモ、カボチャ、ヤマトイモなども順次ムロ入りです。なにせ我が家は築百数十年という古民家なので、土間に白菜などころがしておくと、春までコチコチに凍ったままなのです。それはそれで冷凍庫として利用できるのですが…。
野菜を貯蔵するのは手間がかかるし、葉物類などはどうしても傷んでくるのですが、いいこともあります。イモ類やカボチャなどはデンプンが次第に糖分に変わってゆきます。取ったばかりのものより、貯蔵しておいたもののほうが、甘くなるのです。春先の、芽がもじゃもじゃと伸びてシワシワのジャガイモは、甘すぎておかずには向かないくらいです。カボチャなどは2月くらいが貯蔵の限界で、次第に傷んでしまうのですが、その最後までうまく残ったカボチャが信じられないほど甘いです。

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雑穀

雑穀というのは、米、小麦以外の穀物、ヒエ、アワ、キビ、ソバ、ハトムギ、オオムギ、タカキビ、ゴマ、トンブリなどのことです。豆類まで含めて言うこともあります。ほそかわ農園でもかつてキビを作り、お正月にきび餅を作って野菜セットに入れてお届けしたこともありました。もち米にキビを3分の1混ぜて蒸かしてつくと、見た目もきれいな黄色い餅になります。とってもおいしかったのですが、だんだん野菜を食べてくださる方が増えるとともに餅つきが大変になり、やめてしまいました。トンブリも作ったことがあります。プチプチと不思議な食感のもので、よくできました
が、粒から食べられるようにするまでに、手間がかかります。また、ヒエを作ったこともあります。これは生後まもなくアトピーがひどかった息子に、正確には授乳中だった妻に食べさせるために作りました。半年間ほとんどヒエと野菜、海草、塩のみの食生活でした。ヒエご飯も思ったよりいけます。自然食品店から買う「ヒエ」があまりにも高価なので、それなら自分で作ってしまえ、と思ったワケです。しかし、どれが雑草でどれが作物か見分けがつかないし、数回の草取り、収穫となかなか楽ではありませんでした。(量は食べきれないほど取れました。)最近は雑穀がちょっとしたブームのようです。どれも作物自体はたいへん丈夫でやせ地でもよく育ってくれるのですが、収穫や調整など、作るのはけっこう手間がかかります。

さて、皆さんはエゴマというものをご存知でしょうか。当地では「アブラエ」と言い、東北や信州などの高冷地に適した雑穀の一種で、シソ科の作物です。最近では、このエゴマからしぼった油がα-リノレン酸を多く含み、健康に良いなどと、もてはやされているようですが、かなり古くから栽培されていた作物のようです。このあたりでは、他の雑穀を作っているのはほとんど見かけませんが、エゴマは今でも自家用に作っている人が多くいます。シソとそっくりな白い小さな花をつけ、その後小さな実をつけます。シソに似た独特の香りがあります。もちろん健康にもよいのでしょうが、エゴマのお餅とおはぎは特におすすめ。おはぎなんてあまり作らないでしょうか?でもとってもおいしいです。ぜひ作ってみてください。

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今年の小麦

小麦は秋、9月下旬~10月始めころにタネをまいて、翌年の6月下旬~7月初めに収穫します。その間はたいしてやることがないので、つくるのにわりと手間のかからない作物です。ただ、収穫の時期はちょうど梅雨で、しかも野菜の作業がピークなのでちよっとたいへんです。コンバインで刈ってゆくと、小麦の粒だけが脱穀され、大きな袋に詰められてゆきます。小麦は脱穀する時皮がとれてしまい、お米でいう玄米の状態になります。籾殻がないぶん、お米よりずっしりと重くなります。かついで運ぶのにあまりにも重いので量ってみると、何と40キロもありました。

今年は「東山31号」という小麦を作りました。これはうどんに適し、かつ寒冷地に適したものをということで、新しく作られた品種です。粉にして、うどんを打って食べてみると、確かにおいしい!モチモチしていて、かつコシのある食感がなんともいえません。パンを焼いてみても、去年のシラネコムギより膨らみ方がよく、グルテンも多いようです。

乾麺は昨年と同じ、栃木県の黒沢製麺所に作ってもらいました。昔は関東地方にはあちこちに小さな製麺所があったのですが、次々となくなってしまったようです。昔ながらの機械でゆっくりと粉を挽き、それを何度も圧縮して麺を作り、自然乾燥するという、手間ひまかけてじっくりと作ってくれる貴重な製麺所です。ふすまの部分も少し含まれているため、見た目は黒っぽいですが、小麦本来の甘みが出て、風味あるおいしいうどんに仕上がります。。

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