自家採取

cimg3225.jpgほそかわ農園では、現在、穀物や豆類は自分で採った種を播いています。野菜の種も自家採取したいと思っているのですが、まだできていません。
米や麦や豆は収穫物自体が、完熟した種子なので、収穫した中から必要なだけ取り出して種まきすればいいのです。簡単です。
一方、野菜のほうは、普通、種子が完熟する前に食べてしまうので、種を採るのは少し面倒くさいのです。たとえば、ニンジンの種を採るには、秋、収穫したニンジンを全部食べずに残しておく。この辺は冬の寒さが厳しいので、凍らないよう土に埋めておく。春、掘り出したニンジンを再び畑の隅に植える。すると、ちょん切った葉のつけねから再び芽を出し、固い茎をのばし、花を咲かせます。レースのような白い可憐な花です。さらに黒く完熟するまで待ち、種を採るのです。
キュウリやトマトなどの実のなるものは、そのまま十分熟すまで待てばよいのですが、同じ仲間のものは、交雑してしまうので注意が必要です。
 種を自分で採ると何かいいことがあるのでしょうか。いろいろあるんです。
自給という意味もあります。種はみんなの共有財産ですし、みんなで少しずつ持っていれば、安全です。ひと昔前の農家は、ごく普通に種採りをしていたようです。
 それから、種を採り続けると、野菜がだんだんその土地の気候に適したものになってゆくそうです。作りやすく、丈夫になってくれるのです。また、栽培方法にも適応してくれます。少ない肥料で育てていれば、それでも元気に育つようになるし、無農薬で育てれば、薬なしでも平気な体質になるのです。すごいですよね。
どのくらい続ければ、ほそかわ農園のオリジナル野菜ができるのかわかりませんが、3年、3世代たつとだいぶ変わるんだよと聞きました。
また、野菜の一生をじっくり見ることになるので、今よりもう少し野菜作りが上手になるのではと思うのです。来年こそ挑戦です。