ほそかわ農園の食卓

めざせ! 自給自足

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瓜の粕漬けを仕込んでいるところ

私たちは野菜やお米を作って、それらを個人のお客さまに直接買っていただいています。それだけでも十分幸せなのですが、食卓の自給率が高いこともとても豊かな気持ちになります。
味噌、お醤油、みりんも自家製なので、ごはんと野菜料理、お味噌汁、お漬物の献立だと、かなり100%に近づきます。もちろんうちはベジタリアンではないので、お肉やお魚もいただくし、海藻類、豆腐類などもよく買っているので、平均すると80%くらいでしょうか。
また、夫は辛いもの大好きなので、ラー油やゆず胡椒、七味(正確には3味)唐辛子などの辛み調味料も試行錯誤で作っています。お漬物もたくあん、野沢菜漬け、うりの粕漬け、梅干などいろいろ作っていますが、失敗も多くて地元の年配の方たちの足元にもおよびません。あと、庭に生えているよもぎ、どくだみ、スギナなどで野草茶を作ったりもします。
楽しいだけじゃなくて、できるだけ自給しているから、収入が少なくても何とか生活できているのかな。これからも”衣”は難しいけど、”食住”できるだけ手作りしてゆきたいし、その技を子供たちにも伝えてゆきたいです。
自給自足してます・・・なんて偉そうなこと言っていますが、本当はまだまだ物欲も強くて困っているんです。それに手作りするためには、それぞれに道具が必要なわけで、その道具が高くついたり場所とったりして、買ったほうが安いかも・・・というときもありますけどね。(ひ)

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今年もおせわになりました

今年もいよいよ最後のお届けとなりました。今の時期つらいなぁと感じるのは、冬の凍った畑からほうれん草や小松菜をガリガリと収穫し、水で洗って、枯れた葉っぱをそうじして(1/3くらいは捨てちゃいます)、はかりで量って新聞紙でくるむ作業です。手がすごくかじかんで動かなくなるのですが、温暖化のせいか辛く感じる日も年々少なくなっています。そんな作業も今年もお仕舞いかと思うと、うれしいような、さびしいような・・・。

今年も無事野菜のお届けを終えることができて、心より皆さまに感謝しています。いたらないところも多々ありましたが、「おいしかったよ」という言葉にとても励まされた1年でした。来年に向けていろいろと改善してゆきたいです。

そうそう、給食甲子園全国大会に出場した富士見中学校ですが、「東京ガス賞」という特別賞をいただきました。味のバランスが優れているというのが受賞理由だそうで、先日、栄養士さん(とても元気でチャーミングな先生です)と、よっちゃばり(生産者)のメンバーで、ささやかなお祝いパーティーをしました。ちょっと幸せな気持ちになれた年の暮れです。 ()IMGP2163

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野菜の保存

たくあん用の大根と赤カブを干しているところ

たくあん用の大根と赤カブを干しているところ

夫が大収穫の話を書きましたが、ここのような高冷地では、これからはいかに野菜を凍らさせず、うまく貯蔵するかにとても神経を使います。あと、保存食としてたくわん、野沢菜などのお漬物、青トマトのピクルスを作ります。他に干し柿と干し芋はおやつ用の保存食。4月まで畑に何もなくても、貯蔵野菜とお漬物で野菜を買わずに暮らします。
 もちろん、スーパーでいくらでも安く野菜を買えるわけですが、昔の農家のような食事も楽しいし、何より作った野菜を無駄にしたくないからです。キャベツや白菜も新聞紙にくるんで凍らないよう保存しておくと、年を越しても十分おいしくいただけます。しわしわになった春先のジャガイモは信じられないほど甘くなっています。また、保存したサツマイモを使った焼き芋はねっとりとしていて、まるでスイートポテトのようです。冬の間は時間があるので、家にある野菜を使ってゆっくり料理を楽しむことができて、むしろ豊かな食卓になっているかも。
 このように寒い地方で暮らす人たちは、きっと冬に備えてたくさん貯めこんでおかなくては不安だったんでしょうね。たくさん漬けたお漬物が食べ切れなくて、結局捨ててしまうという話はよく聞くし、うちでも時々やってしまいます。あんまり欲張りすぎてもいけないですね。

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給食甲子園

IMGP2022先日、ちょっとうれしいことがあったんです。うちの息子が通っている富士見中学校が、「給食甲子園全国大会」に出場することになりました。給食甲子園というのは、地元の食材を使って学校給食のおいしさ、栄養価などを競う大会だそうで、2000以上の応募の中の12校に選ばれたんですって。すご~い。
 富士見町には、町の学校と保育園の給食に、お米や野菜などの地元の食材を提供している「よっちゃばり」という会があります。先日よっちゃばりの会員を招待してくださり、中学でその大会メニューをご馳走になってきました。メニューは、凍り豆腐入り五目ご飯、高原野菜の味噌汁、肉団子の古代米蒸し、エゴマ味噌の和え物、ヨーグルト寒のルバーブジャム添えです。このメニューの中の8つの食材が富士見産で、ルバーブは中学の生徒が育てたものなんです。ほそかわ農園のもち米とほうれん草も使っていただいてます。富士見の特産物であるエゴマ、古代米(紫米)、赤いルバーブが使われた給食、とてもおいしかったです。
 地元の食材を給食に使うのは、お店に注文するのとは違ってけっこう大変なんです。味はおいしいけれど、規格がそろわないなど使いづらかったりします。今回の快挙は栄養士さん、調理員さん、担当の農家のHさんが、お互い理解し合って努力されてきた賜物です。そんな思いのいっぱい詰まった、おいしい給食を毎日食べられる富士見の子供たちは幸せですね。全国大会は12月、優勝するといいな。

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慶二郎さんのこと

今回はうちで働いてくださっている酒井慶二郎さんのことです。
慶二郎さんは去年の春からほそかわ農園に来て一緒に農作業しています。彼は自閉症です。とても体力があって、どんな仕事も一生懸命がんばって働きます。いつも明るくて元気で、今ではすっかりうちの家族の一員です。
そして、絵を描くのがとても上手で、あちこちで個展を開催しています。花の絵、似顔絵、野菜の絵など・・・。どれも素敵ですが、私は特に野菜の絵が大好きです。彼には光の当たり具合による微妙な色の変化も、正確にとらえることができるんです。しかも下書きもせずに描けてしまうのが不思議です。ぜひ、慶二郎さんの素晴らしい絵に会いに行ってくださいね。
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 酒井慶二郎500人展
2013年11月20日(水)~24日(日)
会館時間:10時~6時(24日のみ5時)
場所:茅野市民館(市民ギャラリー)
※500人の似顔絵展すごい迫力だと思います


 酒井慶二郎第7回真澄個展
場所:諏訪市元町、真澄さんの松の間
10月25日(金)まで開催中です
※宮坂酒造さんの松の間もとても素敵です

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モコズキッチン

 わが家はテレビはほとんど見ないし、新聞も取っていません。テレビや新聞は本当に大切なことを隠している気がして、見る時間がもったいないと感じるからです。パソコンで必要なニュースをざっと見るだけで十分かな。ただ、子供たちには1日テレビ30分とゲーム20分くらいはいいことにしています。
中2の息子が今最も好きなのが、毎朝やっているZIPという番組の中のmoco’sキッチンというコーナー。速水もこみちさんが、あざやかな包丁さばきで美味しそうな料理をあっという間に作ってしまいます。息子はその格好良さにとりこになってしまったようです。ただ油たっぷりだし、うちにはない食材も多く使っているので、真似して作るのは難しいのですが。
彼が料理に興味を持ってくれたのを幸いに、「もこさん、お昼ごはん作ってよ!」とその気にさせて、いろんな料理にチャレンジしてもらうことにしました。先日は、ごはんを炊いて豚汁と野菜炒めを作ってくれました。危なっかしい手つきながら一生懸命作ってくれた料理は、どれも美味しくて、うれしくて幸せな気持ちになりました。
実は、娘よりも息子にちゃんと料理を覚えてもらいたいと切実に願っているのです。なぜなら、彼は乳製品のアレルギーがあるので、自分で料理できないと将来自立が困難だからです。だから、ほめて持ち上げてその気にさせなきゃいけないのに、「もっときれいに洗って」とか「冷蔵庫の戸が開いてる」とか、つい小言を言ってしまうんですよね・・・・反省反省。(ひ)Exif_JPEG_PICTURE

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おすすめ料理本 2

前回の続き、おすすめ料理本を紹介します。

④「野菜を信じるレシピ」船越康弘・船越かおり著 学研

船越さん夫妻のお料理教室には2回参加したことがあります。彼らは、お鍋に陰性の食べものから順に陽性のものを重ねて煮る「重ね煮」の調理法を提唱されています。重ね煮はお肉も出汁も使わなくても身体も心も喜ぶ、それはそれは美味しい料理なんです。この本のレシピは少し手間のかかるものが多いので、ちょっと上級向きかもしれません。あと、エッセイとして書かれている部分がとても興味深く説得力があります。常に野菜たちに感謝の気持ちを伝え続けながら料理し、いただいていれば、運命が変わる、どんな困難も乗り越えられると船越さんは繰り返し言われています。私もまさにその通りだと実感しています。

⑤「農家の台所」 Farmer’s KEIKO 著 主婦と生活社

専業農家でいろいろな野菜を作りながら、採れたての野菜を使った様々なレシピが紹介されています。さすがに野菜のことを知り尽くされているなぁーと感心します。農家ならではのレシピも多数あり、どれも簡単で美味しいものばかりです。動物性の素材も使われています。

⑥「からだの自然治癒力をひきだす食事と手当て」大森一慧著 サンマーク出版

わが家の家庭の医学書です。家族の具合が悪くなったとき、この本を開いて試しています。医食同源、身近な野菜や野草の癒す力のすごさを感じます。

日々のお料理は家族の健康を守ること。また、美味しい食事は何よりも幸せな時間です。畑仕事、料理から教わることはたくさんあります。料理も野菜作りもまだまだ半人前ではありますが、これからも心を込めて野菜を作りますので、皆さまのご健康と幸せな食卓のお手伝いができれば何よりうれしいです。(ひ)034

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おすすめ料理本

今回は私が家でよく見る野菜の料理本を紹介します。おたよりに載せるレシピもこれらの本から参考にすることが多いです。

①「料理の辞典」小林カツ代著 朝日新聞社

2448レシピも入っている、まさに料理の辞典。今はネットであらゆる料理が検索できますが、沢山ありすぎてどれがベストのレシピか迷ってしまいますよね。カツ代さんのレシピならまず間違いがないので、例えば「八宝菜ってどうやって作るんだっけ…」といったときには、ぱっと開いて参考にしています。分厚くて写真のない地味な本だけど、ぼろぼろになるくらい使い込んでいます。

②「野菜だけ?」「続野菜だけ?」大谷ゆみこ著 メタ・ブレーン

この本は家庭菜園をしている方や、野菜セットをとっている方のために作られた本です。例えば「大根が大量にあるんだけど料理がいつもワンパターンで…」などというとき、普通では思いつかないような意外な使い方がたくさん掲載されていて面白いです。「野菜だけ?」は野菜の種類ごと、「続~」のほうは料理方法別に書かれています。動物性のものは使っていないので、野菜そのものの美味しさをより引き出すことができる料理です。

③「いちばんかんたんな、野菜フリージングの本」浅倉ユキ著・河出書房新社

一度に野菜セットがどーんと来て、残ったのがだんだん傷んできて困る…という方にはとても重宝する本です。下ゆでせず、ただ切って冷凍庫に入れるだけの、とっても簡単な保存方法が紹介されています。冷凍野菜を使った料理もいたってシンプル。すべての野菜が冷凍保存向きというわけではありませんが、野菜をいつでも新鮮なまま、小出しに使えるのが便利です。この本も動物性のものは使っていません。

~まだまだ紹介したい本があるので、次回に続きます。(ひ)

ちょっとインテリっぽいナス君

ちょっとインテリっぽいナス君

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今年1年を振り返って

今年はウーファーさんに手伝っていただいて、こんなにたくさんの干し柿ができました。

忙しく日々の仕事に追われながら、あっという間の1年でした。わが家にとって今年一番の出来事は、以前ご紹介した慶二郎さんが私たちの仲間になってくれたことです。自閉症のハンディがある彼から、私たち家族はたくさんのことを教わりました。彼と一緒に作業しているうち、障がいがあるってどういうこと…?不幸なことなの…?などと考えるようになりました。

慶さんには苦手なこともいっぱいあるけど、絵の才能があってすごく体力もあるし、一緒にいるととても楽しいんです。実は私や息子、娘にも少し自閉症的な部分があり、できることとできないことのデコボコが大きく、あれこれ思い悩んできました。でも慶さんの充実した笑顔を見ていると、それも素敵なことなのかなって前向きに思えるようになりました。

その長男は今年中学に入学し、急に背が伸びて声変わりもして、母は戸惑いつつも心身共に成長しているのを頼もしく感じています。先日私が出かけている間に、一人でお昼にカレーとナンを作りました。ナンの生地は私が仕込んでおいたものですが、1枚1枚伸ばして、フライパンで丁寧に焼いてくれました。野菜のたくさん入ったカレーもとてもおいしかったです。彼は勉強もスポーツも苦手ですが、お手伝いはよくやってくれます。うちの子供たちも、慶二郎さんのように、これから得意なところをどんどん伸ばしていってほしいです。

最後に、世界中の原発と戦争がなくなりますように…その願いを自分自身がいつも忘れずにいるために、小さな行動を続けたいです。(ひ)

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甘くておいしい冬の野菜

寒くなってくると畑が凍るので、今まで出荷できていた野菜が、寒さに弱いものからひとつひとつ姿を消してきます。もちろん貯蔵できる根菜類などは、収穫して室などに貯蔵しておきます。その代わり、野菜の多くは寒くなるほど甘みが増してくるので、これからの時期は野菜のおいしさを十分堪能していただけると思います。

実は、昔はねぎはあまり好きではありませんでした。関西の人間なので白ねぎはあまり馴染みがなかったし、薬味としてうどんなどに入っているのも、どうしてわざわざこんな辛いものが入っているのだろうと思っていました。でもうちのねぎを食べるようになって、白い部分のとろっとした甘さにびっくり。霜に当たらないと甘くならないことも、初めて知りました。

いつの間にか薬味として使うのも好きになって、風邪っぽいな…と感じた時は、お味噌汁に刻んだねぎをたっぷりかけていただきます。今では冬の間は食卓にねぎを欠かしたことがありません。というのも、年を越すと家に大根、ねぎ、ジャガイモなどしか野菜のストックがなくなってくるので、少ない素材を工夫しつつ、あの手この手でおいしくいただいています。ちなみに息子はねぎ好きですが、娘はかつての私同様、ねぎが苦手です。あの匂いがダメみたいですが、いつかこのおいしさに目覚めてくれるといいな。(ひ)

♪かんたん野菜料理♪

★ねぎの卵

ねぎの卵焼き

焼き…卵料理を紹介するのは初めてかも。

ネギは小口切りにする。ボウルに味噌大さじ1とみりん大さじ1を加えてよく混ぜ合わせる。ここにねぎと卵3個を割り入れ、よくかき混ぜる。フライパンに油をしいて両面を焼く。大根おろしを添えていただく。

★大根とねぎ丼…忙しいときでもすぐ作れます。

大根は千切り、ねぎは斜め切りにする。鍋に油少々しき、ねぎ、大根、ひき肉を炒める。だし汁をひたひたになるくらい注ぎ、細切りした油揚げも加える。醤油とみりんで味付けし、5分ほど煮る。水溶き片栗粉でとろみをつける。温かいご飯にかけていただく。

★ねぎ焼き…ねぎの白いところを5cmくらいに切る。グリルやオーブントースターなどで焦げ目がつくまで焼く。甘味噌(味噌、みりん、砂糖を混ぜ合わせる)をつけたり、からし醤油などでいただく。

★ねぎの酢味噌あえ…ねぎは3cmくらいに切って、さっとゆでる。わかめはもどして、3cmくらいに切る。酢味噌(味噌と酢、みりん、砂糖を混ぜ合わせる)であえる。

★肉味噌…ねぎ、ニンニクはみじん切りにする。鍋にごま油をいれ、ニンニクとねぎを入れて炒める。ねぎがしんなりしてきたらひき肉を加え炒める。肉の色が変わったら、調味料(味噌、みりん、醤油、好みで豆板醤を混ぜ合わせる)を加えて全体がこってりするまで炒める。レタスに巻いたり、ご飯にのせたりしていただく。

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