冬の仕事

ここでは冬という季節がとてもはっきりしている。雪の量はそれほど多くないが、田畑の土は凍りつき、くわはもちろんトラクターでもおこす事はできない。 春になるまで畑仕事はおやすみだ。
 冬は冬の仕事をする。山から丸太を運び出し、チェンソーで切り、斧でわり、薪小屋に運び込む。家のあちこちに手を入れたり、小屋をつくったりの大工仕事も農閑期の冬しかできない。 そしてコタツで次の春からの計画を考える。種を注文し、3月からまた種まきが始まる。夏よりは、本もよめる。
 農業にかぎらず、自然から糧を得る仕事は、自然に寄り添い、自然のサイクルにしたがって生活してゆくしかない。その生活は、いかんともしがたく不便で、限りなくめんどくさい。 雨やら風やらの災いは、人の力では防ぎようもない。けれど理屈ぬきの喜びを与えてくれる。小さな種が芽を出し、育っていくのを見るのは楽しい。小さな虫や小鳥に出会うことは楽しい。 くそ暑い日も、チョー寒い日も外で体を動かすことは楽しい(ほんと?)
 もっとシンプルに、より豊な生活ができたらと思うこのごろです。 

写真:田んぼにも雪が降った。