2011年11月

福島へ野菜を

たくあん用に干した大根

前にも少し書きましたが、以前から福島のほうへ野菜を送りたいと考えていたところ、そういう組織があることを知り、9月から畑で余った野菜を届けています。このボランティアを主催されている方は教会の牧師さんで、野菜を集めたり、カンパを募集したり、受け入れ先に連絡したりされています。毎回彼に届け先を聞いて、その時にある野菜を箱詰めし、福島県内の教会や保育園などに送ります。そこから給食に出したり、お母さん方や仮設住宅の方に手渡されたりしているそうです。送料は寄付金でまかなわれているので、今までにうちから40箱以上送ることができました。

先日、その野菜を送った保育園から丁寧なお手紙をいただきました。子供たちの健康のことを考えると、とても不安な気持ちで毎日を過ごされていること。以前は園の関係者の畑でとれた、無農薬のおいしい野菜で給食を作っていたが、事故のあとは県外産のものを購入されていることなどが綴られていました。手紙の中に折り紙がいくつも入っていて、それを開けるとかわいい字で「みずながおいしかったです。いまおすもうにはまっています」といった園児たちのメッセージが書かれていました。給食を食べている園児たちの写真も入っていて、じんわり涙が出てきました。

原発を遠くの地方に押し付けて、今も快適に暮らしている自分も加害者かもしれない。危険を冒してまで手に入れなければいけない便利な暮らしって、いったい何なのでしょうか。どうか福島のすべての子供たちが、元気ですくすくと大きくなってください・・・と心から祈っています。(ひ)

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お米のはなし

   田んぼの向こうは八ヶ岳

田んぼの話になると、いつも、トンボやカエルの話ばかりしている気がします。いろんな生き物を観察するのはとっても楽しいのですが、たまには、お米自体のはなしを。

八ヶ岳のふもとに広がる我が富士見町の田んぼ。見渡すと、田んぼがずうっと八ヶ岳の裾野を登ってゆく。一番上は標高1300メートル以上か。

長野県の中でも高冷地といわれるこのあたりは、稲作りにも、いろんな苦労がある。今でも、冷害の年の被害は大きい。じいちゃんや、ばあちゃんたちは、本当に苦労して、工夫して、米を作ってきたはずだ。

保温折衷苗代がはじめて使われたのも、たしか隣の原村だったはず。

 そんな高冷地の米、昔は美味しくなかったと、よく母が言う。うちで作った米と、買った米と、家族の食いっぷりが、ぜんぜん違ったそうな。最近のお米は美味しくなったね、ともよく言う。うまいとかまずいとか、ぜいたくな話ですが、たしかに、味の違いはある。美味しくなったのは品種のおかげかもしれません。

ほそかわ農園では、ここ数年、ひとめぼれ、あきたこまち、ゆめしなのと毎年違う品種を作ってきました。多くの品種がそうですが、この3品種も、みんなコシヒカリの子供にあたり、いわば兄弟です。どのお米も美味しいです。ひとめぼれは、ここでは、晩生すぎ。

やはり、適した品種を無理なく作り、のびのび育ってもらったほうが美味しい米が出来るようだ。ゆめしなのは、ブランド米ではありませんが、あきたこまちより粘りがあり、わらを分解して土に返す全体のサイクルからみても、ここに適している気がします。しばらくゆめしなのを作ってみようかと思っています。

ぜひ一度、食べてみてください。(か)

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サラダ大好き

この秋はサラダ用の野菜をいろいろと作ってみました。昨年ルッコラ(ロケット)を作って食べたのが衝撃的で、サラダが大好きになってしまったのです。今菜っ葉の畑はグリーンと紫の美しいじゅうたんのようです。近くで見ても、細かい模様がとても素敵で、いつまでも見飽きない。まずはレタス、そしてゴマの風味のするルッコラ、レース状の切れ込みが美しい緑のカラシナと赤いカラシナ。赤いラディッシュもかわいくて、サラダの大切なアクセントになってくれます。 そんな野菜たちを見ているだけで、自然と心が和んで幸せな気分になれる。野菜は癒しの効果があるのかも。

今、わが家では毎日サラダが食卓に上ります。サラダは夏のイメージがありますが、葉物は暑さに弱く、やっぱり寒くなってからの方が断然おいしいです。生野菜は体を冷やすからいけないとか、ローフードなんて生のほうが酵素が壊されないから体にいいとか言いますけど、本当のところはどうなのでしょう。 私はただ美味しいから、ついたくさん食べてしまいます。

レストランのシェフは、ほんの少しずつ絵画のように美しく盛り付けしますよね。我が家は見た目より量、お皿の上が菜っ葉畑になったような、てんこ盛りのサラダです。大人はいろんな味のハーモニーを楽しめますが、子供たちはピリッとするルッコラやカラシナなどは苦手で、もっぱらレタスばかり食べています。(ひ)

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11月の田んぼと畑のようす

畑のようす

 暖かい日が続いています。今、秋野菜の最盛期で、畑はにぎやかです。この時期、暖かさが続くと、とってもうれしい。いろんな野菜を長くお届けできるから。今のうちにと欲張って、野菜セットも、つい盛りだくさんになりがちです。

でも来週あたりから寒くなりそう。もうすぐ立冬ですもんね。寒くなってゆくと、野菜の種類が減ってゆく。ブロッコリー、春菊、かぶ、など寒さに弱いものからなくなってしまう。そのぶん、小松菜や、ホウレンソウなどは、これから美味しくなります。

 畑では、これから、大根、人参、ネギを取らなくてはならない。野菜を囲うって言ってますが、通常の収穫と違い、凍ってしまわないように、全部畑から取ってしまい、土に埋めたり、ビニールハウスに伏せこんだりするのです。

12月はじめ頃、野沢菜を漬け込むまで、しばらく冬支度が続きます。

野菜セットは12月下旬までお届けしますのでよろしくお願いします。

 田んぼのようす

 田んぼのほうは、作業というのはもうほとんどありません。秋起こしがすんだら、あとは静かに来年の春を待つだけ。ひとつだけ・・・クログワイという草があります。他の雑草は、いろいろな努力により、減る方向にあるのですが、この草だけはうちの田んぼの一部で、ふえているのです。そこだけもう少し寒くなって、土が凍り始めた頃、もう一度トラクターで耕したい。球根を寒さに当ててやっつけるのだ。

 あとは冬の仕事ですが、土壌検査。土さえ採取しておけば、検査は冬行えばよい。昨年入手した土壌検査の道具だが、いまいち活用方法をマスターしていないので、みんなで講習会を行う予定です。

 それから、除草用の機械の改良をしたい。自作の除草機を、もらった古い田植え機に取り付ける。口で説明してもちょっとわかりにくいと思いますが、自分で作った道具が、すんごく役に立ってくれたりするのが、農業の面白いところ。まあスモールイズビューティフルというか規模にもよると思いますが。でも、かなりの大規模でも、いろんな技と工夫でオーガニックな農業を実現している人は多いのです。

そもそも、田んぼそのものが、とてもすぐれた、環境にやさしいシステムなのだと思います。日本の田んぼ、大切にしたいです。(か)

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ほそかわ農園の家族

研修生、ウーファーさん、みんな大切なうちの家族です

研修生、ウーファーさん、みんな大切なうちの家族です

畑仕事をすること以外にも、農業をやっていて良かったなと思うことがあります。それはいろんな人との出会いがあり、どんどんつながりが広がってゆくことです。私たちは人づきあいが苦手なので、自分からなかなか人の輪に入れないのですが、不思議といろんな人が向こうから来てくださるのです。有機農業は人を呼ぶ“打ち出の小槌”みたいなかんじです。

毎日通ってきてくれる研修生のTさんは、最初いろいろ迷いがあったみたいですが、今では一つ一つ農作業を覚えてとても頑張っています。彼が将来新規就農できるよう、できる限り応援してゆきたいです。また、ウーフ(宿泊と食事を交換に労働力を提供してもらうシステム)で手伝いに来てくれる国内外のウーファーさんたちも、頼もしい助っ人です。今年は海外から台湾の女性とアメリカの男性が来てくれました。台湾のエミリさん(ニックネーム)は、おしゃれでとても気がきく、日本が大好きな25歳のお姉さん。アメリカのカイヨーさんは18歳で、小さい頃日本に住んでいたため、日本語ぺらぺら和食が大好き。スポーツマンで礼儀正しい好青年です。国内のウーファーさんも皆、いろんなことにチャレンジしている素敵な人ばかりで、私たちも子供たちも大いに刺激を受けました。

そして、私たちの一番の支えになっているのが、野菜をお届けしている皆さんです。直接配達にうかがう方や、作業の日などに来てくださる方はまさに「顔の見える関係」。お会いしたことのない方も、メールや通信欄で「子供が野菜好きになりました。」とか「たよりを楽しみにしています。」とか書いてくださると、それだけで苦労が報われたというか、流通に出荷しているだけでは決して味わえない幸せです。もちろん要望・改善点等も、ほそかわ農園を良くしてゆくためとても大切ですので、これからもいろんなご意見をお寄せください。(ひ)

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10月下旬の畑のようす

畑のようす

うちは大豆の収穫したよ、と言われて、そういえばと大豆畑に行くと、すっかり枯れてちょうど取り時だ。いや、よく見るとすでにはじけている莢もある。大豆は、取り遅れると、カリカリになった莢が、ぱちんとはじけてねじれ、実をばらまいてしまう。あの莢は、種を遠くに飛ばすためのものでもあるんですね。

急きょ、大豆の収穫をすることにした。軽トラックの荷台にコンパネを立てて、刈った大豆の枝をどんどん積んでゆく。3~4畝くらいの面積なので、まあ、そんなに大した仕事ではないんです。軽トラがいっぱいになったら、ビニールハウスに運んで干す。畑でそのまま干してもいいのだが、うちは、稲の育苗に使うハウスが空いているので、いろいろ干すのに使っている。多種類の作物を作っていると、米、麦、豆類、玉ネギ、ニンニク、ゴマとか、一年中、実にいろいろ干すものがあるんですよ。

とりあえずハウスに持ち込んだら今日は終了。後は、よく乾いたら、足踏み脱穀機か棒でたたいて脱穀、手回しの唐箕で選別と、大豆に関しては、うちでは、ぜんぜん機械化されてないので、えんえん手作業が続く。面倒くさいと思うが、でも大豆作りはやめられない。

こうして収穫した大豆は、味噌と、自家用の醤油になる。たまに豆腐を作る。納豆はなかなかうまくいかないが・・・。

5畝~1反の田んぼ、2~3畝の大豆、同じくらいの野菜畑があれば、一家族が生きてゆける。それに自給分程度の大豆を作るのはぜんぜん難しくないんです。それにしても、日本の大豆の自給率は低すぎるな。大豆ってほんと日本人の食事の基本なのに。皆さんもどうですか、大豆作り。

畑では、秋野菜が最盛期をむかえています。ブロッコリー、キャベツ、小松菜、水菜、チンゲンサイ、山東菜など、アブラナ科の野菜をあれこれ届けします。今年初めて作ったものもあります。また、ご感想を聞かせてください。(か)

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