菜園たより

畑にみずやり

先日ハクサイの苗を植えた。雨が降ってちょうどよく畑がしめったので植えたの ですが、そのあとお天気が続き、すっかりしおれてしまい、なんだか枯れそうになっ てきたので、急いで水をかけました。
川の水を300リットル入りのタンクにくんで、 軽トラックで畑まで運び、エンジンポンプに50mのホースをつないで1株づつ水をか けてやるのです。それほど大変なわけでもないのですが、「ちょっと雨さえ降ってく れたら、こんなことしなくてもいいのに…」と思いながらやるせいでしょうか。なん だかとてもめんどうくさく感じる作業です。
とはいえそんなに都合よく雨が降ってく れるはずもないし、ハクサイが枯れてしまったら大変だ。春に種まきするものは、も し失敗して芽が出なかったりしてもすぐにまき直せば数日の遅れですみます。食べら れる期間が長くなるように、わざわざ種まきをずらしたものが追いついてしまい、同 時にできてしまうこともあるくらいです。
でもこれから秋冬にかけては、日も短くな り、寒くなってゆくばかり。作物の生長もゆっくりになってゆくので、種まきだけは 遅れないように気をつけなくてはいけません。まき直しということはできないので す。

9月にはいると前半は夏野菜が中心ですが、後半はだんだんに葉物類などの秋野菜 がでてきます。涼しくなってくると急に、菜っ葉や小カブが食べたくなってくるのが 不思議です。

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巨大きゅうり

夏の畑仕事といえば、いろんな実物の収穫です。キュウリ、ズッキーニ、ナス、 ピーマン、トマト、いんげん…。なるべく涼しい時に取ったほうがよいので、朝起き るとまず収穫だ。特にキュウリとズッキーニは毎日取らないと大きくなりすぎてしま う。なかに、ほんの少し小さくて、取ろうかどうしようかと迷うのがあります。次の 日になるともう大きすぎ。皆さんにお届けするキュウリも時々ちょっと大きなのが 入っていると思います。葉っぱの陰になっていたりして、うっかり見落としてしまう と、それは立派な姿になります。毎年必ずヘチマのようなのが発見されます。

雑草の伸びる早さにも、毎年のことですが驚かされます。今年はこのあたりでも できると聞いて、落花生を1列植えてみたのですが、草取りを後回しにしているうち に草におおわれてしまい、収穫は断念。草刈機で刈ってしまいました。ポップコーン も草だらけで収穫は無理みたい。長ネギも見事に草にやられてヒョロヒョロ…。でも これはあきらめるわけにはいかないので、今草取り中です。今年のネギはどうなるの でしょうか。農業は雑草との闘い。つい欲張ってあれこれ植えてしまうのですが、人 手不足(農作業はほとんど一人でやっている)で、あとで悲しい思いをするはめに なってしまいます。

まだまだ暑いですが、立秋を過ぎると空はもう秋のような雲が浮かんでいます。 夏ももう少しですね。

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ちょうちょはどこへ?

ブットレアという花をご存知でしょうか。 紫や白色の美しい房状の花が上向きに咲く低木ですが、別名“ちょうのマタタビ”とも言われます。 子供のころはまさにその名のとおり、あらゆるちょうが群がって飛び回り、みつを吸っていたむせ返るような光景をよく覚えています。 クジャクチョウ、ヒョウモンチョウ、アカタテハ、キタテハ、キベリタテハ、それからアゲハの仲間。 今も庭にはあのころと同じ場所にブットレアが咲いていますが、ちょうは一匹、また一匹と飛んでくるだけ。 めっきり少なくなりました。そしてまた、小学校への行きかえり、秋になると道ばたや土手に、 ガードレールにびっしりととまっていたトンボは…ほうきではたき落としたホタルは…めだかは…いったいどこへいってしまったのでしょうか?

様々な環境ホルモンや化学物質の影響でしょうか。それとも気候の変化のせいでしょうか。 私の子供のころというと、もはや30年近い昔の話となってしまいましたが、 それでも地球の歴史から見たら、ごくごく一瞬のはず。 こんな目に見えるような自然の変化があってよいはずはないと思うのですが。

暑い日が続いています。野菜をたくさん食べてどうぞ夏ばてされませんように。

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2002年7月 4号

梅雨の晴れ間が蒸し暑い毎日ですね。なんだか年々暑くなるみたい。やっぱり地球は温暖化しているのでしょうか。この時期、植物の生長してゆく早さには目をみはるばかりだ。 稲はもともと東南アジアからやってきただけあって暑いのが大好きです。 田んぼ一面にとがった葉っぱを広げて、わさわさと風になびいている。今年は豊作かな。

約一坪に1本づつ植えたカボチャは親づるから子づる、子づるから孫づるが出てと、たちまちのび放題。 今や畑中びっしりとおおいつくしてしまい、地面はまったく見えない。 ほんとうは子づる3本くらいを残して、余計なつるを切ってしまうほうがよいのだが、もはや手のつけようがない。 野菜はよいとして問題は草だ。仕事の優先順位の都合上、どうしても後回しになってしまい、 悪循環のみてみぬふり状態。これから梅雨があけると、しばらくはあっちもこっちも草取りばかりです。

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7月は野菜の変わり目

梅雨らしく雨が続くこのごろです。半袖でOKの日もあれば肌寒い日もあり、まさに季節の変わり目。 うちでは先日3日間ほどストーブをたきました。 畑のほうも今、春の野菜から夏の野菜へと変わってゆく時期です。

ほうれん草や小松菜などの葉物類は暑いのが苦手。暑くなるのにつれ、おいしくなくなる。 寒くなればなるほど甘みが増す野菜です。 レタスやサニーレタスも夏の野菜というイメージがありますが、やはり暑いのは苦手。 あっという間に大きくなりすぎてしまいます。 それから雨も大嫌いですぐに傷んでしまい、梅雨どきは大変です。 反対に暑いのが大好きなのがナスやピーマン、葉物ではモロヘイヤやつるむらさきなど。 暑ければ暑いほど元気になります。ですから梅雨寒の日が続くと、ちっとも大きくなりません。

農薬を使わずに野菜を育てるには、それぞれの作物が好きな時期に合わせてあげるのがなにより大切です。 というより時期はずれにはちゃんと育ってくれません。 身体も同様に、暑い日が続くとむしょうにキュウリやナスが食べたくなります。

そして半年ぶりにまちにまって食べる初物って本当においしい。

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へそかぼちゃの話

去年の冬、ある人からかぼちゃを1個もらいました。「へそかぼちゃ」という名前の、先端がでべそのようにもりあがった変な形をしたものでしたが、食べてみると上品な甘みがありとてもおいしい。 流しの三角コーナーからタネをひろって洗い、乾かしてしまっておき、今年の春播いてみました。今、畑には数十株の「へそかぼちゃ」の苗が元気に育っています。果たしておいしいかぼちゃがとれるでしょうか。

野菜作りは1年ごとの仕事で、収穫してしまえばおしまい。果樹や林業のように長い時間をかけて育て上げてゆくものではないと思っていました。 でもこうして1個のかぼちゃから自分で取ったタネが何十倍にもなって育ってゆくのを見ると、野菜も毎年実を結びタネになり、姿を変えながらもえんえんと続いてゆく命のつながりなのだなと、人間や樹木と同じなのだと思います。

他のかぼちゃと受粉しないように気をつけて上手にタネがとれれば、また来年もさ来年もおいしいかぼちゃがとれるはず。 こうしてタネとりをつづけていると、その土地の気候に適応してゆきます。そして農薬や化学肥料を使わずに育てていると、だんだんに丈夫な性質になっていくそうです。 ほんとうに不思議ですね。ほそかわ農園でもこれからさらに「タネの自給率」を上げてゆこうと思っています。 「へそかぼちゃ」は9月にはとれるはずなので、うまくいけば皆さんにも食べていただけると思います。お楽しみに。

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6月は大忙し

遅霜がおりる心配間のなくなるこの時期、お百姓さんは忙しい。 ほそかわ農園もかなり忙しい。苗を植え付けたり、種を播いたりする仕事が集中するのです。 今やっとトマト、かぼちゃ、きゅうりを植え終えて、今度はナスやピーマンにとりかかるところです。 それからモロコシ、枝豆、キャベツやレタスの種まき。こういう野菜は、なるべく長い間収穫できるよう、10日から半月ごとに何回も種まきします。 1日1日がとっても短い今日このごろです。 今年もこのたよりを通じて、畑の様子、作る人だからこそわかる野菜の話などをお伝えできたらよいなと思っています。

かたくなに“むのうやく”というルールを守って作物を育てていると、自然からいろんなことを教えられます。 播いた種が100%育って野菜になると期待してはいけないこと。 自然の恵みと同時に、害虫や災害も受け入れなくてはなりません。 あまり欲張って働いてはいけないこと(ぎっくり腰になる)。そして食べることの大切さ。 泥のついた野菜を洗い、ととのえ、料理していただく。この毎日のめんどうな(たのしい?)行為がとても大切だということです。

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