2006年9月

収穫の秋

秋はいろんなものを収穫する季節、まめの収穫の話です。花豆やインゲン豆などつるありの豆は、長いつるを伸ばしながら順にさやをつけていくので、 さやが茶色く枯れたものから順次収穫してゆく。何回も雨にあたったりすると、カビがふいたりして、いたんでしまうので、こまめに取る。 大豆のたぐいは、ほぼ全体が枯れあがったのをみはからって一気に刈り取る。取った豆は、家の軒先や、空いているビニールハウスなどに広げてさらによく乾かす。 軒先のは、雨にあたったりしてはまずいので、朝晩広げたりしまったりする。からからに乾いたら棒でばしばしとたたく。 大豆など量の多いものは唐棹(からさお)を使う。長い棒の途中が関節のようになっていて、さきのほうだけくるりと回る棒、ご存知でしょうか。 今のところわが家の最新技術だ。乾いたさやがはじけて中のまめが飛び出す。ふるいでふるって大きなゴミを取り除く。やっとまめが顔を出してくる。 次いで唐箕(とうみ)にかける。手で回して風をおこし、少しづつまめを落とし、今度は小さなゴミを取り除くのだ。最後は虫食いなどを手で選別する。けっこう手がかかる。 おまけに豆の種類も毎年増えていっているようなのだ。今年も近所の人から「長―いインゲンでうまい」とか言うタネをもらい播いてみた。 種苗交換会に出かけ、珍しい小豆の種をもらいこれもついつい播いてしまった。今どうやらたわわに実っているようだ。さあ収穫しなければ…
なぜこんなぐあいに次々といろんな作物を作ろうとするのか、自分でもよくわかりません。そんなにめんどうなら買えばいいですよね。 けれど、やってみると、お金を出して買うのと、現物を収穫するのでは、なにか違うのだ。

写真:チコリの花(左)とサンチェの花(右)
花が咲くと、レタスの仲間は「キク科」だということがよくわかる。 チコリは播きどきを誤り花が咲いてしまったのだが、驚くほどきれいだった。

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野菜の味

野菜の味っていったい何によって決まるのでしょう。
 まずは何といっても旬のものがおいしいのだが…たとえば、カブは、は春と秋それぞれ数回ずつに分けて種をまく。 春一番のは、なるべく早くお届けしたいので、まだ寒いうちに少し無理して早めにまく。 するとどうしても虫がつきやすく、きれいなカブにならないし、味ももうひとつ。その次あたりが、もっともおいしい。 そして7月に入り徐々に暑くなってゆくのにつれて、辛みがでたり、少しずつ味がおちてくる。 収穫のときは、たいてい引き抜いたカブの土をシャツのすそでふき、試食と言うか、つまみぐいをするのだが、毎回味が違う。 トウモロコシも夏から秋にかけて、なるべくコンスタントにとれるよう早生と晩生の品種を使い、数回にわけて種まきする。 実の先についた毛が茶色くなり、先のほうまでふくらんでくると食べごろだ。こちらも畑で生のままかじって味見しているが、本当においしい時期は、 それぞれ、せいぜい1週間くらいしかない。一言で旬といってもなかなか微妙だ。
 それからその土地の気候風土も大きく作用する。標高1000mのこのあたりでは、強い日差しと、昼と夜との大きい温度差によっておいしい野菜ができる。 しかしもう少し八ヶ岳を登っていった、標高1400mあたりで畑を作っている知人によると、そこで取れたジャガイモやトマトは、それはそれはうまいそうだ。 そうかもしれない。なにせ、ジャガイモやトマトはアンデスの高地が原産地。野菜によって好きな気候はさまざまなのだ。
 また、どんなふうに野菜を販売するかということも、実は味に影響する。スーパーや流通業者に出荷となると、どうしても規格や見た目が大事になる。 その点直接、食べていただく方一軒一軒にお届けしていると、安心、味が最優先。食いしん坊の私としても好都合なのだ。

写真:垂れ下がってきた粟の穂
秋は穀物が実る季節だ。すずめに食べつくされる前に収穫しなければいけない。粟の
穂は形がかわいいので、ドライフラワーにして飾っている。

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