2008年1月

醤油作り

syouuyu.jpg自給自足の視点から、お米の次に大切な作物は大豆だと思う。大豆はそのまま煮ただけでは消化が悪く、アレルギー性も強いので、昔から様々な加工品が工夫され、人々の大切な蛋白源となってきた。また大豆を醗酵させることにより、蛋白質がアミノ酸に分解され、うまみも増してくる。わが家でもお味噌、醤油の原料として、また豆腐、納豆、きなこもたまに作ったりして、大豆は大活躍している。
○山梨に住む友人で、あらゆる雑穀を育て、味噌・醤油などの加工品を作るのがとても上手なIさんという女性がいる。雑穀の作り方や麹の作り方など、わからない時はいつも教えてもらっている。私たちにとってありがたい先生のような存在。彼女は有機農業でお金を稼ぐというより、自分の好きなものを作って、自給自足を思う存分楽しまれているふうにみえる。そんなIさんたちと一緒に、昨年の春から醤油作りの仲間に入れてもらった。それぞれの家で収穫した大豆と小麦、そして道具とお昼ご飯を持ち寄って、朝から仕事に取りかかる。大量の大豆を蒸し、小麦を炒って挽き割り、それらと麹菌を均等に混ぜる。ここまでが一日がかりの仕事。一人ですれば絶対嫌になるが、みんなでおしゃべりしながらの作業はとても楽しい。さらにこれを丸4日くらい、手作りの麹むろの中で温度管理をしながら醤油麹を作る。できた醤油麹をそれぞれの家に持ち帰り、塩水と一緒に樽に入れて混ぜる。それから1年半もの間、表面にカビが浮かないよう時々かき混ぜながら寝かせる。
○先日初めて醗酵させた醤油麹を布袋に入れて重石をかけ、搾ってみた。じわじわしみ出てくる醤油に感動しつつ、味見をしてみる。ん?熟成されたうまみはたっぶり感じられるが、何だか味噌っぽい味だった。電話で聞いてみると、Iさんちの醤油は味噌の風味はしないという。同じ醤油麹を使っても、樽を置く場所や搾り方などによって、味が微妙に違うようだ。買ったほうが安上がり、と言ってしまえばそれまでだが、それでもわが家の貴重な手作り醤油第一号、大切にいただこう。

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冬支度

cimg2770.jpgもう冬支度の季節だ。なんだか一年が早いです。
長野の高冷地は、ほんとうにシーズンが短い。春が遅くて、夏が短くて、あっという間に冬が来る。12月半ばには土が凍りつき、もはやトラクターでも起せなくなってしまう。それまでに、収穫するものは、収穫し蓄え、そしてトマトやキュウリの支柱などを片づけ、後ろめたい思いをしつつ、マルチをはがし、きれいに耕してしまわなくてはならない。野菜の収穫も、うっかりしていると、凍らせてしまうことになる。なんだか少し気ぜわしい季節なのだ。

 貯蔵することを「囲う」というのですが、野菜によって、貯蔵する温度や湿度が違う。それぞれ好みがあるのだ。根菜類はだいたい土に埋めるか、地下の「むろ」に入れればよい。だが、ジャガイモとタマネギ、カボチャは湿気を嫌うので置き場所に困る。特にカボチャは、暖かいところでないと傷んでしまう。困ったあげく、今年は台所においている。台所にコンテナに入ったカボチャが山積みになっている。カボチャと同居である。

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ごはんを食べよう

cimg2710.jpg○今年はお米がとても安い値段でしか売れないため、米農家の方が困り果てておられる姿をニュースで見た。高額の機械を買ったけれど、その返済ができないそうだ。
○ほそかわ農園ではお米を農協出荷しないため、皆さまに自分たちの決めた値段で売らせていただいている。農薬、除草剤を使用しないので、田んぼで這いつくばって草取りしたり、収穫量が少なかったりという苦労はあるが、本当にありがたいことです。それにしてもお米を作るのは、野菜作りと比べて必要な機械があまりに多すぎる!!種籾を播く機械から始まって、あぜ塗り機、田植え機、草取り機、稲刈り機、脱穀機、籾すり精米機…。悲しいことに、そのほとんどが年に1、2回しか使わない。だいたい機械は中古で間に合わせてはいるが、それでも初期投資はかなりのもの。ほそかわ農園の経理担当かつ細川家の家計を担当する私にとって、将来の利益より今のピンチのほうが気になるところです。
○日本人は年々お米を食べなくなってきている、というのが米あまりの主な原因だ。以前紹介した船越康弘さんや幕内秀夫さんらは、「まずはごはんをしっかり食べなさい」と言われている。長い歴史の中で日本人はお米を主食として食べ続けていたから、腸が長くお米や野菜を効率よく消化するような体にできている。この40年くらいの間にお肉や乳製品など常食するようになったが、そんな短期間で欧米人のような内臓に変化することはないので、やはり体に負担がかかるようだ。パン食にすると、どうしても油っこいおかずが増えるのも問題ではないでしょうか。
○わが家は大人2人、子供2人でお米を月20キロ近くいただいている計算になるが、皆さんのお宅ではいかがでしょうか。食糧自給率の向上、里山・田園風景を守るためにも、日本のお米をたくさん食べましょう。 

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えごま

○エゴマは、その実を利用する雑穀の一種だ。収穫適期がとても短い。秋、葉っぱが黄色くなってきたら要注意、しばらくすると急に葉っぱが散り始め、穂が茶色くなる。これが目印だ。急いで収穫する。うっかりしていると、せっかく実った「実」が、たちまちぱらぱらと地面にこぼれてしまう。 
 茎が、かたく木質化しているので、まずはカマをよく研いでおく。一本ずつカマで刈り取る。横にすると実が落ちるので、気をつける。シートをひいた軽トラックの荷台に積み込む。荷台がいっぱいになったら、空いたビニールハウスに運ぶ。
 今年は5アールほど作った。実が落ちやすいので、機械での収穫はむずかしい。したがって、半日以上、ひたすらこの作業となる。シソに似たいい香りが畑じゅういっぱいだ。
 
○さて、シートをしいたビニールハウスの中で、しばらく乾燥させると、今度は脱穀だ。大きな桶の内側に打ちつける。棒でたたいてもよい。どちらにしても手作業だ。ほこりっぽいのでマスクが必需品である。脱穀が終わると、だいぶかさが減るが、まだゴミだらけだ。今度はふるいにかける。ここまでくれば、もう少し、次は唐箕だ。風で細かいゴミを飛ばす。ざーっとエゴマのつぶが流れ出してくる。持った感じが、何とも言えず重くなる。最後に、水で洗う。細かい石などを取り除くのだ。今年は、バケツ3杯分ほどの収穫となった。
 
○油の話は何だかむずかしいのですが、エゴマの実は、α‐リノレン酸を多く含むが、これは現代の食生活で相対的に不足しているそうです。生活習慣病の予防に効果あり、といわれています。強い抗酸化作用もあるそうだ。もっと普段のお料理に利用できるといのですが、よい方法はないでしょうか。エゴマ油にできないだろうかとも思っているのですが…もっとも油を絞るほどたくさん収穫するのは、ちょっと大変かもしれません。

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ロハスな生活?

cimg2702.jpg○何度も書いているが、わが家は皆アレルギー体質で、特に長男は重症。普通の人には影響のないことでも、過敏に反応しやすい体質を持っている。したがって、子供が生まれてからは食べ物や化学物質、電磁波などにはとても気を使っている。いったん化学物質過敏症や電磁波過敏症になってしまうと、治療するのは非常に困難だから、できる限り体に有害なものは避けたいのです。安全な食べ物を心がけ、合成洗剤や殺虫剤のたぐいは使用せず、携帯電話、電子レンジも持っていない。また、パソコンは仕事で使っているが、テレビは見たい番組があまりないので、ほとんど見ない生活をしている。
○近所の人たちからはきっと「変わり者」と思われているにちがいないが、それでもこの地に10年暮らしていると、同じようなライフスタイルの仲間があちこちで見つかる。中にはロハスの最先端というか、50年以上前のような暮らしをしている人もいて面白い。薪の火だけで毎日料理している方とか、あらゆる雑穀や調味料を作っている方とか…。いろいろと学ばせてもらっている。一見不便そうに見える暮らしのほうが、本当は豊かなのかもしれないですね。
○なんて偉そうなことを言いましたが、田舎暮らしの悲しいところ、うちはどこへ行くのも車で移動している。二酸化炭素の排出量は多い。すいません。先日、20代の時に乗っていたマウンテンバイクを修理して、乗れるようにしてもらった。これからは、運動もかねてできるだけ自転車で移動してみよう。

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原木きのこ

きのこ
○キノコは、おおざっぱに言って2つの作り方があります。オガクズを詰めたビンで栽培する方法と、木(原木)に菌を植え付けて、野外で育てる方法です。原木物のほうが、歯ごたえも良く、断然おいしい。そもそも、キノコを作ろうと思ったきっかけは、近所のひとからびっくりするほど大きな原木ナメコをいただいて、そのおいしさに驚いたからなのです。こんなのが庭先で作れるなら、ぜひやってみよう、と、わたしの場合、こんな食い意地のはった話ばかりなのですが…
 ただし、原木栽培も良いことばかりではありません。天然のものと一緒で、一時に大量に生えて、あっという間に終わってしまう。ですからキノコの季節は、せっせと冷凍したり、ざるに広げて干したりと、なんだか忙しいのです。その点、オガクズ栽培では、空調完備の施設内で作るので、一年中計画的に生産できるのです。
 今、お届けしているキノコは、去年の春先に山から木を切り出し、菌を打ち込んでおいたものです。二夏越してからやっとキノコが出てくれます。なかなか気の長い話です。

 キノコの保存方法…長期間保存する場合、一番簡単なのが冷凍保存です。洗ってからビニール袋にいれて冷凍。使うときは、解凍せずにそのまま使ってください。ナメコなら凍ったままお味噌汁にほうり込めば、しゃきしゃきのナメコ汁のでき上がりです。
 シイタケ、ヒラタケ、クリタケなどは、乾燥保存もできます。日に干した後、さらにオーブンなどで乾かすと長持ちします。シイタケはもちろん、他のキノコも、干すと、とっても良いダシがでます。かさが減るのも助かります。

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