2004年12月

今年もお世話になりました

野菜セットのお届けは12月で終わりです。今年も、ほそかわ農園の野菜をたくさん食べていただきありがとうございました。1シーズン食べていただいた野菜をひとまとめにしたら巨大な山になるのではないでしょうか。野菜セットはまた来年の6月から始まります。それまで長いお休みになります。一年中とはいわなくても、もう少し長い間みなさんに野菜をお届けできたらよいなと思うのですが、このあたりは冬の寒さが厳しくなかなかむずかしいです。根菜類などは比較的貯蔵しやすいのですが、青物がとぼしくなってしまいます。わが家では白菜、キャベツも貯蔵して冬中食べるのですが、どうしても鮮度が悪くなってしまいます。でも、冬を越して3月ごろのカボチャ、ジャガイモは今よりさらに糖度が増して信じられないほど甘くなるんすよ。
この季節になると「冬は何するだ?」と聞かれることが多い。これは何のアルバイトをするのか?という意味です。ここらのお百姓は昔から、冬は農業以外の何らかの仕事をして生計を立ててきたわけです。今でも農家の多くは、大規模にやってかなり農業収入の多い人でも、冬のアルバイトをしています。特に昔かたぎの人は、たとえお金は十分にあっても、何もしないでブラブラしているのが何よりつらいようです。うちの場合、お金はないのですが、今年も特にアルバイトをする予定はありません。ブラブラというわけではないですが、年が明けてからは、朝起きて「さて、今日は何をしようか」と考える生活です。とはいえ、ちょっとしたものおき小屋を作ったり、また例のごとくまきを運んだり、割ったりなどしていると、もう2月半ばからまた春の種まきが始まるのです。
冬の仕事で一番大事なのが、来春からの畑の計画をしっかりと立てておくことです!新年早々いろいろな種苗会社などのカタログを広げ、ストーブにあたりながら、あーでもない、こーでもないと考えるのはとても楽しい。見たことのない珍しい野菜ばかりお届けしてもどうかと思うのですが、まだ食べたことのないもの、とくにカタログに「大変おいしい、食味極上」なんて書いてあるとぜひとも作ってみたくなってしまう。ついついあれもこれもとタネを注文してしまい、畑に植えるときになって困ってしまう(これが計画と言えるのか?)。また、もっと自分に納得のゆく、よりよい作物を作っていく方法もはっきり見えてきた気がします。それは、今よりもっと太陽と植物と微生物の力を有効に使うこと。緑肥であり、草生栽培であり、豆類や麦類をもっと取り入れてゆくこと、畑に持ち込むものをなるべく少なくしてゆくことでもあります。来年もうちの畑にご期待ください。どうぞよいお年をお迎え下さい。

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寒さに強い野菜

寒くなるにつれて畑にある野菜の種類は少なくなってくる。寒さに弱いものから一つずつなくなってしまうのだ。葉物野菜で最後に残るのはこの三種類。コマツナ、ホウレンソウ、ターサイだ。
コマツナは作りやすいといえばたいへん作りやすい野菜だ。タネをまけば、気候のよいときならば1ヶ月弱で「コマツナ」ができあがる。作業としては(1)タネまき、(2)収穫、という感じだ。しかし、生育期間が短い分、途中でどうこうすることはできない。例えば、トマトならばどの畑に作ったとしても、あげる肥料を吟味し、足りないようならばもう少しあげようかと、顔色をうかがいながら育てることもできる。しかしコマツナは、途中であまりよくないかも…と思ってももうどうしようもない。よい土でなければよいものができない。正直です…。土の味がそのまま出てしまう、という感じでしょうか。
ホウレンソウは、実は葉物の中ではもっとも作りにくい。肥料もたっぷりじゃないといやだし、酸性の土は大きらい、雨もきらい、とかなりわがままだ。ホウレンソウがよくできるようになれば、よい畑になったというくらいだ。うちでは最近は石灰の類もぜんぜん使わないようになった。ホウレンソウは特に大量の石灰を畑に入れないと育たないということになっている。かわりにカキガラ(牡蠣殻)の粉末を使用しているのだが、畑によってはうまくいかないことも多い。土作りもまだまだ半ばという感じです。
ターサイがこの3つのなかではもっとも寒さに強い。その秘密はこの形、緑のザブトンだ。初めて見た人は必ず驚いてくれる。この形をロゼットといいます。道端のタンポポなんかも冬はこんな形をしている。でも9月頃の姿はぜんぜん違う。ちょっと葉っぱが多いけどコマツナかなーという感じだ。寒くなるにつれ、次第に地面にはりついてくる。もっと寒くなると、あんまりぴったり地面にはりつこうとするせいか、チョキッと収穫すると、裏側に反り返ってしまうくらいだ。
これら3つとも寒ければ寒いほどおいしくなる野菜だ。今年の秋はずいぶん暖かかったので、まだまだこれから柔らかく甘くなってくれるはずです。

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