2009年8月

草取りは終わらない

cimg3684.jpg「上農は草を見ずして草を取る」という有名な言葉がある。優秀な百姓は草が出るか出ないうちに草取りをする、そうすれば結果的に後が楽だ、という意味だと勝手に解釈している。わかっちゃいるけど、とてもとても・・・。本当に今の時期、雑草の勢いはすごい。雑草に負けてしまうと作物は大きくなれないので、気が気ではない。あっちこっちで、野菜たちの「早くたすけてー」と叫んでいる声が聞こえてくるようだ。
ひと口に草取りといっても、いろいろある。ひとつ目は、例えばニンジンの種まきして芽が出た直後にする、まだ小さな雑草取り。ちくちくつまんで抜いたり、鎌で土の表面をカリカリかいてやる。これはボーっと考え事しながらできるので、けっこう楽しい作業だ。
ふたつ目は、例えばひざ丈くらいに成長した大豆(枝豆)畑の草取り。大豆の間に、これまたひざ丈くらいに伸びた雑草をつかんで、ヨイショと引っこ抜いたり、鎌で根元をざくざく刈ってゆく。ひどいところは、草に埋もれて作物が見えないところもある。そんな草ボーボーだったところを刈ってやると、すっきり作物が一列に植わっている姿に変わるのが気持ちよい。
三番目は畑や田んぼのあぜに生えた雑草の草刈り。これは、草刈機でブンブンと刈ってゆく。音がうるさいので耳栓をし、小石がはねることがあるので顔にプロテクターをつける。また、刈った草を田んぼや水路に入れないようにとか、石などに当てて刃こぼれしないようにとか、けっこう神経を使う面倒な仕事だ。やれやれようやく一通り刈り終えたと思ったら、最初のところがまた膝くらいまで伸びている。晩秋まで草取りはエンドレスなのだ。あっ、番外編で田んぼの草取りもありました。その話はまた今度。(ひ)

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サイレントスプリング

cimg3801.jpg蜂の話です。果樹や、実もの野菜を栽培する農家にとって、花から花へと飛び回り受粉をしてくれるハチは、なくてはならない存在だ。ハチなしには、ちゃんとした実がつかないのだ。考えてみれば、不思議なことだが、ハチと植物はそんなふうに、お互いに必要としあうよう進化してきたのだ。
最近、世界各地で、ミツバチが大量死したり、巣箱から失踪するなどの異変が起きている。日本でも、各地で同じようなことが起き、養蜂家や、農家が困っている。原因は、最近使われだした、ある農薬のせいとも言われるが、はっきりしたことはわからない。だが、私たち人間の行為が、何らかの影響を与えているのは確かだろう。
うちの畑でも春先、普段なら、わんわんとハチがあつまる菜の花畑が、不気味にしーんとしていた。思わず、サイレントスプリングという語が頭にうかんだ。近くで養蜂をしている人に聞くと、やはりハチが減ってしまったという。
実は、うちにも数年前から、ハチの巣箱がある。ハチの好む箱を置いておくと、ニホンミツバチが、自然に住み着いてくれる。「待ち箱」という。友人がうまくいったのを見て、うらやましくなり、まねをしたのだ。だが、うちの巣箱になかなかハチが来てくれない。聞いてみると、巣箱の材質、色、置く場所(日当たり、風当たり)などいろいろやり方があるらしい。ハチとはいえ、住宅にはいろいろ好みがうるさいのだ。
こうなったら、ぜひハチを増やさなくてはという思いから(ぜひ、はちみつをなめたいという思いもあるが)冬になったら、また巣箱をつくってみようと思っている。(か)

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