2008年7月

お百姓の仕事

○お百姓仕事は素晴らしい!力のある人もない人も、お年よりも子供も、誰でもそれぞれにできる仕事があり、家族みんなで協力して働けるから。普段は夫がトラクターや管理機などの機械を使ったり力仕事をしている間、母(夫の)と私が苗の定植、トマトの芽かき、除草などの作業をしている。休日は子供たちも少し作業を手伝わせる。
 仕事のほとんどが腰を曲げての単純作業だが、何せ野菜約50種類にお米、雑穀と多種類作っているので、毎回違った仕事ができて面白い。単純作業といっても、野菜が畑で気持ちよく大きくなってくれるようにコツをつかみ、段取り良く作業する技を身につけるのは大変だ。たとえば苗の定植ひとつをとっても、レタスなんかはごく浅く植えなければ腐ってしまうし、茎からも根っこが出るものは深植えしたほうがいい、というように野菜によってやり方が違うのだ。自分が種まきしたところの芽が出なかったり、苗を定植したところの元気がなかったりすると、何がいけなかったのだろう…と落ち込んでしまう。
○以前にも書いたが、うちの小3の長男は重度のアレルギー体質に加え、手先が不器用、運動が苦手、お友達ともうまく遊べないなど、いろいろなハンディを抱えている。幸い、学校では多くの先生に温かく見守られて、今のところ楽しく過ごしてはいるのだが、親として心配の種はつきない。将来自立して暮らしてゆくために、今のうちから生活力を身に付けてほしいと思い、料理や片づけなどの家事を少しずつ教えている。農作業もお手本をよく見て真似をすること、手先の訓練などにとても役に立つので、なるべく手伝わせるようにしている。先日は温床の後片付けで、わらを一輪車に積んで運び出す仕事をしてもらった。しかしあまりにも不器用で、しかもお手本をよく見ていないので、ついついい叱ってしまい「もうやめる」というパターンに陥ってしまう。「よくがんばったねー、お母さんすっごく助かるよ。」とおだててやる気にさせるよう、私の方もがまんの訓練中です。きっと夫も不器用な私の作業を見ながら言いたいのをがまんしてるんだろうなぁ…。ごめんね息子よ。(ひ)

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カブ

カブは、春と秋につくります。10日くらいずつずらしながら、それぞれ4回くらい種をまきます。トマトやナスなんかは、一度種をまけば、ずっと収穫できるのですが、
カブや、小松菜などの葉物類は、取れる期間が短く、あっという間に大きくなってしまうので、何回も種をまくのです。
 畑で、週2回、カブを収穫するたびに、つまみ食いをします。引き抜いて、シャツのすそでふいて、ぱりっ。これが一番おいしいカブの食べ方です。そして、食べるたびに、少しずつ味が違うのです。若いうちは、甘みがないし、大きくなりすぎても味がおちる。畑によっても違うし、4回種をまくそれぞれも、やはり味が違う。大雨が降ると、水っぽくなったりする。ほんとうにおいしい時期は、短いのです。
 ほんとうにおいしいカブは、柿のような味がする。目をつぶって食べると、柿と区別がつかない。ほんとです。(か)      

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自然との一体感

ukikusa.jpg一度だけ、西表島の海に潜ったことがある。シュノーケルをつけて、ちょっとのぞいただけなのだが、さんご礁に群れる無数のカラフルな熱帯魚に驚いた。テレビみたいと思ってしまった。違うのは、じっさいに海に潜って見ていると、何ともいえない包み込まれるような一体感があることだ。
 さて、田んぼの話です。
毎日通う、私の仕事場でもある田んぼだが、時々、あのさんご礁にもぐったときと同じような感じを受ける。田んぼにもじつにいろんな生き物がいる。熱帯魚に比べると、小さくて地味なのだが数は多い。
ミジンコ、オタマジャクシ、今は、ちょうど小さなカエルが上陸中。あぜを歩くたびに、ぴょンぴょん飛び出す。7月には、トンボがいっせいに羽化する場面に出会える。早朝、稲によじ登り、羽化したばかりのトンボが、飛び立つのをまっている。あそこでもここでも、そこらじゅう。そんな田んぼにそっと入ってゆく時感じるのは、やはり何ともいえない一体感だ。(か)

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