2003年8月

お天気と作物

百姓はお天気の話ばかりですが、今年の梅雨は長かったですね。久しぶりにお日様が出て、「やれやれ、やっと梅雨明けか」と思ったら、週間予報はまたくもりや雨マーク。今年の夏は冷夏なのでしょうか。そういえば、去年はまた記録的な暑い夏でしたよね。観測史上最高とか最低とか、最近はそんな話ばかり聞く気がします。お天気ってそんなものなのでしょうか。それとも、地球の温暖化やオゾン層の破壊とか何か重篤な原因があるのでしょうか。

一般に作物は、雨の多い年は病気が出て、日照りの年は虫(害虫)が多いといいます。今年は確かに病気が多いようです。ジャガイモの葉が枯れるのがいつもよりずいぶん早かった。これは「エキ病」のせいだ。野菜も生長のさかりを過ぎて体力が落ちてくると多少なりともいろんな病気におかされつつ、最後には枯れてゆくのですが、今回は激発!という感じでした。今年のイモは小さそうです。うどん用の小麦も病気が出て、皆さんにお届けできるかどうか何ともいえません。また、酪農をやっている友人と共同でパン用の小麦も試しに作ってみたのですが、こちらはさらに病気がひどく、刈り取り途中で断念。収穫なしです。気を取り直して、また今年も種まきします。暖地なら梅雨前に刈り取ってしまう小麦も、高冷地では梅雨の晴れ間に刈り取りをしなければいけないので、今年のような天候ではきびしいです。そしてナス。例年なら今ごろ取れているはずなのですが、今年はほとんど枯れてしまいました。多少はお届けできるでしょうか。いったん病気になつてしまうと、もうしてあげることがないのがつらいところです。

しかし、不作には天候のせいだけではなく、必ず何かしら人為的なミスがあります。今年は畑の作物のローテーションが失敗だったようです。反省です。

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野菜の味が決まるのは

今年はどうやら寒い夏のまま秋になにってしまいそうだ。暑いのが好きな野菜は、やはりあまり元気がないようです。今はちょうどほうれん草やカブ、小松菜、大根など秋野菜の種をまく時期なのですが、こう雨ばかり降り続くと、畑に入ることができず、ちょっと困っています。あさって(8/20)からお天気になると天気予報では言ってますが…。

モロコシや枝豆も遅くなりましたが、やっととれ始めました。これからしばらくはお届けできそうです。枝豆というとビール!、夏!、というイメージですが、ほんとうはこれから出るもののほうがおいしいです。作物には早生(わせ)~晩生(おくて)まで、できる早さの違ういろんな品種があるのですが、じっくりと育つ晩生のもののほうが、おいしい品種が多い気がします。

野菜の味が決まるのには、いろんな要素があります。品種の違いもありますが、もっと大きいのは「土」です。ほんとうに肥えたよい土なら、わずかな肥料を補ってあげればスクスクと育ってくれますし、味もおいしい。反対に土がよくなければ、さ
んざん苦労して何とか作っても、あまりおいしくなってくれません。それから、旬のものであること。これはぜったいです。時期はずれのものはどうがんばってもおいしくありません。

ただし、無農薬で作るということは、味を追求することと矛盾することも、実はあります。品種にしても、作りにくい野菜はとくに、味より丈夫さで選ばなくてはなりません。また、病気になってしまって、葉っぱが枯れたり、元気がなくなったとき、農薬をかけたほうが少しはましな味になるだろう、という場合もあります。でも、食べ物はまずは安全であるべきと思うのです。

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