2002年6月

へそかぼちゃの話

去年の冬、ある人からかぼちゃを1個もらいました。「へそかぼちゃ」という名前の、先端がでべそのようにもりあがった変な形をしたものでしたが、食べてみると上品な甘みがありとてもおいしい。 流しの三角コーナーからタネをひろって洗い、乾かしてしまっておき、今年の春播いてみました。今、畑には数十株の「へそかぼちゃ」の苗が元気に育っています。果たしておいしいかぼちゃがとれるでしょうか。

野菜作りは1年ごとの仕事で、収穫してしまえばおしまい。果樹や林業のように長い時間をかけて育て上げてゆくものではないと思っていました。 でもこうして1個のかぼちゃから自分で取ったタネが何十倍にもなって育ってゆくのを見ると、野菜も毎年実を結びタネになり、姿を変えながらもえんえんと続いてゆく命のつながりなのだなと、人間や樹木と同じなのだと思います。

他のかぼちゃと受粉しないように気をつけて上手にタネがとれれば、また来年もさ来年もおいしいかぼちゃがとれるはず。 こうしてタネとりをつづけていると、その土地の気候に適応してゆきます。そして農薬や化学肥料を使わずに育てていると、だんだんに丈夫な性質になっていくそうです。 ほんとうに不思議ですね。ほそかわ農園でもこれからさらに「タネの自給率」を上げてゆこうと思っています。 「へそかぼちゃ」は9月にはとれるはずなので、うまくいけば皆さんにも食べていただけると思います。お楽しみに。

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6月は大忙し

遅霜がおりる心配間のなくなるこの時期、お百姓さんは忙しい。 ほそかわ農園もかなり忙しい。苗を植え付けたり、種を播いたりする仕事が集中するのです。 今やっとトマト、かぼちゃ、きゅうりを植え終えて、今度はナスやピーマンにとりかかるところです。 それからモロコシ、枝豆、キャベツやレタスの種まき。こういう野菜は、なるべく長い間収穫できるよう、10日から半月ごとに何回も種まきします。 1日1日がとっても短い今日このごろです。 今年もこのたよりを通じて、畑の様子、作る人だからこそわかる野菜の話などをお伝えできたらよいなと思っています。

かたくなに“むのうやく”というルールを守って作物を育てていると、自然からいろんなことを教えられます。 播いた種が100%育って野菜になると期待してはいけないこと。 自然の恵みと同時に、害虫や災害も受け入れなくてはなりません。 あまり欲張って働いてはいけないこと(ぎっくり腰になる)。そして食べることの大切さ。 泥のついた野菜を洗い、ととのえ、料理していただく。この毎日のめんどうな(たのしい?)行為がとても大切だということです。

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