2009年12月

今年もお世話になりました

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今年一年振り返ってみて、まず夏の天候不順のため、野菜のできがいまいちで、皆様にはご迷惑をおかけしました。やっぱり夏はうんと暑くて、冬は寒さに耐えなければ、野菜も人間も丈夫に育たないのかもしれないですね。
あと、今年は冬の間に夫と二階の部屋づくりをしました。もともと2階はお蚕さまを飼っていた部屋だったので、お化け屋敷のように暗くてすすだらけ。真っ黒な柱や梁を何度も何度も雑巾で磨いたり、きれいにそうじするまでが本当に大変でした。それからは、断熱材入れて、板を張って、窓をつけて、戸をつけて・・・と楽しい作業。子供たちと一緒に、壁に漆喰を塗ったのが一番楽しかった(写真)。多少のデコボコだって味がある。左官屋さんになるのも良かったかな、なんて一瞬思いました。
そして、完成した部屋は、夏にWOOF(ウーフ)のお手伝いの方に寝泊りしていただきました。仕事はもちろんのこと、それ以上にいろんな出会いがあって得るものが大きかったです。香港の青年が来られて、ほとんど英語が通じなかったため、来年に向けて夫と農作業しながら英会話のテープを聴いています。学生のころ10年近く英語を勉強したのはいったいなんだったのだろう・・・。
そして来年の希望は、自家製の雑穀を使った料理をいろいろ作ってみたい、あと英語もちょっぴり話せるようになりたい。とにかく来年も元気で畑仕事して、おいしい野菜作って、皆様に喜んでいただきたいです。
最後まで他愛のないことばかり書いてしまいましたが、皆様には本当にお世話になりました。どうぞ皆様お体にお気をつけて、よいお年をお迎え下さい。(ひ)

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2010年に向けて

cimg4094.jpg今年ももう残りわずか。毎年の事ながら、この時期になると一年があっという間に過ぎてしまった気がするのはどうしてでしょうか。
しばらく暖かい陽気が続きましたが、いよいよぐっと冷え込んできました。
まだ、畑にあるのは、ほうれん草と小松菜くらい。収穫は、一日のうちで一番暖かい、午後1〜2時ころにします。それでも、しだいに土が凍り付いてくると、しまいには、とがった包丁の先で、土からえぐりだすようにして取ります。
寒さのせいでぐったりとして見てくれは悪いのですが、味は今が最高です。
けれど、これも年内が精一杯で、1月には、畑はすっかり凍りついてしまいます。
畑も、人も、しばらくお休みです。

さて、来年も、やりたいこといろいろあります。
種の自家採取もやってみたい。ミツバチを飼ってみたい。
そして、今まで以上に、よりおいしい野菜をお届けしたいです。野菜とはいえ、畑に生えているときは、自立した一個の生き物です。野菜においしくなってもらうには、元気一杯に育つ環境を作ってあげるしかないのです。畑や田に、自然の仕組みを小さく再現するのが目標です。と、えらそうなことを言っていますが、なかなか難しく、いまだにうまくいかない畑もあります。当分、試行錯誤が続きそうです。

それから、うちは、野菜セットでのお届けですので、定番の野菜をきっちりと作るのが大切とは思うのですが、最近、ややワンパターン気味な気もします。新しいものや、めずらしいもの、「おしゃれ?」な野菜にも挑戦してみたいです。
おしゃれといえば、田んぼや畑という職場は、まったく人目を気にしなくて良い職場なので、年々身なりに構わなくなる一方です。ばっちい衣服がまったく気になりません。これは、とくにみなさんにご迷惑をかけるものではないかもしれませんが、少し気をつけたいです。(か)

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小さな生き物

cimg4069.jpg田や畑で仕事をしていて、いろんな小さな生き物に出会うのは楽しい。
畑に、しばらく置いておいたわらを持ち上げたら、サワガニが一匹出てきたことがあった。一番近い川からも何百メートルか離れている畑なのだが、どこから来たんでしょうか。お腹には卵を抱えていた。
田んぼの水面からじっとのぞきこむと、水草の間を小さな生き物がうごめいていて、アクアリウムのようだ。ミズカマキリがオタマジャクシを襲って体液を吸っていたりする。じっと見ていると思わず引き込まれる。  
考えてみると、有機農家ほど、昆虫をはじめ小さな生き物のお世話になっている仕事はないかもしれない。例えば、野菜にアブラムシがついたとき、ヨトウムシが大発生したとき(それは肥料のやりすぎとか、たいてい何かバランスがくずれたサインなのだが)そんなときは、結局、天敵昆虫の力を借りてバランスを取り戻すしかしようがないのだ。そして、最近、農家にとってだけでなく、すべての人にとって、普段、気にとめていないような小さな生き物の大切さが明らかになってきた。
世界中でミツバチが突然大量に失踪した事件は記憶に新しい。その結果、思いもよらないほど広い範囲で影響があった。イチゴやリンゴをはじめ、じつにいろんな作物が、花を受粉させ、実を結ぶのにミツバチのお世話になっていたのだ。花の受粉をしてくれるのは、ミツバチだけではない。夏の早朝、キュウリや、インゲンンの収穫をしていると、大きなクマバチが実に忙しそうに飛び回っている。小さな花アブもよく見かける。ミツバチは人が飼育しているから、大量失踪がわかったのだが、これら野生の小さな昆虫がいろんなストレスでどれだけ数を減らしているか、誰にも確かなことは、わからない。
私の周りでも、昆虫や、魚類など小さな生き物が、明らかに数を減らしている。庭のブットレアに集まるすべてのチョウ、明かりにくるすべてのガが、年々減っている。いろんな種類のチョウが群がる、むせ返るような様子は最近まったく見ることはできない。
みんなで、何とかもう少しなかよくしてゆく方法を探してゆきたいものです。(か)

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野沢菜とたくあん作り

cimg4111.jpgcimg0709.jpg長野に来て驚いたことのひとつが、おやつの時間にたくさんのお漬物が並び、お茶が少しでも減ると、すかさず注ぎ足してくれることだ。そうして知らず知らずのうちに、私もお漬物大好きとなり、毎年欠かさず漬けるようになった。先日も、野沢菜とたくあんを漬けた。今まで他にもいろいろな漬物を試したことがあったが、カビさせたりすると大量に捨てるのが情けなく、困るので、最近は失敗の少ないこの2種類に落ち着いている。
 まず、野沢菜。信州のお漬物といえば野沢菜ですよね。こんなに広い長野県でどこでも野沢菜を漬けているのがとても不思議だった。そう言えば地元の人は「野沢菜漬け」と言わず、「お葉漬け」とか「お菜漬け」などと呼んでいる。昔は「野沢菜」ではなくて、その土地独自の漬け菜があったが、いつの間にかみんな作りやすくておいしい「野沢菜」を漬け菜として作るようになったそうだ。漬け方も昆布、味噌、酢、ザラメ、唐辛子などを入れたりと、その家庭ごとに微妙にレシピが違って、食べ比べさせてもらうのも面白い。我が家は塩と醤油だけのごくシンプルな野沢菜漬けだ。4、5日して水が上がるとすぐ食べられ、年内はしゃきしゃきしたフレッシュグリーンの「浅漬け」が楽しめる。年が明けるとだんだんと飴色に変わり、酸味も出た「古漬け」となり、2月頃まで食べることができる。冬の間のわが家の貴重なおかずであり、ビタミン源だ。
 たくあんもレシピは様々あるが、うちは塩とヌカだけ。砂糖の甘さなどの雑味のないたくあんが食べたいと、2年前から作ってみた。最初作って半年した頃に味見をしてみると、あまりのしょっぱさに、これは失敗かなと思った。1年たってまた味見をすると、少し塩が馴れてきて、食べられるようになる。2年たった今、着色してないのにきれいな黄色になり、少し酸味をおびた古漬けの何とも味わい深いものとなる。それでもやっぱりしよっぱいので、薄く切って少しずついただく。どちらかというと、玄米ご飯に合うたくあんです。
 つい、手前味噌の自慢話をしてしまいましたが、あくまで素人が作ったものですので、年季の入った地元のおばちゃんたちの漬け物とは違います。あしからず。(ひ)

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いのちのたべかた

 農家の私が言うのも変だが、「今食べている食べ物がどのように作られてきたか」知っているようで、実はよく知りませんでした。先日「いのちの食べかた」というドキュメンタリー映画のDVDを借りて観た。ヨーロッパの養鶏場、豚や牛の食肉加工場、パプリカを生産する巨大ハウスなど、食べ物を生産している現場、そこで黙々と働いている人々のシーンが次々に映し出されている。何の解説もなくてわかりづらいところもあるが、逆にいろんな想像力をかきたてられ、とても興味深い。
 例えば、養鶏場で大量のひよこがベルトコンベアーで運ばれ、次々と箱の中に落とされて詰め込まれる。また、体育館のような場所ですし詰め状態で育ったニワトリが、一羽ずつ機械に吸い込まれていって、コンベアーで運ばれ、次の瞬間には順々にお肉になってぶら下がっている。まるでアニメーションを見ているような、生き物ではなくて工業製品を生産しているかのようだ。一方で、牛の眉間に電気ショックのようなものを与えると蓄シーンは衝撃的で、思わず「牛肉食べてごめんなさい」と心の中で謝っていた。
 スーパーで、ニコニコ笑っている鶏や豚のイラストやパッケージングされたお肉を見ていると、命をいただくという感覚がすっかり麻痺させられてしまう。確かに野菜を作るのにも、たくさんのイモムシなどの害虫を殺してきたし、野菜だって逃げはしないけど命には変わりない。
 1年生の娘のクラスでは、給食を食べるときに「いのち、こころ、いただきます」と言っているそうだ。自分の命は、他のたくさんの命によって生かされているということを、あらためて気づかせてくれた映画でした。

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山東菜

白菜の仲間の野菜で、結球しないもの(白菜のように丸くならず、頭が開いたままのもの)を山東菜と呼びます。これは、白菜のご先祖にあたる野菜のようです。
 最近は、どうも、白菜に押され気味のようで、スーパーの野菜コーナーでも、あまり見かけないようです。確かに白菜は、長く貯蔵することが出来て便利だし、軟白された野菜特有の、甘く肉厚で柔らかい食感は、他の野菜にはないですね。
ただ白菜には、弱点もあります。それは虫に食われやすいこと。小松菜なんかと並べて植えてあると、明らかにヨトウムシや青虫は白菜のほうを好みます。また、同じ結球野菜でもキャベツは、硬くしまるので、後半になると虫が入りにくいのですが、白菜はやわらかいのでいつまでもねらわれます。無農薬で最も作りにくい野菜のひとつです。
山東菜のほうが、まだ作りやすいので、白菜の、いわばピンチヒッターとして栽培しているのです。とはいえ、最近何種類か栽培してみると、同じ山東菜でも味や、やわらかさが違うことに気がつきました。どうも比較的古い品種のほうがいいみたい。おいしい山東菜、探してみます。(か)

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田んぼと畑の後片付け

cimg0680.jpg先月末に、細かく切ったわらを田んぼじゅうに広げ、鶏糞をまき、トラクターで耕し、これで今年の田んぼの作業はすべて終了となりました。
昨年まで、いったん田んぼからわらを運び出し、一年積んで堆肥化したものを、再び田んぼに運び、スコップでまいていましたが、今年は、生のわらを、そのまますきこんでみることにしました。土に力があれば、堆肥のように食べやすいものでなく、多少ガサガサしたものでも、どんどん分解してくれます。そして、ここのところ、だいぶ地力がついてきた感があります。仕事も、スコップを振り回すより、この方がずっと楽チンです。楽、これも大きいです・・・。最近肩のあたりに何か違和感があるのは、こういうのはもしかして、五十肩って言うんでしょうか・・・。
しかし、この方法が良いかどうかは、来年の稲のできを見るまでわかりません。楽しみでもあり、ちょっと不安でもあります。一年一回の実験です。

畑のほうは、まだもう一息です。霜にあたって枯れたトマトやナス、ピーマン、キュウリなどが、まだ、そのまま残っています。ひもやら、杭やら、支柱やらも、そのまま残っています。周りのお百姓さんは、皆、たいへん手際よく仕事をするので、気持ちはあせるのですが、しかし、片付けというのは、後回しにできないことはない仕事です。そして、そういう仕事は、間違いなく後回しになります。とにかく、春から夏と、野菜と、雑草の生育の早さに追いまわされる日々ですので、植物野の生育がゆっくりになると、仕事のペースもガクッと落ちます。仕事をいいつける上司がいなくなったようなものです。これではいけませんね。何とか、もうひとがんばりしなくては・・・。(か)

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