昔の作業服

この素敵な衣装は、うちのお蔵の中から出てきた作業着です。写真では見えにくいですが、上衣は細かい柄の粋な藍染です。膝丈くらいの長さで、袖はじゃまにならないように手首のほうはしまっています。ズボンは「たつけ」と呼ぶらしいのですが、モンペというより袴に近い感じ。布を何枚もはぎ合わせて立体的にできていて、しゃがんでも窮屈じゃなく、とても動きやすい。昔の着物って”長方形の布を直線的に縫ったもの”というイメージだったのですが、野良着に関して言えばとても機能的にできているのがわかってびっくりです。 そして、そのたつけには何箇所も丁寧に継ぎ当てがしてあります。それをながめていると、とても美しく、食料だけでなく衣服も自給していた昔の暮らしがしのばれます。糸をつむぎ手織りした貴重な布を、繕いながら大切に着ていた頃と、安い服を使い捨てのように着ている現代と、どっちが豊かな暮らしなんでしょうか…。 また涼しくなったら、このスタイルで畑に出ようかな。着るのがもったいない気もするし、着ないでしまわれたままじゃもっともったいない気もします。ただ、忍者みたいでけっこう目立っちゃうので、着るのに勇気が少し必要です。(ひ)

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