2008年10月

雑穀の収穫

cimg3367.JPG○「収穫の秋」の言葉どおり9月10月は穀物、豆類の収穫が目白押しだ。毎年春先は欲張ってつい、あれもこれもといろいろ植えてしまうが、秋になって手が回らずに後悔する。今年作った穀物はまず、小麦と大麦で、これは夏に収穫済み。秋の収穫はお米、アマランサス、モチアワと、乾燥豆の大豆、小豆、白花豆、インゲン豆。機械の作業ができるお米や麦類は広い面積で作ることも可能だが、手作業のみの雑穀、豆類は作業効率が非常に悪く、自家用分+α作るのがやっとのことだ。
○例えば、アマランサスができるまではこんな感じ。春、ハウスの中で種まきし、4〜5センチ芽が伸びたところで、畑に定植する。夏に草取りをして、真っ赤な穂が実る9月に鎌で刈り取る。今年は子供たちと軽トラック1台分刈り取った。これを束ねて紐で縛り、吊るしてしばらく乾燥させる。乾燥したら足踏みの脱穀機で脱穀するのだが、実だけがきれいに取れるわけではなく、穂ごと取れたり、葉っぱやら茎やらごみもいっぱい混じっている。これをまず目の粗いふるいで葉っぱや茎をとり、細かいふるいで穂から実を分離させ、「とうみ」という手回しの機械で風選して軽いごみをとり、最後にざるで細かいごみを取り除く。そうしてやっと、けし粒のようなぴかぴかのアマランサスが姿をあらわす。トラック1台分刈り取って、収量は6.8キロだった。
○それはまるで泥の中から砂金を探し出すような作業。時給に換算すると、100円以下なのかもしれないが、その作業ひとつひとつが実に楽しい。子供たちにとっても、作物ができるまでの過程をじかに学ぶことができるのは貴重だ。私はサラリーマン家庭で育ったので、恥ずかしながらお百姓になるまで、トマトやきゅうりが夏の野菜だということすら知らなかった。一年中冷蔵庫の中に入っていたから。また、子供のころ祖母から戦時中の食糧難で苦労した話をさんざん聞かされたが、食べ物のありがたさについて考えたこともなかった。 どうやら子供たちが畑から自然に学んでいるのと同じことを、自分も今頃になって一緒に学んでいるようだ。(ひ)

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キャベツ

cimg2019.jpg キャベツは、一年中あると便利な野菜ですが、真夏は、作りにくい。涼しいのが好きな作物ですし、陽気がいいと虫も多くなってしまうからです。
 春にお届けした「みさき」という品種は、頭がとがった形をしていますが、グリーンボールの仲間、ボール系です。秋から冬にお届けするのは寒玉系。肉厚で、春キャベツのような柔らかさはないが、甘みがある。そして、寒さに強く日持ちがします。もうひとつ、サワー系というふわっとしたキャベツの系統があるのですが、虫に弱いため、今は作っていません。
キャベツは比較的丈夫な野菜ですが、弱点は、虫に好まれること。虫の多い年は、手で虫(ヨトウムシなど、いもむしのたぐい)を取ります。そうしないと、キャベツになってくれません。虫取りは大変だし、あまり楽しくありません。カエルや肉食のハチ類などの天敵に、もう少し虫取りのお手伝いをしてもらえないかと、いろいろ試しているのですが。(か)

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大根

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 春の大根も、みずみずしくてうれしいですが、秋から冬が、なんといっても本番です。日に日に気温が低くなってゆくと、ぐっと甘みが増してきます。
 大根は凍ってしまってはいけないので、気温が氷点下になるころには、全部収穫して葉を落とし、土に埋めます。秋口は、畑からお届けしますが、11月以降は、土から掘り出してお届けするのです。
今年作っているのは、春にもお届けした「ホワイトスティック」というミニ大根、冬に出る青首大根は「耐病総太り」、それから丸くて中の赤い紅心大根です。
 大根は日本を代表する野菜で、重さ20キロ以上にもなる桜島大根とか、ゴボウみたいに細長い守口大根とか、実にいろんな、驚くべき品種があります。昔の人が、大切に、そして、おいしくなれと唱えながら育てた結果ですね。(か)

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ヤマトイモ

ヤマトイモは、ヤマイモの仲間で、イチョウイモとも言います。関西で多く作られるまん丸のツクネイモも、ヤマトイモと呼ばれることがありますが、少し種類が違います。
 ヤマトイモは、ナガイモに比べると、粘りは濃いのですが、味は、あっさりしているというか、あの、とろろを食べると、口の周りがかゆくなる成分が少なめのようです。また、アクも少なく、使いやすいのではないかと思います。
作るほうとしても、イモが短い分、掘るのが楽で助かります。ただ、形の悪いのができてしまうことがあり困ります。皮をむくのにお手間をとらせてしまっているかと思います。形が悪いのはイモのせいではなく、肥料のやり方が関係あるようです。畑によってもかなり違いがあるようです。もう少し工夫しなくてはいけません。
 私の子供のころは、ヤマイモといえば「とろろ」ばっかりでしたが、すりおろして、お菓子や、いろんなものに混ぜたり、飲み物になったり、ずいぶんいろんな料理法があるんですね。おいしい食べ方があったら、ぜひ教えてください。(か)

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冷え対策

cimg1420.jpg○我が家では毎日自家製の野菜とお米をいただいているおかげで、今のところ皆健康に暮らしています。それでも、私自身持病というほどでもないが、「冷え」には一年中悩まされています。油断するとすぐ足や腰が冷たくなったり、お腹が冷えたりして何となく体調が悪くなってしまう。たぶん、女性で動物性たんぱく質の摂取が少なめの人は、冷え性の方が多いのではないでしょうか。急に寒くなってくるこの時期、特に冷えを感じるなんてことありませんか。「冷えは万病の元」とよく言われていますが、体温(平熱)の低い人は免疫力も低くなり、病気に対する抵抗力が弱くなるそうです。体も心もお日様みたいにぽかぽか温かい、そんな人になりたいものです。
○自分なりに冷え対策として日々心がけていることを紹介します。ちゃんと実行できているわけではありませんが、ご参考になればうれしいです。①野菜はできるだけ火を通し、根菜類もしっかりとる。②味噌、梅干、漬物などの発酵食品を毎日食べる。③アイスや冷たい飲み物、コーヒーやバナナなどの南国の食べ物は真夏に少しだけ。④お砂糖は少なめに。⑤腰から下は重ね着して常に暖かくする。⑥ぬる目のお風呂にゆっくりつかったり、足湯する。あと、ちょっと一般的ではないのですが、⑦陰陽重ね煮料理。⑧腰痛対策もかねて操体体操をして血液循環を良くする。⑨テルミーという温熱療法(温灸のようなもの)。などもしています。寒くなると、時々5歳の娘とバケツに足をつっこんで、「あ〜きもちいい!」なんて言いつつ、足湯をするのも楽しい。
○そうは言っても、いらいらするとつい、甘いものを 食べ過ぎてしまう。また、夫は毎晩ビールを飲みながら、味噌をつけたきゅうりをおいしそうにぼりぼり食べている。我慢できずに今日も晩酌のおともをしてしまうのです…。(ひ)

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人力で自給

cimg0477.jpg農家には、いろんな機械があります。うちにも、エンジンのついたキカイが、小は草刈り機から、大はトラクターまで10台以上あります。農業は、キカイと石油なしにはできない。というか、キカイと石油があったればこそ、現在の日本のたった300万戸あまりの農家で、その他の人に食料を届けられるのです。残念ながら自給率は4割ですが。
 しかし、石油を使うのは、どうも後ろめたい。いずれそのうち石油がなくなってしまうのは、間違いないようですし、少なくなるにつれて、みんなが少ない物を、お金で、そして力づくで奪い合う事態が、もうすでに始まっているようです。地球上のいろんな物に限りがあることを 、痛感させられるこのごろです。
 けれど、自分の食べる分を自分で作るなら、ほとんど人力で可能なのです。たとえば、一家族、数人で、5畝ほどの田んぼと少々の畑を作れば、かなり自給できますが、この面積ならば、田植え、草取り、稲刈り、乾燥、脱穀といった作業が、キカイを使わずに人手だけで十分できます。時間も半日働けば、自給できるそうです。それに、趣味あるいはレジャーとしてもなかなか楽しいのではないかと思います。皆さんもどうでしょうか。
 専業農家として生きるには、思い通りにならないこともあるし、割り切ることも必要ですが、人力で自給、ひそかにあこがれてます。(か)

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